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サービス付き高齢者向け住宅に警告
2013年07月03日(水)
今日発売の、「CEO]という雑誌の中の「サービス付き高齢者向け住宅は儲かるか」
という特集に、結構キツイことを書いた。
普段講演で言っていることが、そのまま活字になった。
という特集に、結構キツイことを書いた。
普段講演で言っていることが、そのまま活字になった。
国土交通省の施策の軸である「サービス付き高齢者向け住宅」は、
補助金等の制度により雨後の筍のように乱立した。
案の定、設立主体の70%は株式会社であり、
80%の併設施設は通所介護46.5%、訪問介護39.1%、
居宅介護支援事業所27.6%であり、医療系は数%にすぎない。
事実、多くの「サービス付き高齢者住宅」では「医療の貧困」
が明らかになり、何かあれば救急車を呼び、救急医療システムに
負荷をかけているのが現状だ。
箱物を増やせば何とかなるわけではない。
在宅医療・介護の充実こそが最重要課題だ。
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http://www.drnagao.com/pdf/media/otherpaper/CEO201306-07.pdf
言いたいことを書いている。
自分では正論だと信じている。
裏を返せば、そうではないサ高住ばかり。
本当に酷い。
医療法人が経営しているサ高住にも2種類ある。
優良で良心的なサ高住と、
一度落ちたら二度と出てこれない、アリ地獄のようなサ高住。
同一法人内の様々な介護施設や医療施設を
グルグル巡回させられる発端となるサ高住もある。
話は変わるが、先日、看取りを拒否しているグループホームがあった。
看取りの患者さんを無理やり、追い出そうとしている。
患者さん本人や家族も、その施設での看取りを希望されているのに、
施設のケアマネは、「看取りをすると警察が来るので絶対ダメ」の一点張り。
これまで議論を重ねてきた、ケア会議の内容も、施設長や担当者が
入れ替わると全く申し送りもされていない。
小さな施設ならよくある話だが、これが全国展開している有名な会社だったので、
先日から本社の統括責任者に、電話をしていた。
今日やっと、そのケアマネが言っていることが間違いだと分かった、と電話があった。
何を今頃寝言みたいなことを言っているのかとも思ったがそれを言うのも自分の仕事。
その大手全国チェーンの施設では、「施設での看取り」という言葉さえ知らない
施設長とケアマネで運営されている。
ウソのような本当の話。
これって、詐欺じゃないのかな。
このような日常の中にいると本当に、介護保険を食い物にしている
悪徳介護業者が日本を滅ぼすのではないか、とさえ思う時がある。
役人は、医者をいじめるが、
巨悪は、そこにはいない。
本当にメスを入れる相手は、医者ではない。
話が脱線したが、このブログを読んでいただいている皆様、
どうか悪徳サ高住にだけは、ご注意ください。
あと、悪徳有料老人ホーム。
毎日、いろんな人から様々な苦情が寄せられています。
昨日も、「有料老人ホームは特養以下だった」というクレームを聴かされたばかり。
医療は、まだモラルで動いている部分が大半だが、
介護は、ビジネスそのもの。
これは現場で働くスタッフのことではない。
あくまで経営者のマインドの話。
公的介護保険なのに、ちっとも公的になっていない。
介護保険も根治療法が必要だと思うが。
アリ地獄のために、消費税を上げても、すぐに足りなくなる。
今こそ、介護保険制度を根幹から考える時だと思う。
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この記事へのコメント
「サ高住の中には入居者に対して併設の診療所を受診させるように患者を促す例もあるが、日本の医療保険制度では患者は受診する医療機関を自由に選べるフリーアクセス制である。一部のサ高住はこれに抵触しモラルハザードを引き起こしているのだ」・・・この記述内容にはまったく同感なのですが、長尾先生は特養の施設医制度については、どのようにお考えでしょうか。
特養の施設医はほとんどが内科全般を診る医師です。眼科や耳鼻科、歯科など、施設医が診れない分野であれば往診に来てもらうこともできます。しかし、特養の入所者は、その施設医が診療可能な領域の疾病であれば、施設医以外の医師に往診に来てもらうことはできません。受診に行くことはできます。
特養の施設医が診療できる領域であっても、施設医以外の外部医師を主治医とすることは可能なのです。しかし往診には来てもらえません。外部医師の診察・治療を受けるためには入所者自らが受診に行かなければなりません。
