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チェルノブイリを振り返る

2011年04月10日(日)

脅かすつもりも、煽るつもりは全く無い。
日本、いや、世界の最大関心は、福島原発の今後にある。
歴史には意味がある。そこでチェルノブイリを振り返ってみたい。
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チェルノブイリの時、私は医師になってたしか3年目だった。
現地で被曝したことを知らずに帰国した日本人が、入院していた。
その人の血液データを不思議な気持ちで眺めていた。

その人は、帰国後、一時白血球が減り、深刻な状態に陥った。
幸い助かったが、生まれて初めて被曝というものを実感した。
もっとも福島とチェルノブイリは単純比較しようとしても、できないが。

巷には、今回の放射能に関する様々な情報が溢れている。
楽観論から悲観論まで実に幅がある。
悲観論は不安を呼び、風評被害を起こすので、避けてきた。

そんな情報は、「急性期」には、敢えて書かずに来た。
しかし、1ケ月を迎え、事態は「亜急性期」から「慢性期」に移りつつある。
今日は、少し、両方の意見を紹介してみたい。

原発に関しては、私は全くの素人。
このブログでも他のメデイアでも、発言を控えてきた。
残念がらネットの中でしか情報を得ることができない。

正直、現時点で、将来を断言できる人は誰ひとりいない。
人類史上、誰も経験したことのない事態に対峙している。
多分、「楽観」と「悲観」の中間くらいかと思っている。

考えてみれば核実験や原発事故は、何百と繰り返されてきた。
福島を言う前に、世界中が沢山の放射能を撒き散らしてきた。
それをあまり意識せずに我々はこれまで生きてきた。

歴史は何のためにあるのだろうか?
やはり、後世に少しは役に立つからかもしれないからだろう。

1ケ月経過した今、改めてチェルノブイリを振り返ってみたい。
それをどう考えるのかは、このブログをご覧の皆さまの自由。

医師として気になるのは、10年後、20年後、30年後のこと。
だから、「杞憂」と、笑われようが、非難されようが、そろそろ、
様々な情報提供だけはしておきたい。

手術説明に例えると、成功するかもしれないし、
失敗するかもしれない。
しかし、全力を尽くします、と。

その時(30年後)、私はこの世にもういないだろう。
だから余計なお世話なのかもしれない。
しかし、大和魂、東北魂は、強く生き抜いているだろう。

というのも、尼崎ではアスベスト吸入後30年して発病する病気がある。
そんな「アスベスト中皮腫」の患者さんと毎日、対峙している。
30~40年前に活躍していた医者の多くはすでに亡くなっている。

こんな尼崎に生きている臆病な町医者からの、
インフォームドコンセントと考えて欲しい。

http://shachoublog.net/nyu-su/cherunobuiri-douga.html

2006年にNHKが放映した映像。
3には日本人医師が登場する。

1  死亡率上昇、移住した
4万人が2万人に  50歳まで生きられない

http://www.youtube.com/watch?v=PHeq8TfSRBM&feature=related

 

2  見捨てられた人たち

http://www.youtube.com/watch?v=8hXmoNuJHKs&feature=related

 

3  子供だけではなく、大人の甲状腺ガンが急増

http://www.youtube.com/watch?v=Fgx1mcUgHnA&feature=related

 

4  300年大地を汚染するセシウム

http://www.youtube.com/watch?v=BiFTMaApEpw&feature=relate

 

5  事故との因果関係を認めないIAEA 死者は50人

http://www.youtube.com/watch?v=ZK7T6BDiB1c&feature=related

怖い方の話はここまでにしましょう。
ここまで見て頂いた方に、ちょっと休憩。
ついでに、ネット上で話題になっている齊藤クンの歌も紹介しよう。
http://blog.310326.com/2011/04/daichiazuma.html

彼は、ちょうど1年前、大阪城ホールのライブで見た。
彼が、原発をテーマとして扱った芸能人の、第一号。
何故、1ケ月たった今でも、第一号なのか・・・・
 

さて反対に、「放射線など怖くない」という意見を紹介したい。
尊敬する石黒大圓さんのメルマガ「いのちの風」から
以下、少し引用させていただく。


低いレベルの放射線など恐ろしくないと意見を述べる学者たちがいます。 

 
1986年のチェルノブイリ原発事故で当時のソ連政府に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の権威、ロバート・ゲイル博士によると
「現状の放射線量は心配のないレベルであり、そのことを説得力をもって国民に説明できる人間が政府内にいないことが問題だ」
 

 

以下は彼の記事「放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任チェルノブイリの惨状を知るロバート・ゲイル博士に聞く」からの抜粋。 
 
* 放射性ヨウ素を含んだ牛乳を乳児が20杯飲んでも大丈夫なはずだ。その値以上の飲料水を5リットルほど毎日1年間飲み続けたら、ガンになる確率が1万分の1上がる可能性がわずかにある、ということだ。 

 
* 放射性物質を含む汚染水を海に広い海に流せば希薄化する。海への放出は、現状で考え得る最善の選択肢なのだ。 
 
* また、魚介類に対する放射性物質濃度の基準も、他のものを食べず、その魚だけを一生食べ続けたら、ガンになるリスクがわずかに増えるという程度ものだ。そもそも海には以前から放射性物質が含まれている。1994年まで海底での核実験が行われていたし、原子力潜水艦や核弾頭なども海底に沈んでいるからだ。海水の放射能汚染は何も新しいことではない。
 
