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棄てられる患者さん

2011年12月25日(日)

年末になると、宛名の無い紹介状を持った在宅患者の家族が来院される。
棄てられたのだ。
そこには地域連携も緩和医療も存在しない。それががん拠点病院なのだ。
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宛て名が無い、ということは、「どこにでも勝手に行ってください」ということ。
地域連携室を通す手間さえも、省かれている。
難しい病気で、難しい状態だが、大切なものが全部抜けている。

緩和医療がなされていない。
痛みで笑えないし、食べられない。
まさに、癌治療あって、緩和無し。

「患者の希望で抗がん剤治療を続けてきた」というのも嘘。
患者さんの口からは、そんな言葉は出ない。
たとえそうであっても、癌性悪液質でも、抗がん剤を続けるのは理解できない。

急いでオピオイド(麻薬)を増量して、タイトレーションを目指す。
10種類以上の投薬がなされていても肝心な所が間違っている。
患者さんとご家族に一から説明。

介護が抜けている。
介護ベッドを忘れている。
介護保険の4文字が頭に無い。

イブの夜、ひとつひとつ、丁寧に縫って回る。
時間がかかるが、ここはしょうがない。
患者さんは、棄てられたことにまだ気がついていない。

これからが、我々の頑張り時。



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この記事へのコメント

ガン拠点病院で看護師してます。


クリスマスに夜勤して帰ってきたら、
たくさんクリスマスの写真がアップされていて 泣けてきました。


DNRで転院間近の患者さんが
酸素5Lでもギリギリなのに、「おなかすいた」と言うので朝ごはん食べてもらいました。


少量ずつ3口食べては酸素吸って… ってしてたら時間はいくらあっても足りず…
でも残業すれば よい顔はされず…


緩和といっても全く十分ではなく、医師たちはどうすればよいかもわからないようで、
痛み、倦怠感と 患者さんとの戦いは、日夜続いています。

ムダな検査してないで、もっと患者さんの実像を見て!と思います。


年末年始は入院患者さんを減らしたいのです。
だから長尾先生のところへ押し寄せてくるのでしょうね。
でもその患者さんたちは幸せだと思います。


「悪徳」在宅医の元から、今朝また 脳症患者さんが再入院されてきました。


もう こんなことはやめにしたいです。

Posted by 果実 at 2011年12月25日 01:45 | 返信

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