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往診先で搾りたての母乳を飲んだ私

2013年03月16日(土)

往診したら、そこには、まさに授乳中のお母さんが集まっていた。
そこは授乳教育の場でもあり、真ん中に患者さんの介護ベッドが入っていた。
床に伏している女性がいるなと思っていたらなんと自分の乳を搾っていたのだ。
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ゴクッ・・・

勧められるまま、搾りたての母乳を飲ませて頂いた。

母乳の美味しさ

これは赤ちゃんしか知らない、はずだ。

知っていても、大人になれば忘れてしまう。

 

牛乳より甘くてコクがある。
なんとも言えない香りが口の中に残る。


男性訪問看護師と記録スタッフの3人の男性が

飲ませて頂いた。

 

つい20秒前に搾ったばかりのトレトレの母乳。

温かい。

人の温もりの温かさ。

思わず、月亭歌長さんの、「ボインの歌」が頭の中に蘇った。

「ボインはー、赤ちゃんのためにあるんやでー。
 お父ちゃんのためにあるんや、ナインやでー」

なんて素晴らしい歌。
50を過ぎて、この歌の価値がわかるのか。

さて、
3人とも最初は恐る恐る飲んでいた。

スッポンの生き血を飲むような感じ。

大の男3人がミルクを飲んでいる姿を想像してほしい。

 

それも、高齢者の介護ベッドを囲んで飲んだ。

 

病院から帰って来て、まだ4日目。

 

病院では、重症の脳梗塞で鼻から経管栄養をされていた。

食べる話なんて皆無。

家族は尊厳死を望んんだ。

 

相談を受けた私は、
「見ないものは分からない。
 
とにかく一度帰ってきてから考えたら。」
とアドバイス。

いつもと同じ、脱北作戦だ。

 

帰る直前に、鼻からの管を抜いていた。

綺麗な状態で帰ってきたノダ。

しかし帰ってきた人を見たら、尊厳死とは無縁の世界。
命の炎は、まだ充分に燃え盛っている。
私はアホだが、その炎の勢いだけは大体分かる。

この続きは改めて書きたい。

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この記事へのコメント

中国共産党の革命劇を見ていたら、前線で、負傷した男性兵士に与える水も栄養もな無いと言う状況で、女性兵士が自分の母乳を、絞って男性兵士に与えると言う場面がありました。その女性兵士は革命的英雄だと言う事でした。
「ゲ―ッ!」と思いましたけど、実際あるんですね、そんな話。
いや、別に母乳が出ないから、ヒガンんでるわけじゃないですよ(笑)。

Posted by 大谷佳子 at 2013年03月17日 03:12 | 返信

あ!私と子供が通った先生のところかな?
褒められ叱られ叱られ叱ら・・・(ループ)鍛えられました。

人の生を学べた場所。
そして人の死を学べる場所。

いちばん当たり前の場所、人が出会ったわけですね!

Posted by ゆい at 2013年03月18日 10:53 | 返信

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