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朝から深夜まで、病院・施設の相談ばかり

2013年07月06日(土)

毎日毎日、メールや手紙や電話で、朝から晩まで、病院・施設の相談ばかり。
下手をすると診察時間より患者さんや家族の相談に応じている時間の方が長い。
深夜まで寝不足のなか、この国の医療はいったいどこに行くのかと思ってしまう。
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相談内容は、概ね2つにわかれる。

1 家に帰りたいが、帰らしてもらえない。
2 病院や施設を訴えようと思っている。

1 について

衰弱した高齢者でも、いったん病院に入ると、
こねくり廻して、いろんな点滴や機械がつけられる。
そして、「機械がついているので家に帰るのは無理」となっている。
あるいは、「家に帰るには、状態が悪すぎる」と、次の病院送りとなる。
本人と家族は、強く帰宅を希望しているのに、事実上無視される。

これって、北朝鮮の拉致とまったく同じだ。
しかし病院医療者は、それが最高の医療だと信じて疑わないから、もう漫画そのもの。
犯罪なのに善行と錯覚しているのが、現在の多くの病院における終末期医療。

がん拠点病院が、がん終末期医療のがん。

難病拠点病院が、難病患者在宅療養の難病。

私の本を読んで欲しい。

しかし絶対に読まない。
最近も、「あなたの病院・施設で平穏死できますか?」という演題が
ある病院首脳陣の怒りにふれて、その病院での講演が中止になったらしい。


2 について

逆に、病院や施設に落ち度がないと思われるのに訴えようという相談。
モンスターないし、モンスター化予備軍のような家族からの相談。
自分のことはさておき、悪いことはすべて他人のせいにしようという人たち。

精神医学上、「転嫁」という。
簡単に言えば、なんでもかんでも「ひとのせい」にする困ったひとたち。

自覚症状が全く無い。
あるのは、ひたすら自己の肥大化のみ。

転嫁ばかりで、自分の愚行には全く気が付かない患者・家族が急増している。
こんな人まで?と思うような人たちが、簡単にモンスター化するのを沢山みてきた。

病院や施設は、おのずと、防衛体制を強化する。
それは、仕方が無い処置なのだが。

モンスターは、その防衛体制がまた気に食わないと、さらに攻撃を強める。
尖閣列島の報道を見るたびに、このモンスターを思い出す。

「自分は常に正しい。他人は常に間違っている」という極端な自己愛も、
人間が持っている防衛本能の一種かもしれない。
そう考える限り、自己愛は満たされて、楽であり、気持ちがいい。

しかし、病院や施設という社会資源は破壊されていく。

エゴで、個人や社会が壊滅してもモンスターは平気なのだ。
むしろ爽快なのだ。
正義が悪を攻撃して何が悪い、と信じて疑わない。

これを、狂気という。

そんなモンスターたちにとって、医療や介護は絶好のターゲットになりやすい。
医療者や介護者は、無抵抗だから。

間違っても、ヤクザにたてつくモンスターはいない。
無抵抗のものに、当たり散らすことでストレス発散する。

駅員さん、電気料金徴収窓口、市役所や学校の苦情処理係がそう。

彼らは専守防衛だから、当然、防衛力強化(デフェンスメデイシン)となる。


1と2は、当然関係が深い。

現在、1と2があいからまって、負のスパイラルに落ちつつある。

誰も関係修復ができない。
国連のような存在はいない。

常に緊張状態にある。

医療や介護は、本来、そのようなものではなかった。
困っているひとを、助けられるひとが手を差しのべる。
ただそれだけのものだった。

しかし何千年の時代が経ち、手を差し伸べられる人が、
人権や権利という武器を手に入れ、振り回し始めた。
それも、無茶苦茶に。

ならば、助ける側も、常に武装しておかねば助けることができない。
そんな世の中になってきた。
そこに混合診療やTPPが入ってくるというのだから、もはや誰も統制できない。

