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アルツ予防シリーズ第4話
2012年01月28日(土)
卵はコリン食だが、コレステロールが気になって避ける人がいる。
本日発売の産経新聞朝刊から、転載させて頂く。
アルツ予防シリーズ第4話 「コリン食」のススメ
卵と納豆の優れたアルツ予防効果
もう少しアルツ予防食についてご紹介しましょう。今日は、「コリン食」のお話です。コリン食?そう「コリン」とは、アセチルコリンの「コリン」です。アセチルコリンとは、脳内の神経伝達物質。有名なお薬、アリセプト(商品名)に代表される抗認知症薬は、脳内のアセチルコリンを増やすお薬です。記憶の中枢である海馬は脳のなかでも特にアセチルコリンが多い場所ですが、そのアセチルコリンが不足すると記憶に障害が生じます。米国のある研究者は妊娠中の女性がコリンを多く含んだ「コリン食」を食べると、子供の頭が良くなるだけでなく、将来アルツになりにくいと報告しています。さらに胎児の脳へのコリンの供給が子供の知能指数を左右するそうです。これはネズミの実験で、裏付けされています。沢山のコリンを含む食事を与えた妊婦ネズミから生まれた子供は、コリン欠乏食を与えられたネズミの子供より、記憶力が劣っていたそうです。しかも、それが高齢ネズミになっても記憶力が低下しなかった。すなわち胎児期の脳に充分なコリンを供給することこそが、年を取ってからの記憶力低下を防止するのに非常に重要なことが示されました。従って「記憶物質」であるアセチルコリンの原料である「コリン」を多く食べることで記憶力が高まりアルツを予防できる可能性があると、大いに期待されています。
さて、そのコリン食とは一体どんな食事でしょうか?コリンを多く含む食品は、卵、大豆、納豆、ナタネ、ヒマワリの種、豚レバー、ニシンなどです。ニシンと言えば、本シリーズ第一回目でも出て来ましたね。これらの食品名を聞いて、あれ?と思われた人もいるでしょう。そう、卵はコレステロールを上げるのではないかとの心配です。大丈夫です。1日に卵1ケならコレステロール値に影響しません。コレステロール値が怖いからと言って全く卵を食べないほうがずっと損をする、と私は思います。
大豆食品として気軽に食べられるのが、納豆や枝豆です。特に納豆は、優れた健康長寿食と言われています。納豆は、メナキノンー7、ビタミンPQQ(ピロロキノリンキノン)、ムチン、ポリグルタミン酸、レシチン、サポニン、納豆キナーゼという酵素など、他の食品では摂りにくい重要な栄養素を沢山含んでいる特別な食品です。メナキノンー7はビタミンK2の一種で骨粗しょう症を予防します。納豆キナーゼは、血液をサラサラにして脳梗塞や心筋梗塞を予防するだけではなく、アルツ予防効果も確認されています。納豆キナーゼはアルツの原因物質であるβアミロイドたんぱくを分解してくれます。レシチンは、ビタミン類の吸収を促進して脳の働きを良くします。加えてビタミンPQQ,サポニン、セレニウム、ムチンなど多数の長寿成分を含んでいる納豆は、まさにアルツ予防食品の王様と言えるでしょう。従来、心房細動のためワーファリンという血液サラサラのお薬を飲んでいる方は納豆を食べないように、と厳しく食事指導されてきました。しかしプラザキサ(商品名)というお薬が登場し、ワーファリンから置き替わりつつあります。加齢とともに増加する心房細動をお持ちの方でも納豆が食べ易くなった時代がついに来た、と喜んでいます。
キーワード 心房細動
心臓が全く不規則に収縮する不整脈の一種。発作性と持続性、非弁膜症性と弁膜症性がある。心房内に血栓ができ易く一定の頻度で脳に飛ぶと脳塞栓症をおこし重大な障害が残る。
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この記事へのコメント
はじめまして
アルツ予防を産経新聞で拝見しています。
関東の友人が見たいと言っていますので続きもできるだけ早く掲載願います。
第6話を待ってます。
Posted by hara at 2012年02月11日 09:45 | 返信
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