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昨日の南相馬、やはりお薬

2011年03月29日(火)

昨日の尾形さん(薬剤師さん)の日記を読むと、南相馬では、お薬が足りないことが分かる。
いやお薬は、あってもうまく配分できていないようだ。
薬剤師さんの出番のようだ。
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 3月28日(月)本日の相馬市・南相馬市(医療機関を中心に)
 
 今日から、また新たな一週間が始まる。と言いたいところだが震災以降休みなしで曜日の感覚が麻痺している。


 8時半、公立相馬総合病院の幹部によるミーティングに参加した。今週から、徐々に通常の体制に移行すること、精神科外来が始まること、旧病棟エレベータの修理が終了し、とりあえず使用可能なことなどが、院長から報告された。


 その他特に問題なことは無く、私からは市内の医療インフラの状況及び南相馬市の様子等を報告した。なお、今週末の土日の診療については、後日相談ということで後回しになった。今後の推移を確認しないと判断が難しい。


 次に、南相馬市鹿島区の鹿島厚生病院に開設した相馬郡医師会臨時診療所の様子を見に行った。本日は4人の医師が診療にあたっていた。患者は廊下の両サイド長いすのほか、奥の待合いスペースの長いすにも多くおり、診療の順番を待っていた。実は本日は小川医師、常盤医師、石原医師の3人が担当することになっていたが、福島の医療機関を手伝っていた高萩医師が、この診療所の存在を気にして、本日様子を見に来たのだった。しかし、診療の様子を見て自分自身が診療しなければならないと思い、4人目のドクターとして外来診療に当たってしまった。高萩医師は、南相馬市の20km~30kmの地点で心療内科の診療所を開設している。多くのデリケートな患者を診療していた医師である。


 医師が4名も診療しているため、調剤薬局では多くの患者が薬を待っていた。サトーファーマシー薬局にも多くの患者が処方箋を持参していた。100mほど北側のそうごう薬局鹿島店も、多くの患者を抱えていた。こちらの薬局は、向かい側の田村内科医院の処方箋にも対応していた。


 相馬市に戻り、昨日から今日までのことを立谷市長に報告しようと市役所行ったところで、総合メディカルの中島事業部長に会った。彼を立谷市長に紹介した。立谷市長からは、鹿島区での活躍を期待された。


 次に、公立相馬総合病院で明日からの精神科診療に向けての打ち合わせを行った。精神科は初めての経験であり、しかも震災による人手不足の問題もある。それらの問題を抱えながらのスタートになる。


 そのあとは、早川医院へ行った。震災後、一日も休まず診療を続けているドクターである。今日も多くの患者が、午後の診療を待っていた。そろそろ先生にスタッフのためにも休養を勧めた。次の日曜日は完全休業を早川医師は決めた。
 特別養護老人ホームの相馬ホームを訪れた。一時の大混乱も収束し、いつもの落ち着きを見せていた。


 夕方6時30分からは、医師会の打ち合わせミーティングが行われた。現在相馬入りしている4つの医療団のうち、3つが参加した。報告や意見交換が行われた。その中で、患者の一部負担金が問題となった。この震災等により被災した方々は、条件がそろえば自己負担が無くなる場合がある。しかし、その確認が難しい。全壊または半壊とか、生計維持者の死亡または重篤な傷病、失職とか。また、原発から30km以内とか。どうやって確認すればいいのか。普段の顔見知りな患者ならまだしも、初めて会う他の地域から避難してきた患者や他の医療機関を受診していた患者など、聞き出す会話も難しいと思われます。調剤薬局に取っては、一部負担金の取り損ないが、即赤字転落の危機でもあり、重要な問題となっている。


 もう一つ、とってもいやな物を見つけてしまった。それは、災害救援物資を装った物品の押し売り詐欺と思われる事例だ。相馬の保健センターに、段ボールに入った災害用と白紙が貼られた物が3箱届けられた。内容を見ると、ただの水らしい物が、スプレーの入れ物に入っていた。私は、薬事監視員を22年もやっているので、見た瞬間に怪しいと思いました。災害用除菌剤と表示されていました。そもそも、薬事法で除菌なる定義はありません。表示に数々の言い訳がかかれていた。薬事法上不適切な表現があるが災害用であるので・・・とか、補助金の対象になるといか、安全・安心の文字とか。安全・安心なんて、絶対に表示しない。安全でも安心でもないことに他ならない。除菌でウイルスに効果があるなんてあり得ない。学会発表がランチョンセミナーの場なんて笑っちゃう。ばかばかしい内容を最もらしく記載した分厚い文書。更に価格の表示。300mlスプレー1,800円也。みなさん、絶対ひっかからないでください。無理においていったら、じゃまだからと外に捨てておいてください。かってに置いていった所有権が無いものの責任はありません。


 夜になり、サトーファーマシーからSOSの電話があった。普段30枚程度の処方箋を夫である薬剤師1人と、妻の事務処理でやっとこなしている薬局が160枚を超える処方箋を預けられた。夜9時近くになっても残り40枚もの処方箋が手つかず。明日は、制限をしながら営業するしかないことが報告された。当然のことなので、過誤を防ぐ意味からも、患者さんには待ってもらうしかない。発注できなければ次の日の薬がない。医師会や相双保健所にもその旨説明することとした。

 

尾形眞一

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この記事へのコメント

相馬市に住んでおります。尾形さんの日記を、読ませていただき、医師や薬剤師の、皆さんの、努力と、ご苦労に、頭が下がります。
私の母は、4年前に脳梗塞となり、右半身に、麻痺が残りました。あの地震の後、薬が手に入らなくなるかも、という話が広がり、まだ、2週間分ほど、残ってはいたのですが、いつも処方してもらっている薬局に駆け込んで、なんとか1週間分いただくことができました。あの時、どれ程ホッとしたことか!薬が無くなると、言うことが、病人本人も、又家族にとっても、恐怖であることを身をもって感じました。
後日、かかりつけの病院で(宮城県)、診察は、出来ないものの、処方箋だけは出していただけると云うことで4週間分薬を処方していただくことができました。仮にいただいた分は、お返ししました。
そんなに、あせらなくても大丈夫だったのだと反省しましたが、あの時は、いても立ってもいられない心情だったのです。
いまでも、薬が不足し、物資が届かない被災地の皆さんの、不安がいかばかりか本当によくわかります。
どうか、一刻も早くとどけてあげてほしいと心から願っています。

Posted by 菅野友美子 at 2011年03月30日 11:04 | 返信

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