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金子哲雄さんの終の信託

2012年10月07日(日)

金子哲雄さんという有名人が、肺のカルチノイドという病気で亡くなられた。
享年41歳。
彼は死ぬ前に葬儀の準備とは全部してから亡くなられた、と聞いた。
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死ぬ1時間前まで、葬式で出す料理のメニューを指示していた。
知り合いに残した手紙を聞いて、涙した。

ここまで完璧に、終の信託ができる41歳を見たことがない。
60歳位の方なら、この1年に、2人ほど見たことはある。

この若さで、この潔さ。
往生際が美しい方。

知らないひとを、死んでから知る。
それだけでも価値があるような気がする。

有名な在宅ホスピス医の岡部健先生が亡くなられた。
ことし2月の在宅医学会で講演を聞いたのが最期になった。

文藝春秋の7月号あたりに、「お迎え現象」について書かれていた。
岡部先生の真骨頂を見た気がした。

若い方の朴報を聞くと、ショックだ。
自分もいつか、もしかしたら早晩そうなる。

その時、どんな風に言われるのか。
できれば、死んだことを隠して欲しい。

10年ぐらいたってから、
「あいつちょと前に死んだらしいな。最近見ないと思ったけど」
なんて言われることは、現実社会ではあり得ないだろうが。

密葬を終えてから公開されることが多い。
みんなに迷惑をかけたくないという配慮だろう。

その気使いをするのも、終の信託のうちだろう。
ちょっと寂しい、秋の終末を、岡山から終電で帰ってきた。

来週の宗教連盟の打ち合わせを、新神戸駅で携帯でしていたら
タクシーが一台もいなくなってしまった。

神戸って、意外と田舎なんだな。

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この記事へのコメント

今年6月28日から7月2日にかけて、読売新聞に掲載された岡部健医師のインタビューは、
ご自身の闘病体験から得た貴重な証言や発言であり、これからの日本人の看取りについて
貴重な示唆を与えてくださっていると思いました。
その一部ですが・・・


緩和ケア医師でも、死は怖いものかとの質問に対して
「怖くないと言えばうそになりますが、私には、死ぬことのお師匠さんはたくさんいます。
看取った患者さんたちです。元の外科医のままだったら、もっとあたふたしていたでしょう」


「お迎え」体験についても、オカルトの領域とされていたのを、死生学の研究者と協力して、
主観の入らない形で調査研究を続けていると語っておられます。


そして、看取りに関しては、最終的に「既存の宗教組織にもっと動いてほしい」と
切望されています。
ご自分の法人では、「お坊さんや神主、牧師などが、自分たちの信仰を押しつけることなく、
看取りに参加してくれている」とあります。


「在宅ホスピスをやってきて、日本では宗教性の問題が大きな問題として残っている。
このことは、しゃべれるうちにしゃべっておこうと思う」という言葉で、インタビューを
締めくくった岡部医師。
まだまだ道半ばでの早すぎる御逝去であったと思います。


ビハーラや『臨床僧の会』の活動など、岡部医師が期待していた既存の宗教家の活動の萌芽
ともいえる動きはありますが、国民的な関心度の高さではまだまだの感が否めません。
でも長尾先生の御著書が10万部近く売れているということは、
現在の日本人の死への関心が、実は潜在的にいかに高かったか
ということの証明だと思っています。

Posted by 花へんろ at 2012年10月07日 06:49 | 返信

水曜日の9時8チャンネル、さんまの「ホンマでっか?TV」に準レギュラーとして出演されていました。明るく、他人に最大限の気配りがおできになり、それでいて大変謙虚な人柄を感じさせる方でした。
金子さんの訃報を聞いた時に、真っ先に先生の「平穏死10の条件」が私の中でリンクしましたが、おそらくは金子さんは先生のご著書を御存じでは無かった事でしょう。しかし、何かが見事にシンクロします。今、「死」に対してこれほど明確なお手本を示してお亡くなりになられた有名人を見たことがありません。
「ホンマでっかTV」は若い人から年配まで大変視聴者層の厚いバラエティ番組です。その準レギュラーの金子さんのあっ晴れな人生の幕引きは必然的に多大の影響を世間に与えることでしょう。

ファンの一人として、金子哲雄さんのご冥福を心より祈ります。
TVで楽しませていただき本当に感謝申し上げます。

Posted by チズ at 2012年10月07日 10:23 | 返信

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