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アルツ予防シリーズ第3話
2012年01月28日(土)
オリーブオイルは、日野原先生の健康長寿法として有名。
1月21日の産経新聞兵庫版から、転載させていただく。
アルツ予防シリーズ第3回 茶カテキンとコーヒーと油
毎日の緑茶とオリーブオイルでアルツ予防
今日は日本人になじみの深いお茶のお話です。1週間に1~4回緑茶を飲む高齢者は緑茶を全く飲まない高齢者に比べて認知症になりにくい!そんな研究成果が続々と発表されています。アルツハイマー病(アルツ)になるマウスに緑茶を飲ませると、アルツになると現れる老人班が半減しました。そんな緑茶のアルツ予防効果は、「カテキン」にあると言われていますが、なかでもエピガロカテキンー3-ガレート(EGCG)という物質が脳内の活性酸素を分解するのです。ドイツのある学者は、EGCGがβアミロイドの毒性を減らすことを報告しています。緑茶を飲んで育ったネズミは海馬のダメージが少なく、高齢ネズミの老人班は緑茶を飲まずに育ったネズミの半分でした。この実験の緑茶の量は人に例えると1日500mlになります。EGCGなどの抗酸化物質が、緑茶の健康効果の秘密のようです。葉っぱに含まれる抗酸化物質は、白茶や緑茶が一番多く、続いてウーロン茶、黒茶の順になります。お茶の産地ではお茶をたくさん飲む人は、がんにかかりにくいことが分かっています。静岡県中川根町(現在は川根本町)の男性の胃がん死亡率は全国平均の5分の1です。さらに、カテキンは悪玉コレステロールを減らす働きもします。動脈硬化を予防して脳梗塞や心筋梗塞を防ぎます。以前、私のクリニックは高濃度のカテキンを含む緑茶を生活習慣病を持つ患者さんに飲んでもらう共同研究に参加しました。そこで驚くべき結果を得ました。糖尿病やコレステロールのみならず、なんとアデイポネクチンという、動脈硬化を防ぐ善玉ホルモンが見事に増加していました。緑茶のカテキンが、アルツのみならず動脈硬化を予防するという強い感触を得ました。
一方、20年以上にわたり1409人を対象にした疫学調査では、コーヒーを1日3~5杯飲む中高年は、高齢になったときにアルツを発症する危険性が60~65%も低いことが報告されています。その理由として、コーヒーに含まれるカフェインなどの抗酸化作用によると推測されています。ちなみに私は毎朝コーヒーを2杯飲み、午後は必ず緑茶を飲んでいます。
さて昨年100歳を迎えられた日野原先生の食卓にはいつも「オリーブオイル」がある話はあまりにも有名です。最近地中海料理にアルツ予防効果があることが注目されていますが、オリーブオイルにその秘密があるようです。イタリア南部はアルツの発症率が低いことが知られています。オリーブオイルの8割は、オレイン酸。これが脳に入り脳内の神経伝達が円滑になると考えられています。エクストラ・バージン・オイルに含まれる、「オレオカンタール」という物質が脳内に蓄積したβアミロイドを減らすことが報告され大きな注目を浴びています。オリーブオイルは、心臓も守り、骨密度を上げ、血圧を下げます。オリーブオイルは紀元前4000年から使われ、聖書にも出てくる健康油です。
いずれにせよ、毎日の緑茶やコーヒー、そしてオリーブオイルでかなりの高い確率でアルツを予防できます。身近な飲み物に関する東洋の知恵と西洋の知恵を、毎日の生活の中で上手く活かすことです。誰でも簡単にできるアルツ予防法として今後さらに啓発されるべきでしょう。
キーワード 茶カテキン
緑茶の渋味成分のひとつでタンニンとも呼ばれる。抗酸化作用,抗がん作用,殺菌作用,血糖調節作用,悪玉コレステロール低下作用、抗アレルギー作用など様々な生理活性を有する。
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