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ラッパーの会

2013年07月20日(土)

昨夜は、ラッパーの会に参加した。
ラップダンスではない、床づれの治療に使うラップ療法を通じた文化交流会だ。
ラップ療法の創始者である、鳥谷部俊一先生と久々に一杯やった。
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 今日まで日本じょく創学会が神戸で開催されている。
じょく創治療のエキスパートが、ここに集結している。

ラッパーの会では、途中から鳥谷部先生の課外授業が始まった。
ネパールの病院にラップ療法を広めている鳥谷部先生の姿があった。

ラップ療法は、湿潤療法。
サランラップのラップをとって、鳥谷部先生が命名された。

ここでクイズ。

火傷や床ずれで傷が生じた場合、その傷を
乾かしたほうが早く治るか、湿らせたほうが早く治るか?

みなさんは、どちらだと思いますか?

1 乾かす
2 湿らす

正解は、2です。

しかしヒポクラテスは、1でした。
つい最近まで、傷は乾かして、太陽に干して治すほうが早いと誤って思われていました。

実は、紀元前のギリシャの医聖、ヒポクラテスも傷については間違っていました。
西洋医学は、最近まで1の立場でした。

一方、日本ではどうでしょうか?
700年代、古事記の中に、傷を負ったウサギの話が登場します。

その中で、傷は温泉につけて洗って、布で覆って治していたのです。
すなわち、ラップ療法は決して新しい治療法でもなく、平安時代から存在したのです。

明治維新まで日本の医学は、東洋医学でした。
しかし文明開化とともに、西洋医学を日本の医学にしようと180度転換しました。

1000数百年、傷は湿らせてきた文化が、文明開化とともに、乾かすに変わった。
そして現在もその流れを受け継いでいます。


一方、「消毒」という概念も、第二次世界大戦の戦争のなかで生まれました。
兵士の傷に、消毒薬を塗りこむ風習ができました。

冷静に考えれば、傷は自然治癒力で治ります。
消毒は、細菌とともに、皮膚を再生させようとする皮膚の線維芽細胞まで殺してしまう。

最近は殺さなくても、水で洗い流すだけで充分。
だから、消毒したら、傷の治りは遅れることが最近やっと分かった。

現在、傷の手当てに消毒は死語です。
それでもまだ、消毒をしている医療機関があります。

鳥谷部先生の業績は大きい。

1 傷は湿潤環境においておいたほうが治りが早い。
2 消毒は間違い、水で洗うだけでいい。

この2つを啓発、実践され、広く受け入れられた

ただ彼が新しいのではない。
1000年以上の歴史を持つ日本の伝統医療を、西洋医学に打ち勝ち、広めただけ。

すべては、古事記の中に書かれている。
鳥谷部先生は、それを直感で実践した人なのだ。

しかしそれって、不都合な真実。

何万円もの高い軟膏を塗らないと治らないとされたじょく創が、
水とサランラップだけで、ただで治ってしまったら困る人たちが一杯いる。

医者と製薬企業の癒着が取り沙汰されているが、じょく創治療はまさにこれ。
製薬会社とそれにたかっている大学病院の医者は、じょく創がタダで治ったら困るの。

じょく創学会やじょく創専門ナンタラを謳っている専門職にとって、
じょく創がサランラップで素人が簡単に治してもらっては困るのだ。

すなわち、不都合な真実とは、いつの時代でも
天動説と地動説に対比されるよう。

じょく創学会の懇親会には、ラップ療法派の方は
テーブルを固められて、サランラップが置かれているそうだ。

そこまで迫害されている、ラッパーたちの会に参加したわけ。
ラッパーは、別に過激派ではない。

彼らは現場の内科医や外科医で、あたり前のこととして、ラップ療法の思想を学んでいる。
多くの介護現場、施設の職員は、タダで治る方法としてラップ療法は、重宝されている。

日本の伝統医学は、今でいう漢方医学。
これを馬鹿にしてはいけない。

西洋医学の真反対であるが、西洋医学の欠点をカバーもしている。

日本人は、西洋医学に弱いくせに、伝統医学に厳しい。

いろんなことを考えながら、鳥谷部先生がアジアに出むいていることが嬉しかった。


ここまで書けばもうお気づきの方もいるでしょう。

ラップ療法も平穏死も実に似ている。

日本人は、50年前はみんな自宅で平穏死しかなたった。
この30年間、病院の時代が始まって以来、平穏死できない病院になった。

ラッパーは決して異端児ではない。
保守本流なのだ。

同様に、平穏死も新しくもなんともない、日本の伝統なのだ。

ラップ療法と平穏死は、思想的に相い学べるところが多いと感じた。






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この記事へのコメント

いつもお世話になっておりますm(_ _)m
二年半前に父の床ずれでラップ療法を目の当たりにしました!
残念ながら、父には循環器系の基礎疾患があり傷口から感染症を併発して亡くなりました。
しかし、自己免疫力がある人には、ラップ療法は有効だと確信しています。
ラップ療法が広く知れ渡ることを願っています。

Posted by 患者A at 2013年07月21日 12:06 | 返信

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