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南相馬の医療の現状

2011年08月03日(水)

今日のアピタルにも少し書きました。
南相馬の医療は、崩壊寸前です。
南相馬の病院職員の文章を転載させて頂きます。
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入院患者数は39名となりました。許可となった入院患者数は50名ですが、その人数を受け入れるには2つの病棟を開けなければならず、看護師の人数が足りません。8月になり4名の看護師さんが戻ってきてくれました。でも1人は9月になったら避難先に戻らなければいけません。転校させたお子さんの学校が始まるからです。お子さんの学校のこと以外にも夫の仕事、親との生活など生活の場が既に避難した場所で決まってしまい、来年3月に戻ってきてくれるかは微妙です。

2回の入院患者数と医療スタッフの人数の報告は事務職員がやってくれていますが、実態のないものになっています。8月中に緊急時避難準備区域が縮小されると噂されていますが、そうすると今度は県からもっと救急を受けろ、透析治療を始めろと言われるのではないか危惧しています。現在夜勤のできる外来看護師や透析部門の看護師が病棟業務に就いていますが、病棟を離れ救急外来に赴くのは危険です。(8月から土曜、日曜の日中、輪番日、休日当番日は外来看護師が救急外来を行うようになりました。)

透析は815日に再開する小野田病院と歩調を合わせるつもりで準備していましたが、看護師、臨床工学技士が十分揃わず、8月中の再開も難しい状態です。慣れない土地で透析を続けなければいけない患者さんはもちろん、会津や中通りの透析施設の先生方やスタッフの方々にもご迷惑をおかけしています。

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19日と21日に群馬県に引き受けてもらった124名の患者さんについても、療養型病床の再開のめどがつかず、緊急時避難準備区域が解除または縮小されてからも暫く遅れそうです。転帰については群馬県のほうから随時報告があり、現在85名の方が群馬県内の病院や介護施設でお世話になっております。群馬県の病院を廻った際に、患者さんに約束してきたこと(大町病院が復興し、原発が安全になったら必ず迎えに来ます)を是非成し遂げなければいけないと思っています。

今回の入院制限で一つ良かったことは、在宅医療が少し進んだということです。以前なら入院させるような介護を必要とする患者さんでも、ベッドがないため訪問診療、訪問看護を行うようになりました。(デイサービス・ヘルパーなどの介護サービスがまだ始まっていないため)家族の負担は増えていますが、かかりつけの医師、看護師が訪問することにより家族の安心感は増したようです。

収益は188床あった311前の約1/4です。職員は200名位居た311前の約1/3です。少ない収入を多くの人数で分けなければいけない訳で、ワークシェアリングならぬ給料カットで凌いできました。最大75%カットでも我慢してきた理由は、東電の賠償金がおりたら穴埋めするという理事(私も理事の一人です)の言葉を信じ、増えた収益が自分の給料にも反映されるという資本主義的経営方針でいるからだと思います。赤字分は今までの貯金で補っていますが、それも1年くらいで無くなってしまいます。従業員100名以上の病院にも支払われることになった仮払金も250万だと、1ヶ月の給料補填分で無くなってしまいます。原発の直接被害を受けた県内の22病院がまとまった福島県病院協会の中で損害賠償請求を行っていますが、どの位認められるか、いつ頃支払われるか、この先何年賠償してくれるかなど不明な点ばかりです。銀行や福祉医療機構からの資金もリスクが大きいとして借りていません。3次補正で検討されることになる地域医療再生基金がどの位のものか分かりませんが、早期の実現を期待せざるをえません。

今のところ大町病院については「倒産」という二文字はあてはまらないように思います。しかし、今いる看護師や医師が辞めていったら積み木の家のごとく崩れてしまうかも知れません。他の原町区内の病院と違う点は、職員の年齢がやや高いことや猪又院長のカリスマ性もありますが、他の職員や患者を見捨てることはできない責任感が強い職員が多いからかも知れません。

本日南相馬市に中医協の委員の方々が実情を調査に訪れます。本院からは猪又院長が出席されますが、災害地特区としての診療報酬の点数を認めてもらうこと、長期の医療スタッフの滞在、派遣を認めてもらうこと、放射線被曝、原発再爆発に対する危険手当の支給、職員(特に妊娠可能な女性職員)に対する健康管理などを要望する予定です。

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