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老年症候群
2012年07月21日(土)
今後、老年症候群という捉え方が今後ますますになる。
3人の第一人者の講演で勉強させていただいた。。
老年科医がリーダーシップを取るのか?
認知症専門医がリードするのか?
現場は、どちらでもいい。
臓器別、領域別縦割りの壁を取り去ることが重要だ。
いずれにせよ、老年症候群への取り組は、これからだ。
「認知症医療と老年症候群」東北大学 荒井啓行教授
認知症発症は、25年前に診断できる。
従って今後の認知症対策は、発症予防が焦点となる。
しかしそもそも予防には保険適応は無い。
認知症の後半は、転倒予防、摂食嚥下が中心となる。
寝たきりが6ケ月以上の患者さんに
PEGをしても延命効果は無い。
自分がしたくないことを親にはしている。
夜間頻尿の死亡リスクは2倍。
認知症は食べていると死なない。
しかし、食べれなくなると死ぬ。
摂食、嚥下への対応が重要だ。
老年科医がチームの中心となるべき。
Q 抗認知症薬は、認知症患者の予後を改善したか?
A 長期的データは無い。
Q 400万人の認知症患者に老年科医のみで対応できるか?
A 一般医を老年科医化するという考えもある。
「頸動脈エコーで診た各種薬剤の項動脈硬化作用」
大阪大学 片上直人先生
人間は血管とともに老いる。
動脈硬化症は、遺伝因子と環境因子で決まる。
頸動脈エコーは動脈硬化の簡便な指標。
シロスタゾール投与群は、アスピリン投与群より
有意なIMT進展抑制作用を示した。
また、脳梗塞予防効果も認めた。
超音波組織性状(IBS)も有意なマーカー
スタチンは、頸動脈IBSを改善する。
頸動脈エコーをもっとやるべき。
「脳微小循環の可視化による老年病症候群へのアプローチ」
東海大学 盛 栄三教授
ラットの脳の血管を観察できるシステムを作った。
糖尿病ラットでは、シロスタゾールの動脈硬化予防作用が確認できた。
盛先生は、最後に御自身に在宅医療の経験談をされた。
心不全で在宅療養中にトだったが、ポータブルトイレ中に亡くなった
患者さんの看取りのエピソード。
気が動転した家族は、救急車を呼んだ。
大学病院の救急救命部で死亡診断した。
しかし死亡診断書を書いてもらえない。
警察が5人やってきて、家族とともに捜査を受けることになった
自宅の家宅捜査も入った。
主治医は解放されるも、家族の取り調べは続いた。
警察は、「虐待」を疑っていたようだ。
だから、家族2人の時は、在宅看取りは難しい!
いきなりそのような経験を話されたので、驚いた。
ああ、なんという現実か。
是非とも拙書「平穏死・10の条件」を読んで欲しいと思った。
在宅看取りは、大学の先生にはまだ認知されていない。
それには、法律の周知不足が大きな要因になっている。
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この記事へのコメント
美味しい日本酒をいただいてほろ酔い気分でのコメントです(失礼・・・)。「老年症候群」という捉え方?素人としては老年期にまで医療がまかり出て人体をいじくるのは賛成できません。人は一人ひとり寿命をもっています。良寛さんが自然の大災害で逝った人にいったじゃあないですか「死ぬもよし、生きるもよし」って。瀬戸内寂聴さんも同じことをおっしゃっている・・・。東日本大震災で津波にのまれて亡くなったご主人の死を嘆いている奥さんに「ご主人の寿命だったのですよ」と優しく肩に手を添える。逆らうのは止めにしませんか?「人間は血管とともに老いる」血管だけじゃあないですよ、全身全身。それが自然。
老いなかったら気持ち悪い。「動脈硬化症は、遺伝因子と環境因子で決まる」そうですよ、その通り。環境因子はイコールその方の生き方です。そこに力を入れるのが予防医学でしょう。「頸動脈エコーをもっとやるべき?」その「やるべき」というのが気に入らない。医者の目線以外、なにものでもない。「ラット」は所詮「ラット」でしょう。ラットに「人生」はない。ラットの次は人体実験。ラット君は確かに医学の進歩に貢献してきました・・・。盛栄三教授の経験談、医者であっても家族の最期を首尾よく送れないのですね。それが人間というもの。「警察は虐待を疑っていたようだ。だから、家族2人の時は、在宅看取りは難しい」そうかなあ・・・。警察もその家族の背景を分かっていないのになんですぐに虐待に結びつけるわけ?もう、恐い世の中。「いきなりそのような経験を話されたので驚いた」長尾先生はまともです。そんな変な医学界、一般ピープルを変えていきましょうよ。「ああ、なんという現実か」なんて嘆いている暇はないです。「平穏死・10の条件」はもうトレンドの域ではない、“センセーション”です。「一家に一冊、バイブル」です。明日は茨木で静かに語って下さい、そして静かな“センセーション”を起こしましょう。
Posted by 岡村 ヒロ子 at 2012年07月21日 09:20 | 返信
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