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迷惑行為

2013年06月27日(木)

施設を回診していると、介護スタッフからよく「迷惑行為」という言葉が聞こえてくる。
医療の世界にはそんな言葉は無い。 おそらく周辺症状、BPSDのことだろう。
どうでもいいことなのかもしれないが、私自身はとても気になる言葉だ。
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私は意地悪なので、介護スタッフにこう聞いてみた。

「迷惑行為って、誰が迷惑なの?」

「他の入所者さんたちです」

「他の入所者は夜は寝ているし、迷惑してないじゃないの?」

「そうですね。でも、私たちは寝れない」

「でしょう。貴方達にとって、迷惑なんですよね」

「そう、迷惑です!」

「じゃあ、夜勤の時、自分たちが少しでも寝れるように
 鎮静剤を盛れっていうわけ?」

「まあ、そうなりますか・・・」

「そのお薬で患者さんが転倒しても、
 自分たちの睡眠の方が大切なの?」

「いや、そんなわけでは・・・・」

「いや、そういうことを貴方は私に、今、言っているんですよ!」


こんな、頑固オヤジのような医者は、その施設では嫌われるだろうな。


しかし、そんな些細な言葉を聴き逃せなくなるのが歳を取るということか。

それも毎日、毎日、永遠のように繰り返されている。


”迷惑行為”

この言葉の中に、現在の認知症ケアの間違いが象徴されている。

誰のための、認知症ケア?
誰のための、認知症医療?

もしかして、介護士や医者のため?

そう、実は悲しいことに、そうなっている。
それが現状なのだ。

もっと悲しいのは、それを話しても理解されないこと。
理解しようとされないこと。



さらに書くなら、本当に迷惑行為をしている人が
様々な法律で保護されているという現実社会。


限りなき自己の肥大化

日本人の心の中にある「迷惑行為」が、
日本国を破滅へと向かわせている。

幼いお姉さんに、ここまで言うことはない。

オジサンは、心の中とこの日記の中で、ただ呟くだけ・・・






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この記事へのコメント

最近、厚生省が、介護保険のそれも、在宅介護を方針にした時、どういう、グランドデザインだったのかなあと思います。
結局、施設や、療養介護型医療に、費用が掛るから、「在宅介護」と思いついたんじゃないかと。
とすれば、大学出たての、経験のない女医さんが、月二回くらい、おじいさんや、おばあさんの診察に行って、それでもって、いよいよ、最後になれば、救急病院に入院して、「ご危篤です」と医師の死亡診断書がでれば、それで、万万歳だろうって、かるーく、考えたんじゃないかと思えます。
とすれば、患者に寄り添って、患者さんに頼まれれば、おじいさん、おばあさんと添い寝までしてる、長尾先生って、何なんだろう?
昔、T.E.ロレンスって人(軍人)が居て、イギリスの将校だったと思いますけど、イギリス政府の命令で、中近東、とくに、アラビア半島の(石油の利権を巡る)政治情勢を探る任務だった。それが、オマー.シャリフ演ずる、王族の一人と、仲良くなって、その縁で、アラビアのあらゆる民族と親しくなって、イギリス政府より、アラビア民族の部族の味方になってしまう。
それで、イギリス政府も徐々に、TEロレンスを、左遷する工作をするし、アラブ首長国連邦のアブダビ国王も、アメリカや等の甘い誘惑に、惹かれていったり、部族間の争いが激化して、バラバラになってしまう。
TEロレンスは退役後、バイクか、ナナハンに乗って、ドライブ中に事故で、死亡するが、真相は不明というのが、映画のストーリーですけど、長尾先生も、厚生労働省や、或いは、救急病院や、施設からみたら、患者さんや、お年寄りの味方になり過ぎの危険な医師なのかもしれませんね(笑)。

Posted by 大谷佳子 at 2013年06月27日 03:16 | 返信

これは、迷惑行為の話ではなく、労務管理の問題ではないでしょうか?施設で夜間勤務をされる方が、勤務時間としてカウントされる状況であれば、これは仕事です。「眠いから」云々の話ではありません。逆に休憩時間として当てられた時間に、休憩(仮眠)ができないのであれば、それは、労基法違反です。いずれも管理職の管理能力の問題であり、繰り返しますが、「迷惑行為」の話ではありません。

 「沈静剤を盛る」とあります。「毒を盛る」という言葉がありますが、薬は毒ではありません。医師として不適切なご発言です。表現の改善を求めます。
 なお、夜間眠れないというのは、大変辛いものがあります。服薬に関しては医師の判断になりますが、緩和医療を推進されるのであれば、その辛い状況は改善させるような心遣いが必要だと思います。薬を飲んだからといって、即転倒する訳ではないでしょう。寝不足で日中ウトウトしているのも危険ですよね。

 この日本を憂うご発言がありますが、日本は素晴らしい国です。但し、豊かに育った世代に中に「自身の意見が通らないと、納得できない」となってしまう、いわば、わがままが多くなっている現状はあるでしょう。人生いろいろ人それぞれです。いろいろな意見を受け入れる寛容さを大切にしたいと思います。

Posted by 東條英機 at 2013年06月27日 09:29 | 返信

いつもお世話になっております。このような介護士さんがいて残念です。もっと相手の気持ちを察してあげれるようになってほしいです。先生のブログや本、新聞、雑誌等を読めば理解できるようになるのに…。
早く自分の間違いに気がついてほしいです。先生は医学的知識があるだけでなく、人の気持ちに寄り添い、思いやる気持ちが人一倍強いからだと思います。ちよっと褒め過ぎたかな?
先生、毎日忙しいでしょうが、たまにはご自身の身体も労わって下さい‼

Posted by 患者A at 2013年06月27日 09:33 | 返信

「迷惑行為」と言う言葉は、聞いたことないですね。
「周辺症状」とか、BPSDと言う言葉は認知症専門士の受験の勉強会で、聞きました。
結局、受験しませんでしたけど。
教育を受けてないからであって、ワーカーさんの人格の問題ではないと思います。
でも、誰が、そのような陰険な言葉を教えたのでしょうか?
その方が、問題だと、思います。

Posted by 大谷佳子 at 2013年06月28日 03:03 | 返信

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