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「病院」と「診療所」の二本立て

2012年03月31日(土)

一般の方は、「病診連携」という言葉を御存知だろうか?
今朝の産経新聞に、できるだけ分かり易く書いてみた。
医者選びシリーズ第5弾は、「二本立て」。以下、転載させていただく。
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医者選びシリース第5回  「病診連携」と「診診連携」

  病院と診療所の二本立ての時代 

 

 単なる風邪でいきなり大学病院を受診される患者さんがおられます。まあ、比較的元気な方だと思われます(笑)。しかし、本当に風邪かどうかは診てみないと分からない、といわれればそのとおりなのですが。「国民皆保険制度」の柱の一つはこの「フリーアクセス」です。保険証1枚で全国どこの病院でもかかれるという素晴らしいシステムを持った国は地球上で日本だけです。しかし風邪の患者さんが沢山大学病院に来られると、大学病院でしか診療できない難しいご病気の患者さんの待ち時間が長くなり、診察時間が短くなります。病院には、それぞれの「機能」があります。がんや心筋梗塞や脳梗塞を専門に診る病院。糖尿病や甲状腺を専門に診る病院。そんな中、大学病院のような大きな総合病院は、患者さんには一見「デパート」のように見えるかもしれません。しかし一歩中に入ると細かな診療科に分かれていて、いわゆる「臓器別の縦割り」であり、決して全身を総合的に診てくれるわけではありません。

 
 よく「○○大学病院がかかりつけ医」と言う方がおられます。急病になった時に大病院の診察券さえ持っていれば、必ず入院させてくれると信じています。なかにはその診察券を作るために、わざわざ風邪で大病院を受診される方さえいます。しかし最近は、病室が常に満床で診察券を持っていても入院できない場合が増えています。また診療所からの紹介状(診療情報提供書)を持たない患者さんには、通常の診察代とは別に特別料金を徴収してもいい規則になっています。そうしてハードルを高くして無用な混乱を避ける病院が増えています。大病院を受診される場合は、かかりつけ医で紹介状を書いてもらい予約を取ってから受診したほうが絶対にお得です。病院には必ず「地域連携室」があり、外来も入院もそこを通すことになっています。こうして「病院の医師」と「診療所の医師」が連携することを「病診連携」と言います。蛇足ながら、他の診療所を受診する場合も紹介状を持って行った方がお得です。病気やお薬の情報をかかりつけ医から伝えて頂いたほうが間違いがありません。これを「診診連携」と言います。歯科や眼科さんを受診されたら、必ず「血液をサラサラにする薬」や「骨を強くするお薬」等を飲んでいるか聞かれますよね。「病診連携」も「診診連携」も国を挙げて推進しています。いくらフリーアクセスだといっても、またいくらお薬手帳があるからといっても、「紹介状」の意義は今も変わりません。いくら忙しくても医師は必ず紹介状は書きます。

 
 いまや、連携なくしては日本の医療は成り立ちません。がん医療においても、病院の外来で抗がん剤を打ちながら、在宅医療を受ける患者さんが増えています。認知症医療においても、大病院と地域の開業医が協働して診る時代です。高齢化と医療の高度化に伴い、小さな変化にも対応できる「地域のかかりつけ医」の役割が高まっています。介護保険を申し込むときに、「主治医は誰ですか?」と聞かれます。その時には、大きな病院の主治医ではなく、地域のかかりつけ医の名前を言ってくださいね。遠くの名医より近くのかかりつけ医。すなわち、病院と診療所の2本立ての時代なのです。

 

キーワード 診療情報提供書

医師が他の医師へ患者紹介する場合に発行する文書。症状・診断・治療など現在までの診療の総括と紹介の目的などを書く。新しい施設で改めて検査や診断の無駄が省かれる。250点だが、健康保険が適応される。

 

 

 

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