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医者や看護師の親の看取り
2013年04月08日(月)
今年も咋年以上のペースで在宅看取りが続いている。
なかでも、子供がお医者さんや看護師さんの場合、相当大変なことになる。
せめて拙書「平穏死という親孝行」を読んでくれたらいいのだが、無理だろうなー・・・
胃癌の末期の患者さん。
本人は、[このまま家に居たい,家で死にたい」とハッキリ言っている。
そこに東京の大学病院に勤務する長男(お医者さん)が帰ってきた。
「こんなに栄養失調になって、脱水も酷いし・・・」と我々に怒りはじめた。
「今すぐ、IVHポートを作成して高カロリー輸液をするように」命じられた。
いい感じで、カリカリに乾いて、苦痛も無いのだが、長男のお医者さんには逆らえない。
泣く泣く、入院となり、お別れとなった。
我々は、ご家族さまには逆らえない。
ましてエライお医者さんには、とても反論できない。
心の中ではいつも
「あなたさえいなければ」と思う。
思うけど、口が裂けても言えない。
肝臓癌の末期の患者さん。
娘さんは、これまた東京の大病院の集中治療室で働く看護師さん。
休暇をとられて突然、帰って来られた。
黄疸で真っ黄色になった親の顔を見るやいなや、
「どうして入院させないのか?」と激しく怒りだした。
東京の自分の病院に連れて行き入院させると言った。
「どうぞご自由になさってください」
私たちは常にそれしか言えない。
こんなに省エネモードで上手く行っているのに。
こんなに満足した日々を送っておられるのに・・・
ここでもまた、
「あなたさえいなければ」と心の中で叫びながら、
涙の別れとなった。
患者さんも弱っているので、子供の言うことには逆らえない。
まして子供がお医者さんや看護師さんであればなおさらだ。
世の中には、往生際が悪い職種が3つある。
・医者
・坊主
・教師
この3つの職種の患者さんが、一番、難儀だ。
はっきり言って、どうしようもない。
モンスターになることが多い。
さらに、家族、特に子供がこの3つの職種だった場合、
我々は、最初でもう諦めてしまいそうになる。
いくら一生懸命やっても、子供に怒られてしまう。
本人はいたって満足しているのに、
平穏に生活しているのに、
すべてをぶち壊すのは、いつも、遠くの子供だ。
ああ、拙書「平穏死という親孝行」を読んで欲しいな。
そのために書いたのだが、それを言いだす暇も無い。
とにもかくにも、
遠くの長男、遠くのお医者さんには、かなわない。
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この記事へのコメント
私も、「あなたさえいなければ...。」と言われる一族になりました。
私の母は「正常圧水頭症」ではないかと、私は疑っています。
丁度、ケアマネジャーの友達が、今津の、西宮協立病院の脳神経外科で、「正常圧水頭症」の検査をしてくれると教えてくれたので、母に主治医に、紹介状を書いて貰って、
脳神経外科に行こうと、思いました。初め「正常圧水頭症かどうかの検査に行こう」と言うと、母は行っても良いと言っていました。ところが、「正常圧水頭症」と診断されたら、腰部で、カテーテルを入れて、腹腔に、リンパ液を流す、シャント手術をするらしいと言うと、途端に、「嫌だ」と言いました。「私は認知症でもないし、足元のふらつきもないし、尿漏れも有りません!」と恐い顔をして、怒鳴りました。
そのあと、心臓発作を起こして、気分が悪くなって、やっとの思いで、二階の寝室に寝かせました。
それで、いつものように、母に主治医に、訪問医療で、点滴をして貰っています。
まあ今年の5月で、89歳だから、シャント手術をするのも、応えるかもしれないなあと思って正常圧水頭症の検査はあきらめました。
せめて80歳になるまでに、ちゃんとした脳神経外科で、診察してもらえば良かったと悔やんでいます。宝塚市内には、正常圧水頭症の検査をしてくれる脳神経外科は未だ、ないそうです。7~8年前に、ctスキャンだけ撮って、「あんたはアルツハイマーや!」と頭ごなしに言われました。最近その脳神経外科の先生は「患者さんや、家族に、頭ごなしに、あんたはアルツハイマーや!等と言ってはいけません」とケアマネジャー達に講義したので、呆れました。
私が母より先に死んだら、母は精神病院にでも、入れられるしかないでしょう。
それも運命です。
Posted by 大谷佳子 at 2013年04月09日 02:31 | 返信
長尾先生がおっしゃるように、患者ご本人の意思とは関係なく
患者の息子、娘の親に対する気持ちで、治療を無理強いする
結果となっていますね。
Posted by 匿名 at 2013年04月09日 04:19 | 返信
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