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長くなったデイサービスは誰のため?

2012年04月02日(月)

4月1日から医療・介護保険同時改定が行われた。
それに伴い、デイサービスが1時間、長くなった。
それに伴い、私の訪問と合わなくなり、患者さんの疲労は増加した。
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7時間が8時間に?

長い。

患者さんは、ぐったりしている。
私は、いつもの時間の1時間後にお会いできて、背中をなでた。
まるでボクシングのスパーリングをこなしたボクサーを癒すように。

デイサービスが、今日から1時間長くなったそうだ。
スタッフもそれに伴い、全部入れ替わったそうだ。
「全部が急に変わった!」と私に文句を言う。

何のための改定なのかは、私には分からない。
介護現場はただただ振り回されるだけだ。
もっと患者さんや現場のスタッフを聞いてから変えればいいのに。

きっと偉い人ばかりで決めているから
現場から遊離したものになるのだろう。
もっと現場のヒアリングを重視すべきだ。


医療でも、理解不能な改定が2つある。

外来患者さんへの時間外対応だ。
5点=24時間対応
3点=準夜帯のみの対応。
1点=グループのみの対応。

これは、2年前の「地域医療貢献加算」をさらに
複雑にしたルールだ。
開業医は、外来患者さんにも24時間対応せよとのこと。

この規則が根本的に間違っていることは
MRICで発表した。
「おまえの携帯番号を教えろ」
http://medg.jp/mt/2010/04/vol-129.html

さらにややこしいことに、今回、兵庫県では
1人でも在宅医療で24時間対応していたら、
外来患者全員に、5点を請求してもいいという。

何のことかサッパリ分からない。
詳細は略するが、ここまで来るとまさに喜劇だ。
もちろん当院では算定しないことに決めた。

ついでに言うなら、「一般名処方加算」。
露骨なジェネリック誘導政策もここまで来たのか、という印象だ。
これも当院では算定していない。

簡素化を訴えても複雑化する一方。
http://medg.jp/mt/2010/02/vol-70.html

加算を減らすことを訴えても増える一方。
http://medg.jp/mt/2010/02/vol-73.html

現場の意見など通らないのが、世の常なのか。

誰のための改定かよく分からない。
国民のためとはとうてい思えない。

やはり官僚のための官僚による改定なんだろう。
選択制なので、選択しなければいいだけなので
文句を言う筋合いでもないのかもしれないが。

しかし、鼻先に餌をぶら下げられている構図が
なんとも情けないと感じる。


【時間外対応加算】

 

(問9)従前の地域医療貢献加算を算定していた医療機関が、時間外対応加算

2の要件を満たし、当該点数を算定する場合、新たに届出は必要か。

 

(答) 地域医療貢献加算を届け出ている医療機関が、時間外対応加算2を算

定する場合は新たな届出は必要ない。

 

(問10)時間外対応加算に関する施設基準にある「当該診療所において対応で

きる体制」とは、すぐに診察が可能である必要があるか。

 

(答) 患者からの電話等による問い合わせに対応できる体制であれば、必ず

しも、診察が可能である体制でなくてよい。

 

(問11)対応が求められる時間帯においては、必ず医師が直接対応することが

必要か。

 

(答) できるだけ速やかに対応する体制があれば、必ずしも直接、医師が対

応することに限定するものではなく、例えば、転送電話や職員が対応した後に

連絡等を受ける体制も認められる。

 

(問12)時間外対応加算3について、連携する医療機関間の距離に係る要件は

あるのか。

 

(答) 患者が通院可能な範囲であれば連携を行うことが可能であり、現時点

においては、具体的な距離の要件はない。例えば、近接に医療機関が少ない地

域等においては、地域の実態にあわせた連携を行うことが可能である。

 

(問13)時間外対応加算1及び2において、学会等のやむを得ない事情で例外

的に時間外の対応ができない場合、時間外の対応を、他の病院又は診療所(休

・夜間診療所含む)で代替することは可能か。

 

