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石巻ローラー作戦
2011年04月18日(月)
石巻ローラー作戦が推進されている。小野沢先生の日記から転載させていただく。
石巻でも、在宅医療の仲間たちが奮闘している。GWに応援に入る予定。
本日、石巻市の最も被害の大きかった地区12000戸の全戸調査が終了しました。あおぞら診療所和田医師が全体の構成や調査マニュアルを作成、プライマリーケア学会富塚医師が中心となり、沖縄県立中部病院の高山医師、ユニセフの国井医師たちが市の事業として行うよう市と調整し調査地域、調査世帯数などを決定して行われた調査です。
三菱総研様のご協力で、調査の概要は電子化されています。今回の調査で写真等の証拠なしにり災証明書がもらえる地区、つまり、1階の天井まで以上の浸水被害のあった地区の全地区の調査を行ったことになります。
結果概要
調査対象地域の被災前住宅数 11271世帯、うち現在夜間在宅し聞き取り可能であったのが1409世帯でした。
リスクがある世帯は274世帯、内、3日以内に対応が必要とされた数は合計20世帯、7日以内の要対応が84世帯、1ヶ月以内の対応が170世帯でした。
16日までの高リスク世帯についてはすでに対応済みですが、深刻な問題や命に関わるケース、褥瘡のケースなどはほとんど見られませんでした。17日分の詳細は今日、検討し、対応します。
衛生状態、栄養状態について
一方で、衛生状態や食事の内容についてはかなり問題を含んでいます。多くの方が、未だにおにぎりと菓子パンを自宅でも食べていました。これらは無料で配
給されるものです。
自動車が有る方とない方では生活に大きな差が見られ、自動車のない方はおにぎりと菓子パンが主な食事の内容で、副菜もほとんどない状態でした。また、近
隣非被災地の親戚の有無も生活に大きく影響している様子でした。
入浴を週に複数回出来ている方はまれで、週1回程度は出来ていましたが、全く出来ていない方も多く見受けられました。
現在の最大の問題点:激甚被害地に人が住んで居る事について
今回、最終日は本部でありながら、被災地の様子をみて、直接声を聞くためにローラー作戦の調査員として参加しました。
被害の大きさに驚くとともに、果たして、この家に住んで良いのだろうか、という疑問が湧いたことも事実です。昨日までの調査でも、傾いた3階建ての2階
に済んでいる方や、一回部分が津波でほぼ柱を残すのみになっている2階に住んでいる方がおられました。
中越地震の時には確か、行政の方が建物をある程度評価し、戻ってはいけない家を指定していたと記憶しています。震度6程度の余震があり、場合によっては
再び津波が来るかもしれないという状況の中、調査対象の地域にすでに1400世帯もの方達が戻って暮らしている事自体が非常に大きな問題だと感じま
す。
渡波小学校は防砂林のすぐ手前にあり、近々開校が予定されています。避難民の方が避難所を残して欲しいと掛けあい、延期されたと避難者の方から聴きまし
たが、基本的には今回の調査で、4階建ての市営住宅(電気、ガス、水なし、下水もない)に多くの住民が戻ってきていましたが、その多くは子供と一緒に学校が始まるからと戻ってきた人たちでした。
一方で遠隔避難を促しておきながら、被災地の中心部、最も被害の大きかった地区の学校を開校するとアナウンスしてしまうということに驚いてしまいました。当然、義務教育ですから、親は子供を学校に通わせなければなりません。住宅が何とか形を保っている家庭では被災地域の自宅に戻ろうとするのは当然のことです。しかも、どの住宅が危険かさえ指定されていないのですから、家が傾いていても戻ってしまう人が今後も出ないとも限りませんし、最大余震の津波では再び大きな被害がでかねません。
また、子どもがその小学校に戻ったときに、誰が子どもの命を完全に保証できるのでしょうか。せめて、1年程度は山の上などに仮設学校を設置して、開校すべきではないでしょうか。そうすれば、両親も津波で大きな被害があり、ライフラインの復興もなず、不衛生な市営住宅に住む必要はないし、今後の地震で潰れてしまう可能性がある家にもどろうという気もおきないはずです。
早急に、立ち入り禁止地区や居住不能住宅を定めるべきです。早急に、安全な場所に学校を移設するべきです。最大余震が来ると言われている状況で、あの水
没する道を小学生が被災地の中心、津波で最も被害の大きかった地区にある学校に通うという恐ろしい事態をすぐにでも防ぐべきです。
本当にお願いします。
誰かきちんと事態を見据えて対策をとってください。
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この記事へのコメント
本当にそうですよね
そうしたローラー作戦をするだけの人員が足りないということなんでしょうか?
助かった命をこの余震の続く場所で
再び危険にさらしてほしくないなと・・・思います。
大事にして欲しいな・・・。
Posted by きみきみ at 2011年04月19日 12:11 | 返信
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