例によって生活保護の患者さん。
病院への入院はすべて門前払い。
本人は誰の言うことも聞かず自暴自棄。

福祉の担当者もどうすることもできない。
介護のケアマネも、困っている。
地域の民生委員は、「今すぐ出して」の一点張り。

「救急車を呼ぶわよ」
「呼んでももうどこも入院させてくれません」
「いや、そんなことは無い。救急車はいくらでも入院させてくれる！」

市民は、認知症もアルコール依存症も、１１９番さえ回せば
最高の医療を受けれる病院ないし施設に収容されると信じている。
日本の社会保障制度は、それほど信頼性の高いものであった！（過去形）

しかし、もはや過去の話。
少し嘘をついて無理やり入院に成功させても、翌日に必ずクレームが来る。
当院自体が、すでにブラックリストに載っていりるようだ。

オール、アウト！

オールアウト症例が毎日続くと、やるせなくなる。
一生懸命やっても、空しくなる。

要するに、社会保障の地域基盤は既に崩壊している。
国会議論が空しく聞こえる。
この崩壊を防ぐために、さまざまな活動をしているが、本当に意味があるのか？

中途半端な崩壊の現在が、最もやりつらいのでは？
だから真面目にやらずに要領だけでかまず、在宅医も多いようだ。

なんだか、とても暗い夜だった。
最後の往診が終われば、毎日、日づけが変わっていた。

仲間は急逝するし、オールアウトの症例が続くし・・・
浅い眠りから覚めようした時、広島の訪問看護師さんから電話が鳴った。

今日、１１月２３日は、毎年恒例の在宅医療の日。

http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/link/201111.html

我々を代表して、黒田裕子さんが、これから講演されるので来なさい！と。


わかった。
今夜は日本ホスピス在宅ケアの仲間と、山下先生を想って過ごそう。

予定外の上京。
今週は、３日上京。
土曜日も尊厳死協会で上京。

毎日いるということは通期している。
完全に二重生活に入っている。

２時間半の通勤だと思えば何ともない。
体がある限り、頑張り続ける。