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4月8日の南相馬 ー何もかもが遅すぎるー
2011年04月09日(土)
4月8日の尾形さんの日記を引用させていただく。
行くか留まるか・・・何もかもが遅すぎる・・・・自費で避難・・・・
相馬市長の元気さに、涙がこぼれてしまいました。
4月8日(金) 本日の相馬市・南相馬市(医療機関を中心に)
昨日の夜は、久しぶりに大きな地震で、驚きました。この地域は、特に困った影響はなく、安心しました。
本日で、南相馬市の医師達が開設する相馬郡医師会臨時診療所が診療を終了しました。3月25日(金)から15日間の診療でした。震災後、初めて南相馬市の医師が診療を開始したことで多くの患者が訪れ、安心を家に持ち帰りました。今週は、心療内科の高萩医師や精神科の尾形医師がこの臨時診療所で診療をしたことから、一時期精神科医師の空白があった南相馬市でしたが、ようやくここにきて整備されました。来週からは、鹿島厚生病院が外来診療を始めるために終了となった訳ですが、それぞれの医師達は南相馬市内のご自分の診療所で診療を開始することになっております。通常の日常生活が始まろうとしているのです。
しかし、南相馬市の医療はまだまだ復興というにはほど遠い道のりを歩き始めたに過ぎないと考えます。20km以内の2つの病院は、いつ再開できるか全く見通しがたたない状況です。20km~30kmの病院も、屋内待避で、政府の指示で入院患者をエリア外へ避難させたままであり、職員の中にも自主避難をしている方々が多くあり、人的条件が整わない状況です。
震災後約1ヶ月が経過し、ようやく今週から外来診療を開始した4つの病院ですが、経営的には全くなりたたない状態がこのまま続けば、病院自体の維持が難しくなることは必至です。人的な条件を整えながら、避難した入院患者を徐々に戻し、医療機関としての機能を早く元に戻さないと、取り返しの付かない負債を抱え込むことになりかねないと思われます。
自主避難では、完全な公的バックアップは望めないのではないかと考えられます。実際、一般の方々は自前の費用で避難し、その生活が維持できなくなり、戻ってきていると聞いています。仕事ができなければ収入は途絶えます。子どもさんがいれば、新学期のことも考えなければなりません。どこに、身を置いて生活するのか決めることがとても重要な問題となっているのです。
医療機関の職員も同じです。彼らは、一家の大黒柱であり、または、母親なのです。経済活動が伴わない社会は成り立ちようがないのです。政府の曖昧な判断が、二次的な避難民を増加させ、地域経済を麻痺させ、復興を妨げているのです。原発の危険性は、誰が判断すればよいのでしょうか。なぜ、積算放射線量の基準を見直す必要があるのでしょうか。チェルノブイリの強制移住のレベルは正しかったのか検証されているのでしょうか。そこに住む人々への影響はどうだったのでしょうか。避難しないリスクと避難するリスクをどう考えればよいのでしょうか。
もし、南相馬市のレベルが避難を必要とするならば、福島市や郡山市もそのレベル超えています。福島県は会津地方を除いて無人としなければならないのでしょうか。本当にそうなのですか。今の政府にその判断をゆだねることは、とても危険な気がします。何もかも遅すぎます。もう1か月です。何の判断も見通しも示されないなんて考えられません。検討するということは、これから考えますということ。つまりは、何も考えていない、考える準備もできていないといことなのではないですか。遺体の捜索もできないほどの危険地帯なのでしょうか。
私は、毎日そこに行っています。そこで生活している人々が2万人とも3万人とも言われているのです。それともう一つ。屋内待避や避難指示の法的な根拠と強制力がどこまであるのか示していただきたいです。だれか、明確に説明できる方はいないのでしょうか。立ち入り禁止となった場合、立ち入り禁止の自分の家に入ったら、犯罪者になってしまうのでしょうか。教えてください。お願いします。
午後からは、今日も精神科外来のお手伝いをしました。薬剤師の仕事をしていると感じるとなぜかほっとします。
夕方、相馬市長にお会いしました。今日も元気に活動しておられました。この地域を守るんだという意気込みでいっぱいという気がしました。それでも、原発次第というところはみな同じで、この地域の最大の問題であることには変わりはないのです。
尾形眞一
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この記事へのコメント
本当に・・・
なんとかならないのだろうかと常に思います。
きっと現場におられた先生だからこそ、強く思うのではないかと思います。
でもこうして更新することも必ず意味があると思います。
先生にしかできないことだから
Posted by きみきみ at 2011年04月09日 08:50 | 返信
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