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介護認定審査の無駄

2012年03月14日(水)

今日は、介護認定審査会だった。
何度やっても、毎回、同じ矛盾を感じる。
制度の不備、狭間を丁寧に埋める手作業が必要な時代だと思う。
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末期がんなのに、要支援の方が2人いた。
要支援では、介護ベッドも借りれない。
審査会の独断で、要介護2にした。

こんな作業を毎回繰り返している。
全く意味の無い作業。
税金の無駄使い。

なぜこうなるのか?

末期がんの方は、最期までQOL(生活の質)が良い。
亡くなる直前まで、自力で移動している。
最近亡くなったばかりの患者さんも、ベッド搬入2時間後に旅立たれた。

たった2時間だけのベッド生活。
こんなひとを何人か経験した。
末期がんの在宅看取り現場はこんな調子だ。

しかし、役所のお役人さんは知らない。
いくら講演したり本に書いても信用しない。
だからこんな無駄をいつまでも繰り返している。

主治医が意見書に「末期がん」と書けば
自動的に「要介護3」に。
なぜこれでいけないのか?

不思議でしょうがない。

今日は、こんな事例もあった。

63歳の方が介護申請されて認定調査も意見書も
j整えられたが、病名が特定疾患ではなかった。
よって、介護審査をしたこと自体が無駄に終わった。

これで3万円の無駄が生じた。
制度の狭間が、無駄を生む。
しかし誰も責任を取らない。

65歳以上を、1号保険者と呼び、病名を問わず介護認定される。
65歳未満は、2号保険者と呼び、特定疾患だけが認定される。
なぜ、こんなことになったのか?

その患者さんは、身体障害者認定を持っていたので
自立支援法が適応されることになった。
自己負担も無く、それはそれでよかったのだが。

わざと、介護保険の「非該当」を狙いに来るケアマネもいる。
介護保険優先の原則があるので、非該当が無いと自立支援が使えない。
そのために、わざと「非該当」を取りに行くのだ。

整理しておこう。

身体障害者は、医療保険の話。
介護認定は、介護保険の話。
両者は、基本的に無関係。

身体障害者は、症状固定から6ケ月経過したら申請できる。
裏を返せば、申請しなければ、認定されない。申請主義。
一度認定されたら、一生もの。見直しは免れる。

たしか、6級まであったのかな。
2級以上だと低所得者だと医療費が1回600円(月2回まで)になるなど特典が多い。
1級か2級で、価値が出てくる。

身体障害者1級を持ちながら、ゴルフのクラブチャンピオンを
何度もとっている方を知っている。
ペースメーカーを入れたり、人工肛門だけでも身体障害者だ。

その身体障害者と、介護認定は何の関係も無い。
しかし、介護認定が下りない場合(非該当となった場合)、
身体障害者であることが、自立支援法が適応される根拠になる。

負担が無く、上限も無い?(これは自信が無い)
ここをいかに上手く使うかがケアマネの腕の見せ所と聞いたことがある。
なんとマニアックなテクニックなのかと、感心した。

身体障害者=恒久的、年齢は無関係、病気は問わない。
介護認定=一時的、年齢に関係、2号保険者には病気が問われる(特定疾患)

さて、これ以上書くと、もう誰もついてこれなくなるだろが。

特定疾患と特定疾病は、名前が似ているが、全く異なるもの。

特定疾患=スモンなど67の病気
http://www.pref.toyama.jp/branches/1273/kansen/tokuteishikkan.htm
特定疾病=介護保険の2号保険者(=65歳未満)のための16の病気
http://kaigomaster.net/tokuteisippei.html

「疾患」と「疾病」がどう違うのか?

両者の区別は、何度覚えようとしても覚えられない。

誰が、こんなややこしい、制度にしたのか?
責任者出てこーい!
なんて叫んでも、責任者がいないのだ。


何が言いたいのか。

制度が余りに縦割り。
制度の狭間を埋める人はいない。
無駄が永遠に繰り返される。

消費税増税の前にやるべきことがある!

テレビで、こう言っている、山田議員、小沢一郎氏、
亀井静香氏らに賛同する。
無駄が多すぎる。

縦割りに伴う無駄削減が絶対に先だ。

倒産寸前の会社があるとしよう。
経費削減が先か、銀行からの借金が先か。
答えは、前者に決まっている。

介護認定審査会に出ると、ついついい
要らぬ夢想をしてしまう。
末端は、こんなことを考えるだけ無駄なこと。










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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

山間部ケアマネです。
保険者担当者は、「介護保険法が、そうなっているから」と
介護難民が出ても、解釈を検討することもなく
やる気もなく…

在宅医療や在宅介護について、
真剣に考えることもない…
身内に、病気の親族が出たときだけ、
「要介護5じゃないのか」と。
根本的に
地方公務員のやる気のなさに幻滅する毎日です。

Posted by ケアマネちゅーりー at 2013年01月16日 06:39 | 返信

介護保険が障害福祉保険より65歳になると優先という事で今までできたものが、できなくなるみたい。
そうなると、選挙にも、行けないし、散髪にも行けないし、車椅子マラソンにも行けない。
兎に角健常者と同じ扱いという事だ。これから団塊世代の時期というか、人口のピークになるからしょうがないと言えばしょうがないか。でも車椅子者には厳しい現実だ!

Posted by 新城幸三 しんじょうこうぞう at 2015年06月24日 08:44 | 返信

65歳から介護保険優先となり、病院行くのも送迎はないし、病院から出ている送迎バスは車椅子者は利用できないし、障害タクシーは一週間前から予約を入れないと利用できないし、人生厳しい!

Posted by 新城幸三 at 2015年08月18日 09:29 | 返信

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