冒頭に書いた、「帰れるのに帰さない」現状は、
医学教育の改革でかならす是正できる。
そのために、ゴルフを我慢して走り回っている。

自分の発信は、市民に向けてであるが、
実は密かに医療者の届くことを祈っている。


しかしモンスター問題は、そんなに簡単ではない。

解決のカギのひとつは、メデイアによる啓発である。
しかし肝腎のメデイアが劣化し、一部は、モンスター化している。

モンスター化した記者やデレクターが日々、国益を損じている。
彼らも、極端な自己愛に基づいて行動している。

取材と称して、他人を不利益はなんとも思わない。
愛を謳いながら、平気で足元の愛を踏みつぶしていくのが現在のメデイア。


日々、見知らぬ人からのいろんな相談を聴きながら、
日本国の病理が、ハッキリ見えてくる。

自己肥大化した人、自己愛だけで生きている人、
ごく一部の困った人が、エゴではなくエヴァで生きている多くの人の力を奪っている。

こう考えてくると、やはり、まともなメデイアに期待するしかない。

あとは再教育だろうが、歳をとれば頑固になり、もう治らない。


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この記事へのコメント

私は、又しても、馬鹿な事をしてしまって、ネットのプロバイダー関係の何かに、パスワードを、間違って記入したので、半年間、誰からもメールが届きませんでした。
それで、私の友達に「平穏死、十の条件」を、送っても、長尾先生の講演会を紹介しても、何の返事もくれないと思いこんでいたのです。5月にやっと気がついて、プロバイダーに修正してもらっても、友達から返事が6件も来ているのに、読んでいない事に、お互いのメールで分かりました。友達のメールを転載します。
2012年11月:平穏に死ぬ、ということはいわゆる安楽死とは別概念だろうな。本人が平穏と思うか、まわりが平穏に死んでいったように見える、、と言う事か定義は何だろうな。読めば分かる、、ということか。忠実には読まない恐れがあるが構わないのかね。
2012年11月:ちょっと忙しくしていて連絡が遅れているけれど(ハンコを要求されることもなくポストに入っていた)長尾医師の話は読み始めていて、自分の思っていることや知りたいことが書いてあるように思っている。校正漏れもあるのか分かりにくいところもあるけれど、先生の考えには賛成しつつ読んでいるところです。
2012年11月:『平穏死』読みました。君がなぜ困った人だと言うのかわからない感じ。
信念を持っていい仕事をしている人だと思う。救急車を呼ぶことは延命治療処置をすることに直結というのが必ずしも、、、?と思えるが。
また病院での死がすべて植物人間的な終わり方でもあるまい、という気もするが実際にはわからないね。
家族と一緒に穏やかな死を迎えるのは望ましいことだと思う。
家族が無い人は気の毒だがホスピスなどに頼る事になるのだろう。
選挙が近いね。呆け人間には、乱立政党の状況がとんと飲み込めない。
2013年1月1日:年頭のご挨拶ありがとう。今年も元気で。
長尾先生は変わっているかもしれないけれど、情熱を持った立派な人だと思う。
あんな人が「普通だ」と思われるような社会であるといい。
2013年3月6日:教えてもらった長尾先生の講演に行ったよ。
あの本を読んでいたので話はウンウンとわかる感じだった。アンケートを書きあげてから最後のあたりで、会場を出たとき戻ってこられる先生と目があったのでお辞儀だけした。
君の事を話そうかなという気も無いではなかったけれど。
安らかに家族の中で死んでいくのは大きなトレンドになっていいと思うから長尾先生には元気でご活躍いただきたい。○○で在宅医療の取り組む医院がなかなか見つからないのが残念。
2013年4月10日:風邪の薬一週間分飲みきって治りきらないので、追加をもらいに行きました。
ブログ拝読。
見知らぬ人と和やかに、話ができてよかったですね。
長尾医師の本や講演で「いろう」の事を知っても、するか、しないか又既にしていてからやめるか、続けるか、、、よくわからない。
それは食べられなくなった人への栄養補給にすぎないのか、ただ昏睡が続くだけの人のいわゆる「延命」にすぎないのか、、、(一億円のお姉さんの場合?)
平穏死には賛成なんだけど、、、、、、

Posted by 大谷佳子 at 2013年07月07日 02:22 | 返信

「医療者や介護者は、無抵抗」でしょうか?
患者や施設入所者やその家族は、医療者や介護者の機嫌を損ねることを恐れています。だって、彼らは証拠が残らないように、「やろうと思えば」何だってできますもの。

まだ終末期ではないが経管栄養を拒否している老人に対して、ソフト食やムース食やアイスクリームや果物などを上手に食べさせれば食べれるにも関わらず、本人も食べたいにもかかわらず、誤嚥するからといって食べさせず飲ませず、餓えと乾きの中で死なせることだって、「正当に」できるのです。

ウチの母も、施設医からは「食べさせるとむせるから、むせると夜に看護師が呼び出されて(看護師が)かわいそうだから、あまり食べさせないように」言われました。施設医にとっては、食べれるのに食べさせてもらえない認知症入所者よりも、夜にオンコールで呼び出される看護師の方がかわいそうなのです。

でも介護師の方達は食べさせてくれています。コウノメソッド推奨のサプリメント○○○○○○も飲ませてくれています。だから、生きています。おいしい、まずい、もわかります。
今の施設の介護師の方々の良心を信頼できるから、母を委ねています。自宅へ連れてきても私一人では世話できないので、在宅医や訪問看護・介護の方々にお願いすることになるわけです。するとまたイチから関係を作って、相手の人間の性根を見極めなければならない。

ウチの母は、今の施設で最期を迎えると、施設医に意地悪をされて苦しんで死ぬかもしれません。介護師の方々も施設医には逆らえないから。
どうすればよいのか、ず~っと心の半分位が重たいです。いつもいつも重りがぶら下がっている。

でも訴訟を起こしたりしませんよ。訴訟って、お金と時間を食うのです。それに、ウチの母は、争うのが大嫌いな人です。だからいつもいつも自分が後ろへ引いて我慢してしまうのです。---これも、レビーにありがちな性格とのことです。

「医療者や介護者は、無抵抗」ではありません。彼らは証拠が残らないように、「やろうと思えば」何だってできる「コワイ存在」です。
患者や施設入所者がモンスターなのではなく、倫理を持たない医者や医療者が、人間の心を失った「化け物」なのです。

Posted by komachi at 2013年07月07日 03:45 | 返信

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