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福島からの悲鳴
2011年12月04日(日)
冷静な尾形さんが、悲鳴を上げている。
私もさまざまな提言(被災者交通費無料化)や活動を行ってきたが活かされない。
福島県の尾形です。
本日、12月3日(土)ですが、私の自宅でお預かりしていた高校3年生の女の子が引っ越しました。彼女は私の同級生の子なのですが自宅が浪江町で避難区域、両親がいわき市と郡山市の先生であるため震災後バラバラに生活を余儀なくされ、原町高校のサテライトである相馬高校に通うため、相馬市の私の家で5月の新学期から生活をしておりました。ところが、政府が9月30日に現状が何も変わらないのに、計画的避難準備区域を解除したため、10月末に相馬のサテライトを廃止し、原町に戻ったのです。原町から相馬に通っていた生徒にとっては負担が軽くなったところですが、双葉郡で住めない地域から相馬市に引っ越していた生徒たち約40名は大変です。JRは復旧しておりません。学校の用意したバスも1往復のみで、原町から相馬へ来ていた時は無料であったものが、前払いで月6500円の負担です。バスに乗れないケースがある受験生であったこともあり、今日から一人暮らしとなってしまいました。無計画な行政の対応の犠牲ではないのかと思っています。
現在、南相馬市や双葉郡の病院、老健、特老などから政府の指示で避難した入院患者や入所者がどうなっているか、少し情報があったので報告します。家族と合流し生活している方々、未だ他地域の施設に収容されている方々、今まさに戻ろうとしている方々、残念ながら亡くなられた方々となっております。問題点が2つあります。他地域で受け入れた施設が、8ヶ月になろうとしているところですが、元に施設が復旧しないために、過剰定員での収容のままとなっているところがあるのです。この間、県も国も何も対策と取っていないのが最大の原因と思われます。避難区域の入所者数や入院数は把握できているのに、行った先での対応は丸投げです。解除、した地域の復活にも何も対応していません。1円の補助も助成もないのです。そんな中でも、少しづつスタッフをそろえて、何とか入所者を呼び戻し、自らの経営を立てなおそうと必至で努力している施設がありました。しかし、そこから聞こえてきたのは信じられない内容でした。避難は、強制的に行ったのに、戻りは患者が自費で行っているのです。付き添いが必要なら受ける側で用意し、医師や看護師が迎えに行くこと。その費用は患者が負担すること。後で、損害賠償で請求すれば戻るはずです。と、当局は説明したというのです。当局がどこなのかはっきりしませんが、複数の医療機関等から同じ話を聞き、開いた口がふさがりませんでした。日々の生活にも支障をのある被災者で最も弱者である方々に、そこまで負担を掛けるのか。いったい、この国はどうなってしまったのだろうか。日本人として情けない気持ちになってしまいました。
そんな中で、福島県復興計画(素案)が示され、県民に対しパブリックコメントを12月16日まで求めております。10年の計画と謳いながら、全く具体性に欠けるものです。今更、支援する、検討する、計画するでは、計画と言えないと思われます。いつまで、誰が、どのように実施するのかが計画というものではないでしょうか。更に言えば、復興名の元に、全く復興と関係のない計画が堂々と盛り込まれている。産業集積プロジェクトなどは福島県がいままでさんざん税金をつぎ込んで物ならなかったものの代表的な事業です。放射線医療の集積を福島県にするというのも、変です。福島県からは情報を発信すればよいのです。広島でも長崎でも東大でもいいのです。箱物を作れば、維持経費が莫大にかかります。医師をはじめとする医療従事者がもっとも不足している福島県に箱を作っても人が集まるとは思えないのです。関係機関が綿密な連携を図り、情報をできるだけ集約した中で効率的に発信し、様々な研究に生かしてもらい、また、それをフィードバックし、実際の現場医療などに生かす。更に情報の往復で放射線医療や環境影響などの情報を集積していくことが重要だと思います。情報の活用には新たな施設や莫大な投資は必要とせず、ネットワークの構築と小規模な補助金で事業の展開はできるのではないかと考えます。
是非、福島県のホームページから復興計画素案をご覧いただき、ご助言ください。お願いします。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/contents?CONTENTS_ID=25366
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