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いいケアマネをどう探す?
2012年03月31日(土)
ケアマネ探しは意外と難しい。またケアマネのことを新聞に書くのも難しい。
産経新聞3月24日朝刊に掲載された文章を転載させていただく。
第4回医者選びシリーズ 在宅療養と介護保険
いいケアマネをどう探す?
2000年に介護保険制度が誕生しました。40歳以上の方は保険料を払っています。65歳以上の人は介護が必要なら病名を問わずに認定されますが、40歳以上・65歳未満は2号保険者と呼ばれて、規則に定められた病気(特定疾病)しか介護認定を受けることができません。その代表は「末期がん」です。要介護度とは、要支援1と2、要介護1~5の全部で7段階に分かれています。介護保険証を持っているだけでは介護サービスを受けられないので注意が必要です。介護認定を得て初めて使える保険なのです。通常、認定まで1ケ月くらいかかりますが、末期がんの場合のみ迅速に認定される旨の通達が出ています。私自身の最短例は申請から3時間後の認定でした。元気な方は普段は介護保険などなじみが薄い。もちろん病院医療者もあまり詳しくは知りません。だから高齢者なら入院時から退院後の介護保険生活を考えておくべきです。さて介護認定は、認定審査会で判定します。半分は調査員の項目、半分は主治医の意見書。両者をつき合わせて5人の審査員が合議で判定します。5人とは多数決になった時、必ず3:2で決着をつけるためです。主治医意見書は病院の先生も書けるのですが、できれば、地域のかかりつけ医や在宅主治医に書いてもらうごことをこの場をお借りして皆様に強くお勧めします。一度でいいのでご自宅での生活状況を見てもらってから、書いてもらうべきでしょう。
さて、ケアマネとは介護支援専門員の略称。介護保険を使うためには「ケアプラン」が必要です。それを練る専門職がケアマネ。ケアマネの前職は多様ですが、介護系(介護職経由)と医療系(看護師などの医療職経由)に大別されます。現在多くは介護系ケアマネです。さらに、外マネ、内マネとう言葉があります。内マネとは同一法人内のケアマネ。ケアマネは法律上本来中立ですが、所属法人の営業マンのようになっている場合もあるので、そう呼びます。外マネとは別法人に属するケアマネのこと。どちらにも属さない「独立系ケアマネ」もいますが、ケアマネ報酬は低く単独では経営が難しいと言われています。
「どうしたらいいケアマネを探せるのか?」これはご家族からよく聞かれる質問。役所でケアマネ一覧表を貰いますが、これだけでは選べません。クチコミやネットで探すという方法もありますが、まず地域のかかりつけ医や在宅主治医に相談することをお勧めします。「地域」とは「家に近い」という意味。近ければ近いほどいいのです。都市部では車で20分以内でしょうか。往診できるのは医療機関から16Km以内と定められています。在宅医は連携の取り易いケアマネだと大変助かります。実は逆も同じです。「ケアマネとの連携」に理解があるかかりつけ医を選びましょう。これが今回の医者選びの結論です。
医療保険と介護保険をどう上手く使えばいいのか?これは難しい課題。歴史から言うと医療保険は51歳、介護保険は12歳と全く違います。厚労省内の管轄部署も別々。いいケアマネさんの条件とは、患者さんの想いにしっかり寄り添ってくれて、所属法人の利益よりも患者さんの利益を考えてくれる人。さらに医療や医療保険の知識も広く持ち合わせている人。地域のかかりつけ医とケアマネの連携がどこまでも重要なのです。
キーワード:特定疾病
40歳以上65歳未満が介護認定を受けることができる病気。初老期認知症、脳梗塞後遺症、腰部脊柱管狭窄症、ALS等の神経難病など16疾病が認定されている。ギックリ腰や交通事故は対象外。
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