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高齢化社会における血糖管理

2011年06月26日(日)

昨夜は、尼崎で、「高齢者社会における血糖管理」を議論する会が開催された。
神戸大学の横野浩一教授と私が講演した後、パネルデスカッションを行った。
「高齢者は高齢者なりの血糖管理がある」ということで、意見は一致した。
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認知症と糖尿病の深い関係に関しては、横野先生も私も触れられた。
横野先生は、高齢者ではHbA1cを下げ過ぎないことが大切、と述べた。
具体的には、高齢者では、HbA1cを7.0%以下にしてはいけないのだ。

在宅におけるインスリン管理についても議論された。
誰がインスリンを打つのか?

独居、老老、認認が、普通となった現代。
ヘルパーは、インスリンを打てない。
制度を変えるのか、看護師によりランタス週2回打ちでやってくのか。

病院から在宅に帰る時には、キーパーソンを意識したメニューの変更が必須。
退院時カンファ、ケア会議などを通じて、多職種連携の中での血糖管理の時代。
病院の若い医者の意識改革も急務だ。

生活を診る血糖管理が必要。
CGAを重視した血糖管理への変換も重要。
認知症や癌合併の予後を考慮した管理も大切。

経口剤では、DPP4阻害薬の可能性が示唆された。
いずれにせよ、低血糖の完全回避が、必要条件だ。
救急隊との連携体制も今後の課題だ。

町医者と糖尿病学のトップである横野先生が一緒に議論した。
訪問看護師やケアマネの一緒になって血糖管理を考えた。
考えてみれば画期的な一夜だった。

横野先生の講演は何度も聞いた。
いつも明快で納得できる話だ。
紳士かつ、深い。優しい。

この模様は、いずれ某医学雑誌で再現されるかもしれない。
また機会があればまたこのような時間を持ちたい。

高齢者の血糖管理の考え方は、確実に変化してきている。
これだけは、ハッキリ言える。

高齢者への無駄な4回打ちは、撲滅したい。
高齢者糖尿病患者さんに、「尊厳」を!



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この記事へのコメント

私は56歳のインスリン患者です。一日3回打ちを約30年続けています。最近思うようになったのは、高齢になった時に今のクリニックで対処できるのか?と不安が募ってきています。
現在通院しているのは糖尿専門クリニック。でも高齢になった場合の在宅医療はありません。診察も検査値とPC画面のにらめっこで人間を診てもらってないことに不安を覚えています。今は血糖管理は良好なのでこれで良しと思っていますが。長尾先生のブログで患者目線の診察にとても共感します。西宮在住なので、長尾先生のクリニックに転院でもしようかなと本気で考えているこの頃です。数字とPCのにらめっこ診察に限界を感じている患者のひとりです。今の診察に不安がいっぱいです。

Posted by きらり at 2011年06月27日 12:39 | 返信

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