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仕事を続けながらの在宅介護

2012年08月11日(土)

仕事を続けながら、親の在宅介護をしている人が増えてきた。
また老人マンションが増え、在宅療養の場も増えてきた。
その辺の事情を、今日発売の産経新聞・兵庫版に書かせて頂いた。
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産経新聞・在宅療養シリーズ第6回
         多様化する在宅療養の場

仕事を続けながらの在宅介護

 

 在宅療養の場と介護について考えてみましょう。都市部では住み慣れた我が家以外に、いわゆる老人アパートがあちこちに建設されています。従来、高専賃(高齢者専用賃貸住宅)と呼ばれていたものが、この4月からは「サ高住」(サービス付き高齢者向き住宅)という呼び名に変わりました。サービスとは、24時間ヘルパーさんが見守りをしてくれること。「サ高住」も制度上は自宅という扱いです。そういえば、グループホームもホームという位ですから立派なご自宅。このようにひとくちに自宅といっても、様々な形態があり、第二の我が家とも呼ばれています。在宅療養の場がは実に多様化してきました。


 そんな中、主治医も2人という時代になってきました。病院主治医と在宅主治医です。病院の専門医は主に病気を診て、在宅主治医は生活を含めて総合的に診ながら発熱などの急変にもきめ細かく対応します。病院主治医以外の医師にかかると、浮気をしたのではないかと悩む、律儀なひとがよくおられますが、そんな遠慮は不要です。それぞれの役割が異なるからです。医者の2本立てがむしろ標準の時代であると心得てください。できれば介護保険申請時の介護意見書は、在宅主治医にお願いしてください。そのほうが認定作業はスムースに運ぶことが多いようです。在宅療養期間は、末期がんの場合、平均1ケ月半です。末期がんの在宅看取り率が当院などの場合、9割と高いのは介護期間が短いからでしょう。誤解を恐れずに言うならば、あっという間に終わるのが、末期がんの在宅療養。


 一方、短期間では終わらないのが「非がん」の在宅療養です。認知症や神経難病、脳卒中後遺症などの療養期間は多くの場合、年単位にわたり、ご家族にも大きな介護負担がかかります。そのため最近、西宮市の「つどい場さくらちゃん」のような介護者を支えるNPO法人の活動が全国的に注目されています。在宅介護しきれずに施設に入所して、時々自宅に外泊する「逆ショートステイ」というパターンで、在宅での自由時間を楽しんでいる方もおられます。時々「親の介護のために会社を退職しました」と突然言われる方がいて、驚きます。仕事と介護をどう両立させるか?これは実は、50代の2割もの人が直面している課題であるそうです。実は私もその一人なのです。

 
 最近の企業の中には、介護休業・休暇や短時間勤務など、会社独自の介護支援制度を設けるところが増えてきました。私が診ている在宅患者さんも昼間は一人でも、夕方5時には子供さんが帰り世話をしている方が何人かおられます。またデイサービスから帰ってくる夕の時間帯に合わせて会社から帰宅される方も。企業にとっても、貴重な人材を失うよりも短時間勤務の方が損失がずっと少ないことが認識されてきました。いまや年老いた親の介護問題は、子育てと違い日本人のだれもが直面する可能性が高い課題であるという認識になりつつあります。在宅介護のための退職、という選択の前に探るべき道が沢山あります。実はこうした入れ智慧をするのも在宅医の仕事です。いろんな工夫をしながら、介護保険制度を最大活用して、在宅療養生活を楽しんで頂けたらと願います。在宅療養の最大の利点は、やはり「自由」であると私は思います。

 

キーワード 介護休業・休暇

法律では介護休業は1人につき通算93日まで認められていて休業中の所得補償は賃金月額の40%。介護休暇は一人は年5日、2人以上は年10日である。これらは子育て支援と比べると遅れている。

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