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マイナンバー制へ
2013年07月23日(火)
3年以内に、マイナンバー制に移行するようだ。
以下、m3から転載させていただく。
ITが変わる、医師が変わるマイナンバー法、3年を待たずに見直す
- 平井たくや・自民党IT戦略特命委員長に聞く◆Vol.2
参院選後、医療の番号制度の検討開始
2013年7月18日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――生まれた時から死亡するまで、あるいは医療と介護などの分野を問わず、全て共通で使えるマイナンバーを想定している。
例えば、子育て世代では、予防接種の情報を確実に得たいと考える。転勤しても、過去の医療情報をすぐ見ることができればメリットは大きい。高齢になって、複数の医療機関を受診する際にも、マイナンバーがあれば、医療情報の共有化を図ることができる。
それと今回、6月14日に閣議決定した「新たな成長戦略」(日本再興戦略)では、医療やITは重要分野に位置付けられています。医療情報をいかに利用するかが課題であり、iPSの研究やゲノム医療、あるいは予防医療の研究など、さまざまな利活用の可能性があります。写真平井たくや氏は、マイナンバーを医療でも活用し、国民のメリットを最大化できるようにすることが、最大の目標だと言う。
個人情報の利活用の話になると、情報漏洩などの心配が出てきます。100%の安全はなく、メリットを最大化することによって、その問題は解決したいと思っています。海外では、「連結可能匿名化」が基本的な進め方。その代わりに、連結可能な世界から離脱する権利も各個人が持っている。連結不可能な匿名化だと、個人に対して大きなメリットを与えられないでしょう。
――連結不可能匿名化の場合、後から情報を名寄せすることなどができない。
そうです。連結可能匿名化の形でいかに進めるか。今回のマイナンバーのシステムはセクトラル方式なので、税金などと、医療分野のIDは別々に管理される。だからマイナンバーをそのまま医療IDに使うべきだというのが、私の考え
方なのです。
――ネットワークという意味では、マイナンバーは、公的なセクターだけでなく、例えばフィットネスクラブなど、民間での利用も想定されている。
民間の方に広げていくのは、「マイポータル」(情報提供等記録開示システム)でしょう。マイナンバーの基本機能のところは、閉ざされたネットワーク。「マイポータル」は、インターネットにつながるので、個人が希望すれば、ワンストップでさまざま情報が一元的に管理できるようになる。
――個人が使いたいと思えば、民間でも使う。
年齢や住んでいる地域など、個々人のニーズはそれぞれ違うはずです。人生のあらゆるステージで、関心事は違う。子育て世代、高齢者なのか。さまざまなニーズに応じてカスタマイズできるものでなくてはならない。
――先生のイメージとしては、最低限のインフラは公的な機関が作り、あとは個人が使いたいところに自由に使う。
そう。そして医療情報のネットワークから離脱したいと考えれば、離脱する権利を持つことも重要です。
――そのようなネットワーク、インフラを作るには、やはりお金がかかります。
それは誰がどのように負担すべきかとお考えですか。補助金で手当すべきなのか、診療報酬で手当すべきなのか。
これまで政府は、ICT政策に対して無策だった。ICTを軸に、新しい社会・産業に転換していくためには政府が主導してICTに積極投資するが必要。
医療について言えば、診療報酬の見直しなどが当然必要になってくると思います。インフラの整備は基本的には、国がやらなければいけないことだと思うし、それによりトータルなコストの適正化が進めば、新たな出費にはならないでしょう。例えば、予防医療に取り組む。よりパーソナルに薬を使えるような情報が得られれば、薬の副作用を最初から避けられる。これらのことを考えると、トータルな医療費が今のようにどんどん膨らむことにはならず、投資は十分に回収できるでしょう。というか、それ以上の効果があると考え、全体のシステム設計を行い、スタートさせたいと思っています。
――予防などにつながれば、コストは変わらず、全体の質が上がることになる。
その点は大事なこと。医療費を賢く使うということです。