(答) 原則、自院で対応することとするが、やむを得ない事情がある場合に

は、例外的に、他の病院又は診療所(休日・夜間診療所含む)との連携による

対応も可能である。なお、その場合においても、事前に患者及び関係者に連携

医療機関での対応となることを伝えること。

 

(問14)時間外対応加算2及び3における標榜時間外の夜間の数時間とは、例

えば深夜も含まれるのか。

 

(答) 標榜時間外の夜間の数時間の対応が必要であるが、深夜(午後10時か

ら午前6時)及び休日(時間外対応加算3については当番日以外の日)におい

ては、必ずしも対応は必要ではない。その場合、留守番電話等により、当番の

診療所や地域の救急医療機関等の案内を行うなど、対応に配慮すること。

 

(問15)時間外対応加算3について、当番日の医療機関は、自院の標榜時間外

の数時間の対応を行う必要があるのか。(答) そのとおり。



【投薬】

(148) 数種類の処方薬のうち、1種類だけでも一般名で処方されて

いれば他の処方薬が銘柄名で処方されていても算定できるという理解で良いか。

 

(答) そのとおり。ただし、後発医薬品のある先発医薬品について一般名処

方した場合に限り算定できる。従って、後発医薬品の存在しない漢方、後発医

薬品のみ存在する薬剤等について一般名処方した場合は算定できない。

 

(149) 一の処方薬について、一般名とカッコ書等で銘柄名が併記されている

場合、一般名処方加算は算定可能か。

 

(答) 算定できない。

 

(150) 一般名処方において、配合剤等の記載方法はどのようにすればよいの

か。

 

(答) 処方せんへの一般名処方による記載については、一般的名称に剤形及

び含量を付加することを原則としているところであり、内用薬及び外用薬のう

ち、後発医薬品が存在する先発医薬品の主な単味製剤について一般名処方マス

タを作成・公表しているところである。一般名処方が浸透する当分の間は、可

能な限り一般名処方マスタの範囲で対応されたい。なお、対象については、順

次拡大する予定としている。

 

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shoho

sen.html

 

(151) 一般名処方の処方せんを受け付けた保険薬局において先発医薬品を調

剤した場合、処方元の保険医療機関に情報提供は必要であるのか。

 

(答) 処方した薬剤が先発医薬品であるか、後発医薬品であるかにかかわら

ず、一般名処方に係る処方薬について調剤を行ったときは、実際に調剤した薬

剤の銘柄等について、当該調剤に係る処方せんを発行した保険医療機関に情報

提供することになっている。ただし、当該保険医療機関との間で、調剤した薬

剤の銘柄等に係る情報提供の要否、方法、頻度等に関してあらかじめ合意が得

られている場合は、当該合意に基づいた方法等により情報提供を行うことで差

し支えない。


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この記事へのコメント

制度改正で、デイサービスの時間が単に長くなったのではありません。
短くなったところもありますので、ご参考までに。


デイサービスの利用料(単位)はデイサービスの規模(利用人数)と要介護度とは所要時間で決まります。
これまでの所要時間 3時間以上4時間未満、4時間以上6時間未満、6時間以上時間未満 から、
  この4月からは、3時間以上5時間未満、5時間以上7時間未満、7時間以上時間未満となりました


わたしたちの小規模通所介護では、認知症の人と働く家族の日々の在宅生活を支えていくために、
 これまで、7時間半以上(6~8時間枠)でケアしてきましたが、
 4月から、7時間未満(5~7時間枠)での支援としました。
 4月もこれまでの所要時間で支援すると7時間以上9時間未満となり、
 1日あたりの単位がこれまでより高くなるため、基準額を超えて実費10割負担が出てしまいます。
 費用負担ができずにサービスを使えないで、1日中利用者がひとりで家に居るなんて考えられません。
 利用者さんへの支援時間は短くなりますが、サービス利用料の負担軽減と毎日の継続的支援が重要と
 あえて、通所介護事業所の介護報酬が減額となる道を選びました。
 ただ、問題はデイサービスからの帰宅時間が早くなったので、
 家族が仕事から自宅に帰ってくるまでの隙間の時間が長くなりました。
 この時間に何かあったら、この隙間をどうするか…、悩んでいます。