入所者が寝たきりの場合、家族が、ストレッチャー付きの介護タクシーを手配して受診に付き添うことになります。万一のことを考えると一人では不安なのでヘルパーさんもお願いすることになります。すると、一往復でどんなに安く見積もっても4万円、病院での待ち時間などを考えるともっと出費することになります。まあ、月に一度程度なら、他を切り詰めてなんとかひねり出すことができるかもしれません。
しかし、例えば急に、風邪かもしれないが他の重病かもしれない発熱があった場合など、そういう時だけ施設医に診てもらうわけにはいかないのです。診てもらっている外部医師が居る医療機関へ運ぶか、救急搬送するかのどちらかになります。だって、往診には来てもらえないのですから。
施設医の診療可能な分野はすべて施設医、あるいはまったく施設医には診てもらわずすべて外部の医師に受診しに行く、そのどちらかしか選べません。
外部医師を選ぶ場合は施設での看取りはできません。だって、看取り状態の人間をストレッチャーに載せてたびたび外部医師の元へ受診させるなんて、虐待です。繰り返しますが施設医の診療可能な分野では、外部医師の往診は不可なのです。
看取りだけ施設医様にお願いする・・・ことが不安無く普通にできるような社会が当たり前と思うのですが。そういう施設医様もこの世にいらっしゃるのかもしれませんが。なにせ特養も選べない、入れてもらっただけ有難いと思え、という世の中です。どうやってそんな「平たい普通の人間としての意識を持った医師」を探せば良いのでしょうか。なおさらそういう医師が施設医をやっている特養に入れるにはどうすればよいか・・・答が出る前に私まで寿命が尽きます。
特養の施設医の仕事はたいへんな内容なのに報酬が安いので、施設医は入所者一人一人を、自分の診療所の患者のようには診ません。投薬内容や検査内容のインフォームドコンセントも成されませんので、私は看護師様方に、検査はもちろん投薬内容の変更があれば必ず知らせてくれるようにしつこく何度も頼んでいます。何度もしつこく聞いています。嫌な顔をされるのを承知の上で。
この、特養の施設医制度にはずっと頭を悩ませています。入所させてから、特養の施設医制度が如何に困ったものかを知りました。同じ施設医でも、きちんと説明して事前承諾を得る医師もいるそうですが、私の母が居る特養の医師はものすごくプライドが高く少し質問しただけで怒り出すような方です。
お医者様って、何でそんなにお偉いのでしょうか。いつもいつも疑問に思います。
ウチの母は、家族介護者が3人居れば在宅で看れるかもしれない、と言われたことがあります。介護者は私しかいないのですが、しかし、たとえ在宅にしても、在宅医が○○○○○○服用を認めてくれなければウチの母は死にます。経管栄養にしない限り。
とにもかくにも今の特養は○○○○○○をきちんと服用させてくれて介護師の方々はウチの母を少なくとも嫌ってはいない。施設医と看護師に対しては不安と不信しかないけれども。
ズ~っと迷い続け逡巡し続けています。
母を近所にできた住宅型老人ホームへ移そうかと思って尋ねましたが、やはり「施設医には絶対服従」・・・という印象を受けました。
他の、安い有料老人ホームへも問い合わせました。
どの施設も、施設医の機嫌を損ねることを異様に恐れています。施設医にヘソを曲げられてしまうと施設の存続にかかわる、と考えているようです。
日本の本当の支配者は、医者なのではないか、と思う今日このごろです。
日本は、もうすでに医療専制国家になっているように思います。
Posted by komachi at 2013年07月03日 03:26 | 返信
介護は在宅でと考えていますが、体力があまり無い妻にばかりは負担がかけられないため、どうしても施設にお願いすることになるのではと考えています。
ところで、下町の自宅周辺には最近、ケアマネの看板が上がったところが雨後の筍のようにできており、一部「サ高住」なども増えています。
気になりますのは、なんで真新しい建物ばかりが建設されるのでしょうか?
建築基準法などで多くの規制があって、それをクリアするために建物設備ばかりが
目立っているように感じます。
一方で市内中心部の小学校は空き教室が目立っていて、改装して使えないのか?
介護というサービスを行う場所がきれいに装う建物ばかりに金をかけたら、減価償却ばかりに費用が掛かり、サービスは二の次になってしまうように推測しています。
国家の介護福祉関連予算が建築工事会社のターゲットなら、何のための福祉予算か? ゼネコン救済なら大きく間違った方向に向かっているのではないか?
素朴な疑問を持っております。
先生は現実に起きていることをどのようにお考えでしょうか?
Posted by 匿名 at 2013年07月03日 09:58 | 返信
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