- << 地域で"まじくる"栄養管理
- HOME
- 日本がん楽会でのトークライブ >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
好きな患者、嫌いな患者
2012年10月14日(日)
「私の好きな患者さん、嫌いな患者さん」で書きたかったが、きついので
「・・・苦手な患者さん」で書かせて頂きました。
医者の本音シリーズ第5話 好きな患者、苦手な患者
優先順位を決めて受診して
医者も人の子。好きな患者さんもいれば、苦手な患者さんもいるはずです。
まず私が苦手な患者さんは、一度に沢山の要求をされる患者さんです。初診で来られて、問診用紙に「血圧と糖尿と肝臓と腰と不眠とめまいを診て欲しい」というふうに書かれる患者さんが時々おられます。6つの訴えは言わなきゃ損損、という感じにみえます。しかし医者は魔法使いではありません。全く異質な問題を一度に提示されても、上手く対応できません。そんな場合、一番大切そうな順番に並び替えをしてから解決していきます。しかし、できれば予め自分自身で優先順位をつけて下さると非常に助かります。もし診てもらいたいことが沢山ある場合でも、事前に上位3つ以内にまとめておいてください。
あと、約束を守らない患者さん。予約を何度もスッポカす患者さんも困ります。狼少年のようになると損をします。また話が異常に長い患者さんも苦手です。本題に入るまでの世間話が長い患者さんは、半分お喋りを楽しみに来られているのでしょう。世間話も潤滑油として多少は必要かもしれません。要は程度の問題です。混雑具合を見ながら世間話をして頂くと助かります。あと、ドクターショッピングを繰り返す患者さんも苦手です。まるで周遊魚のように3年に1回位のペースで立ち寄られる患者さんがおられます。次に来られるかどうか分からないので、どうしても診察に力が入りません。
さらに多種類のお薬を要求する患者さんも困ります。「あれもこれも」と多種類投薬を強く要求しておきながら、帰り際に「こんなに薬漬けにされて・・・」と言われると、「エッ?」と首をかしげることがあります。以上のように困った患者さんは、元々そのような性格である場合と実は認知症の場合があります。もし後者の認知症を疑うなら、頭のCTでも撮りたいところですが、それを言うと怒るかもしれません。少々ビビリながらお話を進めることになります。そんな時、ご家族に横にいて頂けるとどんなに助かることか。
反対に、私が好きな患者さんは、怒らない患者さんです。最近、受付でも診察室でもよく怒る患者さんがおられます。帰宅後も何度も電話をかけてきて文句を言う患者さんがいると、担当職員はその対応で仕事ができなくなります。毎回、文句ばかり言われる患者さんには職員一同、身構えてしまいます。しかしもし点滴を失敗しても「かまへんよ」と言っていただけるという寛大な患者さんには、感謝の気持ちはもちろんですが心底癒されます。通常、患者さんとはある意味、お医者さんのエネルギーを貰いに来られるものです。それはそれでいいのですが、患者さんのほうが元気な時があります。その時は患者さんのパワーを頂きます。医者は一生、患者さんに育てられます。徳の高い立派な患者さんを診させて頂くと、こちらにもその徳のお裾分けを頂いたような気分になります。
お医者さんと患者さんの関係は単純ではありません。しかし友人や夫婦と同じようにできるだけ長く付き合うことができれば最高です。また「看取る」といっても、それは私の方がたまたま30年遅く生まれただけのこと。順番で私が看取る役になっているだけ。医者も患者も生身の人間同士。もし生涯、良い関係を構築できたら最高だと思います。
キーワード:ドクターショッピング
精神的・身体的な問題に対して医療機関を次々と、あるいは同時に受診すること。がんや難病などの場合、より良い説明、診断、結果を求めて、また納得のいく答えを求めて彷徨う人が多い。
- << 地域で"まじくる"栄養管理
- HOME
- 日本がん楽会でのトークライブ >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: