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第二回 連携懇話会で言いたかったこと

2011年10月20日(木)

10月17日の第2回医療・介護サービスの連携に関する懇話会で言ったことをまとめた。
たくさんの問題について発言したが、3点に絞って少し詳しく書いてみよう。
この懇話会が頻回に開催され、来春の同時改定の「礎」になることを祈る。
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1 訪問看護制度について

  在宅医療の主役は訪問看護。
  しかし、私が昨年、病院に勤務する看護師3000人にアンケートをとったら
  在宅医療に興味がある看護師は、1%に過ぎなかった。何故か?
 
  訪問看護は高い技術を要求される。
  総合医のような役割を担うので責任が重い。
 
  訪問看護は、医療保険と介護保険にまたがっている。
  末期がんや神経難病は、医療保険で、
  それ以外で要介護認定者は介護保険で、と決められている。
  介護保険優先の原則、というものもある。

  認知症の訪問看護は、介護保険でとなる。
  急性増悪の場合は、最大4週間を限度とする、「特別指示書」を出して
  医療保険に逃げれるようにはなっているが、意外と面倒。

  普段の訪問看護は、介護保険でしか行えない場合でも
  ケアマネから「訪問看護は医療保険で勝手にしておいて」と言われる。
  さらに「介護保険を使うなら、主治医を変える」と、「脅される」。

  在宅現場とは、営利企業と、非営利社会資源が対峙する場である。
  これは、第1回目でも述べた。
  営利が悪いとは言えないが、悪質な営利企業も参入していて
  「医療抜きのケア会議」も開催されている。

  悪質な介護業者を駆逐するために市民オンブズマンを活用すべきだ。
  行政力の強化とNPO法人の活用。

  以上、制度の複雑さ、歪み、事務作業の多さも
  訪問看護師が増えない理由の一つ。
  是非とも、改善を求めたい。

2 療養病床や有床診療所も含んだ「地域での在宅ケアチーム」を

  在宅のみでは、長期戦は戦えない。
  老人の誤嚥性肺炎は、数日だけの療養病床の活用も一案。
  在宅と療養病床の連携が大切。

  介護療養病床を、
  余計なことをしはないが、必要な緩和ケアはしっかり行う場
  として、見直すことも大切。
  
  急性期病院のみならず、療養病床との連携を強化して
  「地域の在宅ケアチーム」の構築が急務。
  訪問看護の充実は必須。

3 在宅療養支援診療所(在支診)制度の見直し
  
  在支診ができて5年
  12000件が登録しているが
  1年間に1例で在宅看取りをする診療所は、半数。
  在宅看取りの、4分の1しか在支診が看取っていない。
 
  一部の悪徳在宅医と善良な在支診が、同一視されている。
  在支診制度の見直しが必要。

4 社会保障税一体改革は、終末期議論と両輪で

  終末期議論抜きで、財源論を論じてもおかしい。
  終末期議論をしっかり行うことが重要。
  
  増え続ける胃瘻問題をどうするのか?
  現在40万人。日々、増加中。

  尊厳死法制化を考える議員連盟と日本尊厳死協会が協働して
  「延命処置の差し控えの免責法案」を検討中。
  終末期議論抜きでの財源論はオカシイ。


5 連携会議を「仕組み」のすり合わせの場に

  医療保険は、50年の歴史。、
  介護保険は、10年の歴史。

  前者は、つぎはぎだらけのパッチワーク。
  後者も、はやほころび始めている。

  大切なのは、両者の協働。
  連携懇話会は、両者のすり合わせを行う一番大切な場。

  懇話会から検討会への格上げと、一般公開、議事録作成を!
  


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この記事へのコメント

私は、吹田で、ホスピス病棟の建設推進を考えてきてきました。在宅医の先生は、在宅で十分ケアできると仰せですが、独居老人や老々所帯が増えている現在、終末期の何日かは、ホスピスが必要とされると思うからです。でも、ホスピスの建設は、中々大変です。
一方、「神戸なごみの家」のように、訪問看護ステーションが軸になって出来ている施設(今回、NPOに)、11月に豊中の小路に移転・開設する「アマニカス」(1階が診療所・・千里ペインクリニック、2・3階ががん患者専用のホスピス型マンション・・18室)といった素晴らしい施設が、関西にあります。吹田のある医師も、同様の構想をお持ちです。いかにも、関西風です。
必ずしも、ホスピス病棟に拘らなくても、こうした色々な形の実質ホスピスが誕生することを願っています。

Posted by 小澤 和夫 at 2011年10月20日 10:23 | 返信

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