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お答えします

2012年12月14日(金)

コメント欄に書きこんで頂いた、園田麻里さんの質問にお答えします。
あくまで私の意見なので、責任は持てません。
しかし、かなり切実な相談のようなので思いつくまま簡単に書きます。
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大変な状態であると察します。

39歳とまだ若い。
たしかに回復の見込みは少ない。
本人は死にたいとだけしか意思表示できない・・・

その療養型病院に限らず、多くの病院において
延命措置の中止は、現実的には無理だと思います。
自宅に連れて帰って、自然死させる在宅医もいないでしょう。

なぜか。

まず、不治かつ末期とは言えないから。

・月日はある程度たっている。
・不治、まではいい。
・しかし末期とは言えないだろう。

現在、法制化が検討されている法律案に照らしても
・本人のLWが文書として無い
・末期ではない
・意思表示もできる(遷延性意識障害、植物状態)でもない
などの理由で、延命措置の中止要件をまったく満たさない。

結局、大変でしょうが
どうしようもないと思います。
このまま自然に任せてください。

神様に委ねてください。

救急現場では、このような場合、最初から救命措置を
行わないことが増えてきました。
しかし、行ってしまった場合は、日本においてはどうすることもできません。

このような時に備えて、LWを書いておくことは大切です。
交通事故などで、誰でもこのようになる可能性はあります。
だから、みなさん日本尊厳死協会に入会しているのです。

ちなみに外国では、
尊厳死(=日本では安楽死相当)が、許容される国があります。
もちろん医師がその対象であるかどうかを慎重に判定します。

日本では全く無理です。

やれば、完全に殺人罪です。
日本の議論は、植物状態の胃ろうや人工呼吸器を外しても
殺人罪ですから、議論がそこまで進んでいません。

弁護士さんが邪魔をするのです。
オランダでは、医師と法曹界が協力していますが、
日本は医者の足を引っ張ることが弁護士の仕事になっています。

ということで、現実には
どうすることもできないと思います。

ただし、スピリチュアルケアを受ける権利はあります。
・アロマテラピー
・タッチケア
・音楽療法

さらに、緩和ケアも知っておいてください。
苦痛は緩和できる、という信念を持って、
優秀な緩和ケア医を探すことです。

一時的な浅い鎮静も選択枝です。

ケアの関わり方ひとつで、少しは、改善する可能性はあります。

文面からは、スピリチュアルペインがバンバン伝わってくる印象です。






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この記事へのコメント

12日のsnowflake様のコメントを読み、死の現実、生きる意味を思い知らされ眠れぬ一夜を過ごしました。
園田麻里様のご心痛心よりお察し申し上げます。

スピリチュアルペイン、調べてみました。
スピリチュアルペインとは、死が間近に迫った患者の方が、自分が生きる意味や価値を見失ったり、死後の不安や罪悪感などで苦しむ痛みのことを言います。
がんを告知されたがん患者の方は、「なぜ自分が癌にならなければならないのか?」「なぜこんな痛みを味わわなければならないのか?」という怒りであったり、「自分の人生の意味は一体何だったのか?」という生きる意味への問い、そして病気になったことで周りに迷惑をかけてしまったという罪悪感や死後の恐怖などで苦しみを感じることがあります。
がん患者の方に限らず、人間にこのような思いを生み出しているものがスピリットであり、ここで現れる痛みがスピリチュアルペインと呼ばれるものです

Posted by 桜 at 2012年12月14日 06:30 | 返信

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