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大江健三郎がフクシマの本質に迫る
2011年07月03日(日)
小さいころ、「ビキニ」や「第五福竜丸」や「原水爆反対」という言葉をよく聞いた。
今夜のETV特集では、大江健三郎氏が、一連の原発問題の本質に鋭く迫った。
最後の小説を書いているそうだが、本質を見つめ続けている彼を改めて尊敬する。
今夜のETV特集では、大江健三郎氏が、一連の原発問題の本質に鋭く迫った。
最後の小説を書いているそうだが、本質を見つめ続けている彼を改めて尊敬する。
今夜のETV特集は、大江健三郎氏と
第五福竜丸乗り組み員だった大石又七氏の「核をめぐる対話」。
秀作だった。
多くの国民に見て欲しい。
見逃した方は、このブログだけでも見て欲しい。
日本医事新報に寄稿した文章、「医療費抑制政策と原発推進政策」
と合わせて、コトの本質を考えたい。
1953年、アイゼンハワー大統領は、
国連で「原子力の平和利用」を、演説した。
ヒロシマ、ナガサキを、あまり気にしないのか。
気にしているから、「平和利用」と言い直したのか。
その翌年1954年、太平洋で、第五福竜丸事件が起きた。
米国のビキニ諸島での水爆実験で日本の漁船が被曝した。
予期せぬこの事件で、米国の矛盾した政策が明るみに出た。
しかし2年後、賠償金で、この問題は表向きは決着さされた。
当時、内部被曝という概念は無かった。
大石氏は2年間いた病院から退院しないと
事件が決着したことにならなかった、とのこと。 米国は太平洋で水爆ブラボー実験を、67回もしている。
マーシャル諸島の実際の被曝は、報告より大きかった。
マーシャル諸島は、1985年に、アメリカから独立した。
ロンゲラップ島の島民は、大勢被曝したので、島を離れた。
3年後にアメリカは安全宣言を出して島民を戻した。
しかし、その後、内部被曝による甲状腺癌や
白血病や死産が多発した。
結局、その後、ロンゲラップ島は独立したが。
日本では、当時、原水爆反対運動が盛り上がった。
社会党は全面的に反対したが、
共産党は、共産国の核実験は容認した。
米国は、これに対して、日本のマスコミを使って
反原発運動を抑えることを画策した。
「日本人は新聞に弱いこと」を巧みに利用した。
日本人への米国の心理戦略作戦は、皮肉なことに
日本人の協力者と政治家とともに推進された。
正力松太郎氏は、自分の新聞に、
「原子力の平和利用」を書き続けた。
ついに反核国民運動を抑えることに成功した。
正力氏は、後に国会議員として原発政策を推進することになった。
また、中曽根康弘氏らは、原発を推進する政策を掲げた。
以上が、現在、気がついたら50基もの原発大国になった始まりだそうだ。
政治派閥に大きなお金が動いたことは容易に想像できる。
これが戦後50年も続いた、「派閥政治」の本質だったようだ。
金権政治と言ったほうがピンとくるかもしれない。
原発推進政策とは、金権政治だったようだ。
1955年1月、日米合意文書に調印。
1955年4月、「原子力平和利用懇談会」発足。
この辺りが「フクシマの本質」だと、大江氏同様、私も思う。
ビキニ事件から30年を経過した1983年ころから、
第五福竜丸の生き証人である大石又七氏は、口を開き出した。
数年後におこる甲状腺癌の危険性を啓発しはじめた。
東海村は、私が生まれる3年前の1955年に始動している。
すべては、最近まで続いた拝金政治が生んだ産物だった。
それは、メデイアの在り方も含まれている。
原発推進の書類に誰が署名しているのか?
これをよく見れば、責任の所在がハッキリする。
政治家や財界人。
政官財の癒着そのものだたのか。
今回のフクシマのA級戦犯が、この番組を見てハッキリした。
東京裁判があったなら、なぜフクシマ裁判をしないのか?
なぜ、誰も責任を取らないのか?
多くのヒトを殺してたり苦しめても責任は問われないのものか?
多くの子供の普通の生活を奪っても、責任は問われないのか?
海や大地を半永久的に汚しても、責任は問われないのか?
