塩谷監督は、５日、急性大動脈解離のため仕事場で、旅立たれた。

http://www.drnagao.com/pdf/media/related_article/shinbun130607.pdf

彼は、映画、つりバカ日記の監督。
スーちゃんの遺作、「ゼロからの風」の監督。

そして、相馬市を舞台とした演劇、「ＨＩKOBAE]」の監督。

この舞台は、復興支援のためニューヨーク上映から始まり、
神戸、大阪、東京、そして最終公演地ｊの仙台の当日に、旅立たれた。

監督とは、３ケ月前に電話で話したのが最後。
神戸では時間が合わず会えなかった。

当院に来ると言ってくれたが、私が出ていたので会えなかった。
私と２つ違いの５６歳。

咋年の相馬野馬追いで会った。
遅くまで歌っていた。
来月、また相馬で会うはずだった。

５日の午後３時くらいに亡くなられたという。
夜の舞台は、そのまま行われたそうだ。

主人公のモデルである立谷秀清氏が、急遽、舞台あいさつをしたという。
観客は、監督が亡くなったことを知らずに、最終公演を見たという。

あとで知って、みんなどんな気持ちだったんだろう？
監督は、まだ舞台のソデで見ていたに違いない。

被災地支援に２年間、奔走されて、その最終ステージで倒れた・・・

この知らせと同時に、２５年来のおつきあいの患者さんが旅立たれた。
わずか１時間の間に、私にとって大切な人の訃報が２つ。

末期がんで在宅医療を始めたばかりだったが、
気軽に入った病院で、わずか３週間後に帰らぬ人になった。

「病院に入ったら、高カロリーされてすぐ死ぬで！」

その方の自宅のすぐそばで、そう講演したばかり。
そうそう、昨日もその講演をしたばかり。

果たして、高カロリーをされて、すぐに逝かれた。
あんなに元気だったのに・・・

「自宅に帰せなくて残念」

何度聞いたか、病院からのこの言葉。

末期がんに高カロリー輸液は、絶対にしてはいけないと思うのだが、
３０年たっても改善されない。

胸にも水が相当溜まったと聞いた。
まあ、そうなるだろう。

だから現在の終末期医療と、もっと闘わないと、という気が強くなる。
「平穏死」の思想で、日本の終末期医療が変わり、患者が救われる。


それに加えて、尊敬するある先輩医師が旅立たれた。
少し前までお元気にされて、一緒に講演会をしていた大先生・・・


今、言えることは
ご冥福をお祈りいたします。

ただ、それだけ。

合掌。