このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

介護側の医療依存、医療信仰

2012年02月28日(火)

世の中には、医療施設と介護施設の2つがある。
介護施設には医療は必要ない人が入ることになっている。
しかし、本当にそんな考えで上手くいくのだろうか。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

私の携帯が鳴るのは、介護施設からばかり。
その9割が、介護者しかいない「施設」からだ。
グループホームや老人ホームや高専賃や小規模お泊りデイから。

「36.6度の熱が出ました」
「1日便秘です」
「体が痒いです」

そんなことで、朝6時から起こされる。
寝る時間を奪われる。
「それがどないしたん?」と言いたいところ。

彼ら介護者は、ちょっとした変化でも怖いのだ。
医療者に報告することで自分の責任を逃れたい。
たったそれだけのことで、緊急電話を平気で鳴らす。

「暴れるので他の利用者に迷惑がかかる」と、呼び出される。
他の利用者は、しっかり寝ている。
迷惑がかかるのは、資格を持たないアルバイト介護者の方だ。

狭い部屋に1日中閉じ込めていたら、暴れて当たり前。
彼らは、素人だから、そんなことも分からない。
介護の未熟さを顧みず、なんでも医療に振ってくる。

なかには介護の「か」の字も知らない、介護者たちもいる。
なんでもかんでも{お薬を出してください」と、言ってくる。
お薬さえあれば解決するはずだという信仰を感じる。

本来、投薬は医師が必要だと判断してから行うもの。
しかし施設では、介護職員が頭ごなしに要求してくる。
かくして、施設の投薬種類は多くなる。

「介護だけで医療は要らない施設」という考え方が間違っているもでは。
「介護」も要るが、やはり「医療」も要るのだ。
あくまで介護施設は、「介護がメインの施設」なのだ。

問題は介護施設で、医療をどうして提供するのか。
医療を外づけしても、解決にはならない。
「キュアからケア」という概念を、共有することしか考えられない。

介護者の医療依存、病院信仰を、今後の課題としたい。

 

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

>介護者の医療依存、病院信仰を、今後の課題としたい。

介護者の事なかれ主義は実力不足もありますが、家族の批判がこわいから、家族から上長へ文句が来たら自分の評価も下がるから・・・も大きな要因と思います。
こういう問題を語るときいつも、表象だけでなく家族(意識あれば本人も)の死生観がしっかりしていなければ、制度だけ手直しても空しいのではと感じます。
介護上のネグレクトや報道された故意の虐待は論外ですが。

Posted by 梨木 at 2012年02月29日 10:24 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