普通、これだけ多くのひとを殺したら、損害を与えたら、逮捕、処分される。
ヒトを殺したら、死刑になる。
それが、世の秩序だと思ってきた。
しかし、今回、そんな声は聞こえてこない。
大江氏は、ここでもまた悩んでいる。
責任を曖昧にするのが、日本国のいいところ、とも言われた。
しかし、ここまで寛容になるのが日本人なのか?
医療過誤ですら1人の患者を傷つけたら、間違いなく裁かれる。
悪意も無ければ、金権も無い。
善意から始まった行為であったとしても、厳しく、糾弾される。
しかし、原発問題では、どれだけ多くのひとを苦しめたら
責任者の責任が問われるのか?
誰か教えて欲しい。
大江氏がここまで優しくなれるのは、寛大でいられるのは、何故か。
私の勝手な想像だが息子さんの大江光氏の影響ではないのか。
ヒトを責めるより、前を向いて生き抜くことを選択したのだろうか。
大江氏のルーツは、ヒロシマの衝撃だった。
原爆医療に生涯をささげた広島原爆病院の
重藤文夫医師から多大な影響を受けている。
広島と同じことが、これからフクシマ医大で始まることだろう。
今を生きる医療者たちも、放射能障害を真剣に考えなければいけない。
(これも、先週の日本医事新報に書いたところだ)
大江氏は、いつも、真実を、本質を、見つめ続けてきた。
人間の本質への探究心なのか。
しかし、内部被曝で多くのひとが病気になれば
いったい誰の責任なのか?
「被曝」国、日本が、なぜ、「自曝」することになったのか?
なぜ、こんな素朴な疑問の本質に、だれも迫れないのか?
同じことを大石氏も言っていた。
今夜のETVは、その本質に迫った大変いい番組だった。
アイゼンハワー氏⇒正力氏⇒中曽根氏⇒最近まで続いた自民党の派閥政治。
これが、フクシマの答えではないか。
風評被害と正確な報道は紙一重。
報道の難しさを、考えさされた。
いまこそ、歴史に学ばなければいけない。
自分の頭で、フクシマの本質を考える以外、道はない。
大江氏の最後の作品(執筆中とのこと)に、大いに期待したい。
第五福竜丸乗り組み員だった大石又七氏の「核をめぐる対話」。
秀作だった。
多くの国民に見て欲しい。
見逃した方は、このブログだけでも見て欲しい。
日本医事新報に寄稿した文章、「医療費抑制政策と原発推進政策」
と合わせて、コトの本質を考えたい。
1953年、アイゼンハワー大統領は、
国連で「原子力の平和利用」を、演説した。
ヒロシマ、ナガサキを、あまり気にしないのか。
気にしているから、「平和利用」と言い直したのか。
その翌年1954年、太平洋で、第五福竜丸事件が起きた。
米国のビキニ諸島での水爆実験で日本の漁船が被曝した。
予期せぬこの事件で、米国の矛盾した政策が明るみに出た。
しかし2年後、賠償金で、この問題は表向きは決着さされた。
当時、内部被曝という概念は無かった。
大石氏は2年間いた病院から退院しないと
事件が決着したことにならなかった、とのこと。 米国は太平洋で水爆ブラボー実験を、67回もしている。
マーシャル諸島の実際の被曝は、報告より大きかった。
マーシャル諸島は、1985年に、アメリカから独立した。
ロンゲラップ島の島民は、大勢被曝したので、島を離れた。
3年後にアメリカは安全宣言を出して島民を戻した。
しかし、その後、内部被曝による甲状腺癌や
白血病や死産が多発した。
結局、その後、ロンゲラップ島は独立したが。
日本では、当時、原水爆反対運動が盛り上がった。
社会党は全面的に反対したが、
共産党は、共産国の核実験は容認した。
米国は、これに対して、日本のマスコミを使って
反原発運動を抑えることを画策した。
「日本人は新聞に弱いこと」を巧みに利用した。
日本人への米国の心理戦略作戦は、皮肉なことに
日本人の協力者と政治家とともに推進された。
正力松太郎氏は、自分の新聞に、
「原子力の平和利用」を書き続けた。
ついに反核国民運動を抑えることに成功した。
正力氏は、後に国会議員として原発政策を推進することになった。
また、中曽根康弘氏らは、原発を推進する政策を掲げた。
以上が、現在、気がついたら50基もの原発大国になった始まりだそうだ。
政治派閥に大きなお金が動いたことは容易に想像できる。
これが戦後50年も続いた、「派閥政治」の本質だったようだ。
金権政治と言ったほうがピンとくるかもしれない。
原発推進政策とは、金権政治だったようだ。
1955年1月、日米合意文書に調印。
1955年4月、「原子力平和利用懇談会」発足。
この辺りが「フクシマの本質」だと、大江氏同様、私も思う。
ビキニ事件から30年を経過した1983年ころから、
第五福竜丸の生き証人である大石又七氏は、口を開き出した。
数年後におこる甲状腺癌の危険性を啓発しはじめた。
東海村は、私が生まれる3年前の1955年に始動している。
すべては、最近まで続いた拝金政治が生んだ産物だった。
それは、メデイアの在り方も含まれている。
原発推進の書類に誰が署名しているのか?