* むしろ今後の問題は、人々が怖れるあまり近海の魚が売れなくなり、経済的な打撃を受けることだろう。だが、それは無知に基づいた反応以外の何ものでもない。
 
* 現在避難している周辺住民は、環境を注意深く調査してからの話だが、場所によっては、1~2年のうちに元の住まいに戻ることができるだろう。チェルノブイリでも、立ち入り禁止区域に指定されている30キロ圏内で現在生活している人たちもいる。
 
* 放射性セシウム137の半減期(放射線量が半分になるまでの期間)は30年だが、これはいわば実験室のガラス瓶の中での話だ。現実の自然界では雨や浸食によって、もっと速く減っていく。
 
* 放射能汚染が懸念されているホウレン草やミルクも、先ほど言ったようにその汚染されたものだけを一生飲食し続けた場合に危険だという値だ。
 
* チェルノブイリは、福島第一原発の現状とは比べものにならないくらいの大惨事だった。放射線量も多かったが、事故をさらに悲惨なものにしたのは他の要因にもよる。たとえば、事故直後現場に駆けつけた消防士らは、放射性物質が飛散していることをまったく知らされていなかった。防御服もなく生身で放射線にさらされながら、消火活動を行っていたわけだ。
 
*(チェルノブイリ事故の影響で)6000件の甲状腺ガンが報告されているが、これは子どもたちが放射性物質に汚染されたミルクを飲み続けていたからだ。
 
* つまり、原発事故直後に本来取られるべき措置のすべてが取られなかったのだ。これに対して、福島原発事故では、日本政府の説明下手という問題はあるが、放射能汚染リスクへの対処はきちんと行われていると私は考えている
 

 放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任
――
チェルノブイリの惨状を知る被曝治療の権威
ロバート・ゲイル博士に聞く
http://diamond.jp/articles/-/11772
 

ロバート・ゲイル博士
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&rlz=1T4GGLL_jaJP351JP351&q=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%AB%E5%8D%9A%E5%A3%AB&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=&aql=&oq



以上、引用、終わり。

うーん、難しい。

福島原発事故の真相がちゃんと説明されていないので、
現時点では、だれも明確な回答はできないかと思う。
私自身は、50を超えているので全く気にならないが。

みなさまは、どう感じておられますか?











 

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この記事へのコメント

チェルノブイリを、これまで、遠くのこととしてしか見ていなかったことに気付きました。終息までに、こんなにも多くの、大きな犠牲が払われていたのか・・チットモ知らなかったことを恥ずかしく思います。
でも、我々は大きな犠牲の上に立った歴史の教訓を踏まえて、福島を如何に上手く終息していくか。政治は、どのように取り組んでいるのでしょうか。日本の英知を集めて、方策を考え、決断をしていく仕組みは出来ているのでしょうか。想定できるあらゆることを考えながら、終息のためのストーリは出来ているのでしょうか。
これこそが、政治主導。政治しかできないことです。

Posted by 小澤 和夫 at 2011年04月10日 05:53 | 返信

動画と「ロバート・ゲイル博士に聞く」見ました。
チェルノブイリを福島原発に重ねると福島原発の規模や、事故から今迄東電、消防、自衛隊がやってきた事がどれだけ危険な事だったのか見えたような気がします。
終息までまだまだ時間がかかり、予断を許さない状況から世界が力を注いでくれている中、汚染水を海に流す等の情報提供は周辺国にしっかりと行って行くべきだ思いました。

またいたずらに放射能を恐れるのではなく、正しい知識を持って日々の生活に当たり、二次災害のように経済に打撃を与えるような判断をしない賢明な対応が必要だと思いました。
先日スーパーの特設コーナーで野菜の売り出しをしていました。
よく見ると福島、茨城、新潟産の物ばかりで、風評に対抗しているようなその店の勢いを感じて思わずあれもこれもと大量買いをしてしまいましたが、これも支援の一つだと自己満足しています。

これからの福島原発の動向を見守りながら、日々の生活の中で出来る限りの支援をしていきたいと思います。

Posted by 匿名 at 2011年04月11日 09:05 | 返信

国土が小さい日本で1度こういう原発事故を起こすと国土の数10パーセントは当分使用不可となる。
当分とは年単位でありその間の農業,漁業,住民生活は完全に破壊されてしまう。増してや日本は地震国である。今後もこういう地震,津波被害が発生する確率は高いと考えている。今まで政治家や御用学者どもはコンクリートその他で自然をねじ伏せられるかのように資金を投入してきたが自然の猛威を100パーセント抑えるなんてとんでもない。もっと柔軟に対応することを考えるべきだ。『万里の堤防』があったから人は逃げ遅れたとしたらとんでもないことだ。増してや世界中のテロリストに大変な情報を与えてしまった。それは原発を1基破壊すればどのような攻撃にも勝る脅威を与えることができるということだ。

Posted by Hokurikuchapman at 2011年04月11日 11:20 | 返信

長尾先生からの発信はともすれば不安を煽るような情報が出る中、原発の正しい認識を促す貴重なメッセージだと思います。
関東大震災である国の人間が井戸に毒を入れるという根も葉もないうわさが広がり、多くの異国の人が殺されたという事件があったそうですが、こんな時は何気ない一言でも大きな不安の材料となるものだと思います。正しい情報をしっかり見極め、賢明な判断を持って行動していきたいと思いました。

Posted by 桜 at 2011年04月11日 06:47 | 返信

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