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二極化する生活保護

2012年04月23日(月)

朝から晩までモンスター生活保護患者さんに振り回されている情けない自分がいる。
王様状態にさせた自分自身にも責任があると思い、最近は厳しい態度で臨んでいる。
どうやら生活保護は、二極化している印象だ。
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二極化とは、
1)かわいい、普通の生活保護
2)完全にモンスター化して誰にも止められない生活保護。

時間外に頻回に往診を頼んできたり、
眠剤を大量にしつこく要求したり、
それが通らないと厚労省に苦情電話をするモンスター。

在宅医療を依頼しておきながら、毎日
タクシーで大学病院や接骨院に通院しまくり
それを注意すると、逆切れするモンスター。

肺がんの終末期なのに、大量のタバコは止めず、
血痰が止まらず、休日や夜間を問わず在宅スタッフを呼び出し、
それでも「絶対にタバコはやめん」と、怒りが収まらないモンスター。

タバコならかわいいが、ペットを大量に飼い
餌代や予防注射に保護費の大半を使い、
自分は無料の栄養剤をおねだりして騒ぐモンスター。

元気なのに、朝、昼、夕とお手伝いさんのように
ヘルパーを入れさせ、ふんぞり返っているモンスター。
もっとも事業所とグルになっている場合もある。

普通の家庭よりもいい住宅環境、家財道具、
テレビなどに囲まれている不思議な生活保護。
あり得ない。

実は、ズルをしているモンスターもいる。

大阪の銀行に1億円持っていても
尼崎の銀行口座がゼロなら、生活保護になれる。

子供が億万長者でも、
親は生活保護になれる。

朝から晩まで、モンスター生保の相手を余儀なくされる。
最近は、断るようにしている。
それが彼らのためだ。

こんなことをしてては、国が滅ぶ。
と、誰でも理解できる。
しかし、モンスターたちは理解できない。

ニコチン依存症と同じで
生保に依存してしまった方が沢山いる。
それに「就労支援」と言っても無理だろう。

タバコを止める気がないひとに、禁煙治療を強要する。
酒を止める気がないひとに、禁酒を強要する。
就労支援とは、これと同じようにほとんど効果が少ない手段に思える。

私も、まだまだ働ける生活保護の方に、働くように言うが聞いてくれない。
そんな嫌ごとを言わない医者に変わった患者さんも多い。
フリーアクセスなんて、こんな場合、要らないのに。

もっと分かりやすいやり方が望まれる。

ジェネリックではダメなのか。
正直者が、ジェネリックで10円を節約している横で
生保の患者さんが、大量の先発品を要求しているのはおかしい。

もし、ジェネリックが、先発品と同じ効能というならば、
生保の方こそ率先してジェネリック政策を実行するのが
当然だと思うのだが。

橋下・大阪市長のやり方がいいのではないか。
生保を診察できる医療機関を絞るという。
生保専門に診る医療機関を作るべきではないのか。

梅村聡参議院議員は、以下のような、ズルができない仕組みを作った。
勇気ある政治家のさまざまなチャレンジと市民の協力で
生保問題費は、現在の3分の1以下に圧縮できると思う。

 

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120418-OYT1T00921.htm

 

生活保護不正防止へ口座残高を透明化…銀行協会

 

 

 全国銀行協会は、生活保護費の不正受給を防ぐため、生活保護を申請している人の預金口座を全国一括で調べられる制度を年内にも導入する。

 

 

 自治体が金融機関の本店などに照会すれば、その金融機関の全国の支店での口座の有無や残高なども分かるような仕組みにする。

 

 生活保護を認定する際には、申請者の資産や収入の調査が行われるが、現在は、預金口座の照会先は近くの金融機関の本支店にとどまっている。住んでいる場所から離れた銀行に口座を作って資産を隠し、不正に生活保護を受けるケースが増えており、厚生労働省が全国一括で口座を照会できるよう要請していた。

 

20124190757  読売新聞)

 

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この記事へのコメント

いつも真剣に読ませていただいています。
生保問題を見ていると、日本は世も末と思ってしまいます。
『生活保護』というのは、人間性善説が根底にあって
成り立ってきた制度なのですね。


私が子供のころ(先生と同世代です)生活保護をもらって生きるということは
人として最後の手段。
共同体の中で、近隣の人に顔向けできないという恥の意識があったようです。
だから、貧しい親も、生保をもらうことなど考えず、自分はボロを着ても
汗水たらして働いていました。


その姿を見た子供は、貧しくても親の人間としての矜持・誇りを感じとっていた。
それが、どこでどう間違った道に進んだのやら。


制度のしわ寄せが、これ以上先生のような良心的な医師に向かわないよう、
疲弊してしまわれませんように願っています。

Posted by 花へんろ at 2012年04月25日 09:22 | 返信

介護保険導入が決まった時、その仕組みをみて「将来、生活保護受給者が増えるな」と直感し、危惧しました。その予感が、的中したことはある意味悲しいことです。しかも、年を追うごとに増えている。長尾先生が向き合っている生保モンスター達が堂々とまかり通っている。介護保険のサービス利用者でもモンスターがいます。「この身体状況でなんでこんなに介護度が高いの?なんでこんなにたくさんのサービスが使えるのよ~!!やめてくれ!」介護認定審査員よ、こんな理不尽なサービスの使い方をしている生保受給者にブレーキをかけるのがあんたがたの役目だろうが~。じゃあ、そのモンスター達を法的に逮捕できるかといえばできない。彼ら達は法制度のことは知らないかもしれませんが法の抜け道を見つけることに関しては実に達人なのです。その知恵をつける先導者がいることも事実。役所に勤めている友人が、生保課の職員が簡単に受給を勧めている場面に「おまえ、馬鹿か!!それでも市の職員か!なんとか、生活の道が見えるように支援するのが役目だろうが!」と喝!を入れたそうです。就労したくても雇用がない、条件に合わない、雇用されない、続かない、働く気がない、うつetc。就労支援は困難を極めています。一介のソーシャルワーカーでは限界があります。国が提示する法制度は矛盾だらけ・・・、ちんぷんかんぷん。誇りをもって、真面目に生きている多くの方々が憂き目に合わないように、せめて心ある長尾ドクター、そしてこのブログ愛読者だけでも「社会の矛盾」にあきらめずに、くさらずに向き合っていきましょうよ!!!

Posted by 岡村 at 2012年04月26日 08:19 | 返信

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