これをよく見れば、責任の所在がハッキリする。
政治家や財界人。
政官財の癒着そのものだたのか。
今回のフクシマのA級戦犯が、この番組を見てハッキリした。
東京裁判があったなら、なぜフクシマ裁判をしないのか?
なぜ、誰も責任を取らないのか?
多くのヒトを殺してたり苦しめても責任は問われないのものか?
多くの子供の普通の生活を奪っても、責任は問われないのか?
海や大地を半永久的に汚しても、責任は問われないのか?
普通、これだけ多くのひとを殺したら、損害を与えたら、逮捕、処分される。
ヒトを殺したら、死刑になる。
それが、世の秩序だと思ってきた。
しかし、今回、そんな声は聞こえてこない。
大江氏は、ここでもまた悩んでいる。
責任を曖昧にするのが、日本国のいいところ、とも言われた。
しかし、ここまで寛容になるのが日本人なのか?
医療過誤ですら1人の患者を傷つけたら、間違いなく裁かれる。
悪意も無ければ、金権も無い。
善意から始まった行為であったとしても、厳しく、糾弾される。
しかし、原発問題では、どれだけ多くのひとを苦しめたら
責任者の責任が問われるのか?
誰か教えて欲しい。
大江氏がここまで優しくなれるのは、寛大でいられるのは、何故か。
私の勝手な想像だが息子さんの大江光氏の影響ではないのか。
ヒトを責めるより、前を向いて生き抜くことを選択したのだろうか。
大江氏のルーツは、ヒロシマの衝撃だった。
原爆医療に生涯をささげた広島原爆病院の
重藤文夫医師から多大な影響を受けている。
広島と同じことが、これからフクシマ医大で始まることだろう。
今を生きる医療者たちも、放射能障害を真剣に考えなければいけない。
(これも、先週の日本医事新報に書いたところだ)
大江氏は、いつも、真実を、本質を、見つめ続けてきた。
人間の本質への探究心なのか。
しかし、内部被曝で多くのひとが病気になれば
いったい誰の責任なのか?
「被曝」国、日本が、なぜ、「自曝」することになったのか?
なぜ、こんな素朴な疑問の本質に、だれも迫れないのか?
同じことを大石氏も言っていた。
今夜のETVは、その本質に迫った大変いい番組だった。
アイゼンハワー氏⇒正力氏⇒中曽根氏⇒最近まで続いた自民党の派閥政治。
これが、フクシマの答えではないか。
風評被害と正確な報道は紙一重。
報道の難しさを、考えさされた。
いまこそ、歴史に学ばなければいけない。
自分の頭で、フクシマの本質を考える以外、道はない。
大江氏の最後の作品(執筆中とのこと)に、大いに期待したい。
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この記事へのコメント
ちゃんと戦争のことを知らない世代です。
それでもまだ、ピカドンやはだしのゲンもみたぎりぎりの世代。
きちんと教わらず、知ろうとせず、言おうとしなかった代償は必ず来るだろう。
ちゃんと声をあげなきゃいけない。
誰も責任取らない世の中・・・。これじゃいけない・・・。
Posted by きみきみ at 2011年07月05日 12:59 | 返信
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