Posted by ゆいゆい at 2012年04月03日 07:27 | 返信

御本人の事を中心に考えれば、デイにお風呂と昼食のみの3時間デイこそ日常化してほしかった。
それがあれば、母ももっと永くデイを利用できたでしょうに。
1時間延長ですか・・・。それ、いつか事故が起こりますね。デイ中の発作とか。

Posted by チズ at 2012年04月03日 08:21 | 返信

チズさんへ ご参考までに
 3時間以上4時間未満などの短時間の通所介護もケアマネジメント次第で、サービス計画は可能ですよ。

1時間延長になって、>事故が起こりますね。ということですが、
ご自宅でひとりの時間に発作が起こるよりは、
デイには複数の目があり、看護師もいますから、安心ではないでしょうか?
 
認知症で末期ガンの方なども、訪問介護(ヘルパー)や訪問看護では、
飛び飛びの短時間しか、関われませんが、家族の理解と主治医や訪問看護との連携を図り、
病気の進行を見ながら、デイサービスで長時間の安心な支援をして、
状態を見極めて、通所のための移動が身体の負担になったら、訪問系に切りかえて、
在宅でのお看取りもあります。

Posted by ゆいゆい at 2012年04月03日 01:56 | 返信

上記のコメントは実は投稿するのをかなりためらったのですが、まぎれもない介護者の本音として一石投じておきたかったのです。半日デイがあることも知っていましたし、現場には看護師さんや頼りになる多くの人の目があることももちろん理解しています。

まず半日デイに関しては、多くの事業所でなぜか歓迎されないという事実。あるいはメニューとしてあるけれど大々的には言わないという事実。(ゆいゆい様のところではそうではないかもしれません、御無礼をお許しください。)(それと、私は人様に反論したり議論をふっかけるののもっとも苦手とするタイプの人種です。これはゆいゆい様への反論ではないと御理解いただけたら幸いです。)
どの事業所もあくまでも営利団体というのがその最大の理由かもしれません。
こちらも利用させて頂いている以上は御恩がありますから、こちらの意向を通しにくいという空気もあります。
うちの母が一度早びけした時にまわりの何人かの利用者さんが気づいて帰りたがった事がありました。
しかし、皆さんは色々な事情でデイに来られていますから、そんな均衡を乱すわけにはいかないなとその時肌で感じました。

結局、老衰の症状が進んできたので現在デイは中止して在宅のみです。これは冗談ではなく、このままデイに行かせたら間違いなくデイ中に何らかの急変を起こして亡くなるだろうと確信したからです。
そのような状況で、看護師さんも頼りになる方もいらっしゃるから安心して出せるとは私にはとてもできなかったということです。
「急変時にはこういうコースありますよ。」ということでも、急変されては困るのです。
「多くの人の目があります、大丈夫です。」全然大丈夫ではないです。親の大事な命はたったひとつしかありませんので。

まぁ、要するにひとつ前の私のコメントは一般論と言うよりは、超個人的な私の主観からつい本音を呟いてしまったという事であります。
それは、記事内の
「7時間が8時間に? 長い。 患者さんはぐったりしている。」というくだりに延髄反射してしまいました。ものすごく身にしみました。この1時間の限りなく過酷なことを理解する者として・・。

これは単に意見の応酬ではなく、ゆいゆい様の御説明と私の感情論と、コインの裏と表のように読みとっていただけたらと思うのです。
大変失礼いたしました!

Posted by チズ at 2012年04月04日 12:36 | 返信

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