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風疹患者１万人突破、昨年１年間の４倍超す読売新聞  6月18日(火) 配信

　厚生労働省は１８日、今年の風疹の患者数が、今月９日までに１万人を超えたと発表した。

　流行は首都圏や近畿圏を中心に全国に広がり、同省や専門家は、予防接種を受けるよう改めて呼びかけている。

　同省によると、９日までの１週間に新たに報告された患者数は５１７人で、年初からの合計は１万１０２人となり、昨年１年間の４倍を超えた。９日までの１週間では、都道府県別の最多が大阪（１２９人）で、東京（８２人）、神奈川（５９人）、兵庫（５２人）、鹿児島（３４人）が続いた。

 風疹は、妊婦がかかると胎児に障害が出ることがある。同省は、妊娠予定がある女性や、その夫ら同居家族が自主的に予防接種を受けることを勧めている。

【京都】風疹昨年の４．５倍　目立つ成人男性読売新聞  6月16日(日) 配信

　全国的な風疹の流行に伴い、府内でも１月から今月９日までの患者数がすでに昨年１年間のおよそ４・５倍に達した。成人男性での流行が目立ち、女性が妊娠初期に感染すると子どもに障害が起きる恐れもあり、府内の市町村で予防接種費用を助成する動きが広がっている。（二谷小百合）

　風疹は、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れる病気で、感染者のせきやくしゃみなどのしぶきでも感染する。「三日ばしか」ともいわれるが、子どもでもまれに命にかかわる重い合併症が起きることもあるという。

　府内の医療機関に報告のあった風疹の患者数は、９日現在１６５人で、昨年１年間の３６人を大幅に上回った。うち男性はおよそ４分の３に上り、２０-４０歳代で１００人を超える。今年４月の時点で３４-５１歳の男性は自治体の予防接種の対象外だったため、免疫のない人が多いとみられる。

　風疹単独のワクチンは生産量が少なく、今後接種する人は、はしかとの混合の「ＭＲワクチン」の接種になるケースが多い。料金は７０００-１万２０００円で、医療機関によって異なる。

　自治体の支援も広がっており、府は予防接種費用を助成する市町村に対し、助成額の半額を補助する補正予算案を６月議会に提案する。京田辺、城陽、亀岡の３市はすでに接種費用助成の申請受け付けを始め、長岡京、八幡、南丹の３市と宇治田原町は助成の方針を決めた。京都市も助成の方向で検討しているという。

　府こども未来課は「府民の健康を守るため、助成を決めていない自治体にも検討してもらいたい」としている。

◇年中発生予防接種を

　府医師会で感染症予防と乳幼児保健を担当する理事の藤田克寿医師（小児科）に、病気の特徴や対策などについて聞いた。

　--流行する季節は。

　「昔は春から夏にかけてはやるといわれていたが、ウイルスによる感染症は年中発生しており、季節による流行はないと考えた方がいい」

　--大人がかかる問題点は。

　「高熱のほか、関節痛がひどくなるなど、子どもがかかるよりも症状が重くなる場合がある。特に妊娠初期にかかると難聴や心臓の病気などの障害が赤ちゃんに現れる『先天性風疹症候群』が起こる可能性もある」

　--予防接種をしたかどうかわからない人もいる。

　「抗体検査という手段もあるが、手間も費用もかかる。接種の記録がなかったり、風疹にかかったかの記憶が曖昧な場合は、接種した方が確実だろう」

　--接種にあたっての注意は。

　「胎児への感染を避けるために、接種前に妊娠していないことを確認することと、接種後の２か月間は避妊が必要だ」

　--接種はどこで受けられるのか。

　「予防接種協力医療機関を、自治体や医師会のホームページなどで調べられる。医療機関へは、事前に連絡をしてほしい」