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介護施設からバイタルサインを無くす会

2013年04月23日(火)

私の携帯電話の電池が夕方までもたない。
ひっきりなしに電話がかかってくるからだ。
その大半が介護施設からの電話だ。
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365日、介護施設の職員から、ストーカーされているようなものだ。
異常に多い。
多すぎる。

介護施設から深夜、早朝を問わず、携帯電話がかかってくる。


「37.2度の微熱があるのですが・・・・」(それがどうした)

「解熱剤を飲ませたが、37度以下にならないのですが・・・」(ちょっと、待っていたら)

「酸素飽和度SPO2が、93%しかありませんが・・・」(測るからじゃないのか)

「体温が35度4分しかありませんが・・・」(しょうがない)

「脈が90回もありますが・・・」(俺も80回くらいだけど)

「深夜に意識が無くらるのですが・・・・」(単に寝ているだけなのだが)

「吐いたので食べさせましたが、また吐きましたが・・・」(食べさせるから吐くのだが)

「血圧が、200の150もありますが・・・」(そんなのあり得ないだけどな)

「発熱患者さんがインフルエンザでないことを証明してください・・・」(もう大丈夫だって)


本人はケロッとしているのに、よくもこれだけ頻回に電話をかけてくる。
携帯メールも、パソコンメールも、FAXも、施設からのものがほとんど。


はっきり言って、入所者より、施設の職員のほうがオカシイ!

介護をせずに、一晩中、バイタルサインばかり測るのがいい介護だと
完全に勘違いしている。

バイタルサインに異常があれば、医者に連絡して、薬を出してもらって
それを飲ませることがいい介護であると勘違いしている。

病巣は深い。
どこでそうなったのかな?

介護保険でおかしくなったのか?

医療もおかしいが、介護はさらにおかしい。

介護施設に介護無し、
バイタルサインばかり。

「介護施設からバイタルサインを無くす会」があれば、絶対に入りたい。

家族に向けた平穏死の本を書いたが、
施設職員に向けた平穏死のほうがもっと必要じゃないのかな、と思っている。

真夜中や早朝でも、体温37.5度で起されるたびに、
「こんな奴らに殺されてたまるか」、と思ってしまう。

彼らは、夜勤が明ければ、帰れば充分眠れる。
しかしこちらは、寝なくても翌日もずっと働く。
在宅医は、1年365日24時間、ずっと当直だ。

介護職員に携帯電話を教えたくない。
ちゃんとやっていたら、必ず殺される。
携帯電話は、本当は家族に教えるもの。

こんなことを介護職員にいくら教育しても、まったくダメ。
私の言うことなど、信じない。
バイタルサインは信じるけど。

「介護が忙しくて、長尾先生のようにネットを見たり
 勉強する時間なんてありません」と、よく言われる。

とにかくこうした酷い介護現場を、なんとかしないと。

被害が入所者さんに及ぶ。






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この記事へのコメント

医療界の訴訟恐怖症と同じものを感じました。

介護職員への教育の前に、ご家族への講演が有効では?
以前勤めていた特養では、家族会(主にキーパーソンが参加)が開かれていて
そこで専門家の講演もあり、また施設・家族との質疑応答もありました。
入居者の文集も出されたことあります。
私は2003年に在宅ケアマネに転職したので、それ以前のお話です。
区立でしたが、民間人の素晴らしいホーム長が赴任されて
多くのことを学ぶことができ、その後の基盤となりました。

家族の対応が変われば職員も変わる…ってあり得ませんか。
長尾先生の名講義でぜひ! そして睡眠十分の生活で
元気いっぱいにミッションを達成なさって下さい。

Posted by 梨木 at 2013年04月23日 07:06 | 返信

看護職が対応できることばかりですので、例えば特養でしたら、看護体制加算(Ⅱ)を算定していない施設の嘱託医にはおなりにならないことです。

看護体制加算(Ⅱ)(①~③のすべてを満たすこと。)
①看護職員を常勤換算方法で入所者の数が25又はその
端数を増すごとに1名以上配置している。
②看護職員を常勤換算方法で、
入所者数が30以下:2以上
入所者数が30超50以下:3以上
入所者数が50超130以下:4以上
入所者数が130超:4+(入所者50増毎に1)以上
③当該施設の看護職員により、又は病院、診療所若しく
は訪問看護ステーションの看護職員との連携により、
24時間の連絡体制を確保している。

Posted by taku at 2013年04月24日 10:35 | 返信

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