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抗凝固剤服用時の内視鏡検査

2012年11月24日(土)

なんらかの理由で、血液サラサラのお薬(抗凝固剤や抗血小板剤)を服薬中の
方が増えているが、内視鏡検査や内視鏡治療時の取り扱いが問題になっている。
昨夜のシンポジウムでは、4つの講演を聞き、いろんな医師と情報交換した。
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血液サラサラの人が内視鏡検査をするときは悩ましい。
飲んだまますれば、組織生検するとそこから出血するかもしれない。
かと言って、中止すると、内視鏡検査前後で、脳梗塞を起こすかもしれない。

いくつかの医学会が一緒になってガイドラインを出した。
日本消化器内視鏡学会と日本循環器病学会、日本脳卒中学会など。
これは、医学会の協働作業である。

結論から言えば、胃カメラや大腸カメラで、生検するときは
原則、血液サラサラのお薬を中止する必要は無くなった。

内視鏡治療の時はケースバイケースだし、
これは学会のガイドラインに過ぎない。

長嶋茂雄氏の主治医でもある東京女子医大の内山教授に
終末期医療について意見交換をさせていただいた。

また、消化器病界の超大御所であられる、竹本忠良先生からの
メッセージも聞いた。
車椅子に乗られたお姿だったが、凄まじい向上心を感じた。

竹本先生の最後のあいさつに一番驚いた。
「私も、そろそろ、リビングウイツを残したい・・」

目が点になった。
一番そんなことを言わなさそうな先生が、リビングウイルを口にした。
思わず、名刺を持ってご挨拶に行った。

東京医大の同級生である河合教授が最後に講演。
いい話だった。

親友の後藤浩教授(眼科学主任教授、東京医大病院副院長)の
写真まで飛び出して驚いた。

ムコスタという胃薬が、目薬になり、ドライアイによく効くと言う話。
粘膜保護作用、抗炎症作用は、胃粘膜のみならず
角膜の粘膜にも応用される。

いろんな意味で勉強になった夜だった。


学会のガイドラインについて
by 佐賀大学 藤本一真先生

 

【基本的な考え方】

出血のリスクから血栓塞栓予防という観点にシフトしている。

 

【抗凝固と抗血栓】

・抗凝固 ワーファリン 静脈血栓

・抗血栓 アスピリン 動脈血栓

 

心筋梗塞後は、アスピリンで再梗塞を予防できる。

一方、アスピリンは、出血性潰瘍のリスクもある。

 

【2剤投与の時代】

ステント留置後は、アスピリンとプロビクスの2剤投薬が標準。

実は、アスピリンを10日中止するのが一番危ない。

 

アスピリンもワーファリンも休薬せずに生検していい。

2剤以上の場合は、慎重対応。

 

 

脳卒中と抗血栓薬

―リスクとベネフィットを考えるー

 by 東京女子医大 内山真一郎先生

 

【脳卒中の現状】

世界では、6人に1人が生涯の中で脳卒中になる。

3000万人が後遺症で悩んでいる。

日本人では5人に1人。

日本では、心臓発作より脳卒中のほうが多い。

脳卒中の4分の3が脳梗塞。

 

【再発予防】

非心源性脳梗塞 :抗血小板剤

心源性脳塞栓症 :抗凝固剤

 

【心源性脳塞栓症】

心源性脳塞栓症の割合は、現在27%。

近い将来、1位になる。

心源性脳塞栓症は重篤。

 

ワーファリンが使われている割合を調べると4割だった。

ワーファリンは煩雑。

頭蓋内出血の可能性はアジア人では高いと言われている。

 

プラザキサやイグザレルトという新規抗凝固剤は、

納豆などの食事制限がない。

しかし一方、消化管出血はワーファリンより多い。

 

アスピリンは、出血のリスクがあるが

プレタールはそのリスクが少なく優れている。

 

抗血小板療法時の消化管障害マネジメント

by東京医大 河合隆先生

 

1 ピロリ菌とNSAIDの関係は?

2 低用量アスピリンによる粘膜障害はいつ起こる?

3 低用量アスピリン服用時の、ピロリー菌は?

 

 

ピロリ感染は、5歳までに感染する。

感染率は急速に低下している。

現在は、高校生の感染率は5%

 

【HPは減って、NSAIDが増えている】

 

循環器の先生は、血栓の予防と同時に考える時代。

 

潰瘍は、短時間に起きる。

投与後1~3日に起きる。

3日目に一番多い。

ピロリ菌がいると速くなる。

いずれにせよ、危ないのは最初。

飲み続けると潰瘍は無くなる。=アダプテーションがおこる

 

継続リスクと休薬リスクの両方を考える。

 

ピロリ菌がいてアスピリンを飲んでいると潰瘍は体部に多い。

ピロリ菌がいないと前庭部に多い。

 

欧米型=前庭部に感染

日本型=体部に感染

 

アスピリンは、ピロリ菌より酸が重要。

 

本当に除菌が必要なのか。

 低用量ガイドラインは?

 

いずれにせよ酸への対策が重要。

 

一方、PPIが小腸粘膜障害を増悪する!!

ビフィズス菌が減るから?

 

胃に潰瘍ができる人は小腸にもできる。

できる人にはできる。

 

小腸の粘膜傷害は、タイトジャンクションが

破壊されるから起こる。

 

ムコスタはタイトジャンクションを守る。

 

PPIとムコスタを併用したらいい。

小腸にはムコスタがいい?

 

PPIにムコスタを併用するといい。

 

ドライアイの治療と胃潰瘍の治療は似ている。

 

ムコスタは全消化管を守ってくれる。

 

投与前に除菌することの是非は?




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