- << 宮城県の同級生との会話
- HOME
- 日曜診療はタバコ外来 >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
南相馬の医療の現実
2011年04月24日(日)
ここは、本当に日本なのか?
そんな気さえするこの現実を、みなさんは、どう考えますか?
長崎大学病院の石田です。
17日より現地の入っておりましたが、本日で実質的な活動は終了し、明日は次の陣に引き継ぎを行います。
22日の市立総合病院の副院長の及川先生を中心として避難所連絡会議が行われ、参加させていただきました。この会議には東大の上先生も参加され、非常に貴重なコメントを行っておりました。
現在この地はこれまでの報告にもあるように、避難所、居宅を含めて人が戻ってきている状態にあります。一方で30km圏内の病院の入院はごくごく限られたケースのみ可能(実質無理)状況で適切な医療サービスなしに住民の安全な生活は保てるはずがないといった、矛盾を抱えた状態のまま日々が進行しています。今週の政府の発表も踏まえ、当面30km圏内の医療の崩壊はどうにもならない状態といえます、加えて、この様な状況から、この地を離れて行ってしまう医師も実際います。
震災前でも医師不足の状態であったこの地にさらに医療を担うものが現場を離れるといったことを考えれば、とにかく今は中長期的な医療の支援(医療のみならず、介護・福祉関係も)がまだまだ重要であるといえます。加えてこの大きな問題をどのように変えていくのか、変えることができなければ、終わりの見えない住民生活と支援を続けなければならなくなります。
加えて現在在宅にとどまりかつ医療支援を必要としている数は230名を超え、当初想定された170名前後という数を上回っており、今後病院の外来診療(入院医療が提供できないので)、避難所診療、在宅診療の3つを地元の医師だけそれを引き継ぎ、行うことは事はまず不可能といえます。
また医療関連でいえば、地域の中核を担っていた精神科の病院が相次いで閉院の方針を打ち出しており、地域の精神科医療の崩壊を示しています。
そして、在宅、診療所を回って感じることは、精神ケアの必要とする人の多いことです、日々ケアが必要な数は増えていると実感しています。精神保健福祉士さんを中心に加入を行われ、評価が行われてきていますが、今後のニーズを考えれば、多くの人員が必要であることは明らかです。
細かい話かもしれませんが、来週から避難所と地域の中核病院を結ぶ無料の送迎バスがが運行されます。ただし、今のところ運転手は一人のボランティアのみで、今後のニーズを考えれば、バスを運転できるドライバーのボランティアが必要です。
また在宅の方と病院を結ぶ方法はまだ確立されていません。足がないものは、病院はあいていていて、行きたいのだけども、行くことができない、といったことの解消も考えなlればなりません。
原発から20~30km、ここには見えないけども、確実に非常に非常に大きな壁が立ちはだかっています。
20kmにあり立ち入りのできない小高病院に関してですが、避難所での訪問診療を行っている際にやはり、やはり自発的に避難所の巡回をされていた小高病院の病院長である遠藤先生にお会いする機会がありました。
小高病院はもともと合併前は、町立病院で、合併後の現在でも、地元の方は、「町立病院」「町立病院」と言って、小高病院と呼ぶより、町立病院と言う名前で親しまれています。本当に地元に密着した病院で、99床の病院に、常勤医3名で診療を行っていました。
遠藤先生にお伺いしたところ、20km圏内で、再開のめどが全く立たない状況であるため、病院は閉院が決まったとの事です。先生自身も今月いっぱいで辞職されるそうです。
同じ避難所には小高より避難してきた住民の方もおられ、非常に遠藤先生のことにを信頼し、感謝をしている事を、私に切々と語ってくれた方がおりました。
震災前に小高病院は色々な諸事情から、閉院の危機に立たされたことがったそうです、でも住民の方が中心に自主的に、病院を守るための運動を起こし、病院は残ることになったそうです。
遠藤先生は、このように私に話をしてくださいました「今回のこのような状況からやむなくここを離れなければならなくなってしまったけれども、小高には非常に愛着がある、いつの日か小高に戻ることができるようになった際は、すぐに小高に戻りますよ
- << 宮城県の同級生との会話
- HOME
- 日曜診療はタバコ外来 >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
以前長尾先生は、
「被災地であろうが、医療は医療です。
医師でないものが、医療行為をすると医師法違反で罰せられますし
どんな究極場面でも、医師の倫理観に基ずいて行動します。
何をしてもいい、勝手なことをしても許されるというものではありません。
戦地における戦士が指揮命令系統で動くのと同じです。」
と言われました。
武器を持った戦争という極限状態で、怪我をした人を目の前にして医師免許がないからと言って何もしない人はいないと思います。
だからこそ必然的に医師免許を持たず治療する「医介輔」という人が生まれたのだと思いますが、先日テレビで医師のいなくなった被災地で「私の処方箋」と言いながら被災者に薬を飲ませている看護師の姿が放映されていましたが「これが当然」だと思います。
極限状態の被災地とはこういうものだと思っています。
医療者は普段の医療業務を基準にして医療を考えられるのかと思いますが、病院も医師もいない極限状態で保険診療も、医師法違反もないと思います。
出来ればテレビ電話でもいい、インターネットでもいい、被災者が直接医師のアドバイスを受けられたらどれだけ被災者の方は安心するか分からないと思います。
被災地で残された人たちが痛みや苦しみから解放される為に、医師による医療の手が充分に届く事を祈ります。
Posted by 桜 at 2011年04月24日 08:13 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: