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映画「愛、アムール」を観て
2013年02月12日(火)
3月9日公開予定の「愛、アムール」の試写を観た。
とてもいい映画だ。フランスも尼崎も同じだ。
公開されたら多くの人に観て欲しい。特に子供世代に。
http://www.ai-movie.jp/
「愛、アムール」を観た私の感想文
老いても美しい愛のカタチと在宅療養 長尾和宏
この映画には、無駄なものは一切ない。老いても美しい夫婦愛が、淡々とした日常を通して、一途に描かれている。それが感動に加えて深い余韻を残す。花の都パリの高級アパートが舞台であるが、実は私がクリニックを営む兵庫県尼崎市においても同様の日常があることに驚いている。フランスと尼崎の在宅介護に、かくも多くの共通点があるとは思いもしなかった。在宅医療の現場は、老老介護が大半だ。在宅医療と聞くと末期がんを思い浮かべるひとが多いだろうが、脳梗塞や認知症も多い。そこに確実に老いが加わってくる。この映画には、医療の不確実性、在宅療養、訪問看護、男性介護、介護ストレス、家族との関係性、ナラテイブ(物語としての生)など、これからの日本人が考えておくべき課題がすべて描かれている。在宅療養と終末期医療の現実を、芸術性をもって直視している。さらに、誰もが直面する終末期における人工栄養、施設や入院といった課題までも描かれている。
私は「平穏死」を説く立場であるが、現実には叶わないことが多い。それはどうやらフランスでも同様のようだ。2005年に制定された尊厳死法案(レオネッテイ法)は、病院での終末期の法律であり在宅現場にはまだ適応されていないようだ。また息子や娘が親の平穏死を見守ることができない現実も、日本と共通していることが伺える。しかし「老い」や「終末期」は人間共通のテーマであり、綺麗ごとでは済まされない。終末期において人間の尊厳をいかに保つかが問われている。施設や病院に外注するのか、自らが受け止めるのか・・・
この映画はシニア世代は自分のこととしてもちろん、また子供世代にも是非とも見て頂きたい。そう強く願う。というのも、偶然にも「平穏死という親孝行」という拙書が出版されるタイミングと本映画の公開が重なったからだ。強いシンクロニシテイを感じている。自分の親の尊厳ある最期を考えるうえでも絶好の映画と言える。
愛のカタチは国を問わない。そして在宅療養という選択は、究極の愛である。そう、私を勇気づけてくれる映画でもある。
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この記事へのコメント
こんにちは!
映画大好きで、最近は体調の事もあってなかなか映画館に行かれないのですが…。
とっても素敵な映画をご紹介して頂いて嬉しく思いました。
私も大好きな映画をご紹介させてください。
「永遠(とわ)の愛に生きて」と言う映画です。
『ナルニア国ものがたり』などで知られる童話作家C・S・ルイスの実話に基づいた作品で、本も出ています。
結婚しないままオックスフォード大学で教鞭をとっていたルイスに、永遠の愛を誓うことになる妻との出会いから別れまでが描かれています。
アンソニー・ホプキンスとデブラ・ウィンガーがとても素晴らしく、最期の看取りのシーンは何度観ても涙が自然に溢れてきます。
残念ながらDVDでの発売はされていなくて、VHSだけなのですが…。
映像の美しさも心に響きます。
是非、ご覧になって見てくださいませ。
Posted by SONWAI at 2013年02月12日 10:44 | 返信
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