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「やっと言葉が通じる医者と出会えた!」
尊厳死希望で退院した患者・家族
2012年07月12日(木)
「やっと言葉が通じる医者と出会えた!」と大喜びする家族と、昨日から意気投合。
「尊厳死」に理解がある医者、という意味だ。
超一流病院の倫理委員会で議論しても、全く話がかみ合わなかった、と怒る家族。
プライバシーの関係上、これ以上、詳しいことは書けない。
何が言いたいかと言うと
尊厳死の本を書いた途端に(まだ1冊も世に出ていないが)、
尊厳死希望の患者さんが目の前に現れるという偶然。
超一流病院では、不治かつ末期の患者さんに、延命治療を徐々に止めるどころか、
逆に「強化」されて、ご家族とは常に喧嘩状態にあったと。
延命治療を取り止めない家族は弁護士事務所にまで相談に行っていたと・・・・
無事帰宅して初回往診して、何を話しても感謝される。
病気が治らないと分かっていながら、親子ともども涙を浮かべて感謝される。
気持ちが悪いくらい、感謝される。
帰宅後、私がすぐにしたことは、訪問入浴。
これがまた、感謝される。
嬉しいことに、その訪問入浴業者と私もよく話が通じる。
「やっと言葉が通じるお医者さんに会えた!」と、御家族。
「私も、こんなに話が通じる家族に初めて出会って光栄です」と私。
もちろん外国人ではない。
普通の日本人同士の会話だ。
家族は、本当に辛い1ケ月すごされたようだ。
当院の訪問看護師もケアマネも、無茶苦茶誉めてくれる。
嘘じゃない証拠に、全部、ホームビデオに撮らせてもらった。
いずれ、詳細をみなさまにお伝えできる日が来ることだろう。
今日は、もうひとり、同じような患者さんに出会った。
初めて往診すると、本人と家族に
・90歳代と高齢なので、病院で死にたくない
・緩和医療だけ、してほしい
・残った時間を好きなようにさせて欲しい、と。
またまた、同じように、意気投合。
握手、ハグ、万歳!
今朝は、完璧な平穏死2件から始まり
完璧な平穏死希望2件で盛り上がる。
なんという、巡り合わせ、なんだろう。
1件目の御家族には、ちゃんとフォローした。
・超一流病院だから、願いが叶い、こうして家に帰れたんだよ
・だから、病院の先生にも少しは感謝してほしい
・ほんとは病院の医療者も本音では分かりかけているんだよ
「そう言われればそうですね」と、泣き笑いの御家族。
この家に来れるのはあと何回だろうか。
可能性ゼロの医療はさすがに辛い。
でもひるまずに頑張ろう、と思いながら引き揚げる。
実はこんな日々が、ずっと続いています。
我々にとっては、「当たり前の日々」が、
病院にとっては、全く当たり前ではない。
裁判をしてでも延命治療を続けるという。
そんな現実の中、拙書「平穏死・10の条件」を世に出せたことは
非常にタイムリーだと思う。
やはり、この本は、できるだけ多くの人に読んで頂きたい。
天動説か、地動説か。
ガリレオガリレイは、殺されかけた。
しかし、のちに証明された。
そんな時代を生きているような気がする。
医療は患者さんのためにある。
患者さんを幸せにして、人間としての尊厳を守るためにある!!!
明日は、尊厳死議連の総会に出席。
障害者団体の御意見を、拝聴する。
ああ、今日、だった。
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