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「退院支援」が在宅阻害因子

2012年08月08日(水)

余命いくんばくもない終末期の患者さんを「退院支援」と称して病院に呼びつけて、
病院での延命治療を在宅でもやらそうとする悪習は百害あって一利なし。
やめて欲しい。

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ある日、突然、病院から電話がある。
「末期がんの患者さんを地域に返したい」と。
(返したいのではなく、帰って当たり前なのに、なぜ上から目線の言葉を使うのか)

今日帰ればいいのに、と思っていると、
来週の何曜日の何時に病院に来なさい、という。
帰るのなら、病院に行っても仕方がないと思うのだが。

がん性腹膜炎で食べられないから、中心静脈栄養(IVH)をしているという。
末期がん患者にその適応が無いことも知らない。ハッキリ言って、ゼロ点。
そして、それも在宅で同じようにやれ!と命令してくる。

病院と同じことを自宅でやることを在宅医療だと思っている。
勉強不足も甚だしいが、相手は病院さんなので、黙って聞いている。
延命治療の在り方は、病院と自宅では全く異なるという現実すら知らない。

拙書「平穏死・10の条件」を読んでくれ、と喉まで出かかるがぐっと我慢する。
どうせ読んでもくれないことが分かっているからだ。
彼らは、病院中心に世の中が回っていると本気で信じている。

人間の信念を変えることはできない。
変えようなんて考えない方が健康にいい。
従って、黙って聞いている。

IVHのやり方は、自宅に帰ったら帰ったなりのやり方がある。
だから病院のやり方を、病院で教わっても、何の意味も無い。
しかし、彼らはそれをするのが、「退院支援」だと思っている。

こうした退院支援が、在宅阻害因子のひとつになっていることに
これだけ言っても、これっぽっちも気が付いていない。
なにせ、すべての中心は病院、病院が一番エライのだ。

我々は我慢するだけでいい。
可哀そうなのは患者さん。

無用な延命治療に苦しめられ、
無用な退院支援で、退院は延期にされ、
結局、退院できずに、病院で亡くなっていく・・・

以上の、私見に異論のある方こそ
拙書「平穏死・10の条件」を読んで頂きたい。

読んで頂いてからなら、いくらでも議論させていただきたい。

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