――今後、ICT化の“周回遅れ”を挽回するには、いかに実行力を持って進めていくかが重要になってきます。
3年を待たずに、医療・介護の分野における番号利用の環境整備を急ぎたいと思っています。
――今はマイナンバーの利用は限定されていますが、医療分野で使うには、法改正で可能になる。
マイナンバーの利用対象は、法律の「別紙」に記載してあり、3年以内に見直すことになっています。ただ、地方自治体は条例を変えれば、使用範囲を広げることができる法律になっています。国全体では進めるのはなかなか難しいので、自治体に先行事例を作っていただこうと思っています。
――先駆的自治体でモデル事業を進める。
まず先駆的自治体を募集しなければいけない。参議院議員選挙が終わったら、すぐに個人情報の取り扱いに関する議論の場を作って行きたいと思っています。
――議論の場のイメージは。
有識者による議論の場です。個人番号情報保護委員会の話もあります。また、EU(欧州連合)や米国などでも議論されていますが、個人情報保護法などは今、時代に合わなくなってきています。その改正を視野に入れつつ、その利用範囲を広げていく。先ほど言った連結可能匿名化の話も出てくる。さらに、一番問題なのは、本人確認。これまではなかなか議論に乗りにくかったところですが、生体認証の話なども今後、進めていきたい。
――ユースケースを示すと同時に、セキュリティーの問題なども含め、選挙後に議論を進める。
はい。国民のメリットを最大化できるようにすることが、最大の目標です。先行事例としては、政令指定都市以上で、どこか手を上げてくれるところがあればいい。
それと今夏予定しているのは海外視察。デンマークからスエーデンに広がる、「メディコンバレー」という、ライフサイエンスの産業クラスターがあります。デンマーク人とスエーデン人のEHRを利用できるようにして、企業を集めている。聞くところによると、メディコンバレーは、デンマークとスエーデンの全GDPの2割を占めている。医療データをどのように新しいビジネスにつなげるかを見てくる予定です。
――「3年を待たずに」と言われましたが、医療分野のICT化を進める際の一番のハードルは何だとお考えですか。
各ステークホルダーの理解と、それを進めていこうという意欲をいかにして喚起するかでしょう。
――海外事例の紹介とともに、日本で先駆的な自治体において、成功事例を作ることがカギになる。
成功事例、ベストプラクティスを作り、それをポジティブなベンチマーキングとして進めていければいいと考えています。
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この記事へのコメント
ジョージ.オーウェルのSF小説「1984年」みたい。
ソビエト政府顔負けの、全体主義。
年金と税金の突き合わせは分かりますが、なんで病歴まで、他人に探られなきゃいかんのか?
単なる、厚生労働省の、覗き趣味なんじゃないの?
Posted by 大谷佳子 at 2013年07月24日 01:07 | 返信
宝塚市では、もう、数十年以上前の話ですが、70代の女性患者が「静脈瘤周囲炎」になって、何処の医療機関でも、治りが悪かったので、ある胃腸外科に行ってみたら、「あんたの話は、医師会内で聞いている。前はどこそこの救急病院に、言ったやろう?」と言われて、驚いたと言っていました。
こういうのが、医療情報の共有化って言うのなら、患者としては不愉快な感じを持つでしょう。
あんまり、ドクターショッピングをしてはいけないけど、何処へ行っても治らないと、患者も焦りますから、ついいろいろな医院の門を叩いてしまうのでしょう。
しかし、話が、70歳以上になれば一割負担で良いと割り切ると、お金持ちのお年寄りもいれば、あんまりお金の無いお年寄りもいますから、貰っている年金で、窓口負担と健康保険税の額を変えようと言うのも、道理は有ると思います。
若い人でも、収入のある人と、無い人がいますし、扶養家族のいる人と居ない人では、同じ三割負担でも、応える人と応え無い人といるだろうとは思います。
医療内容や治療内容の公開では無く、健康保険税の収入年金額との対応というのであれば理解できます。
この「治療内容の共有化」と仰っているのは、厚生労働省ではなく、平井たくや.自民党IT戦略匿名委員長でした。
お詫びして、訂正します。
Posted by 大谷佳子 at 2013年07月25日 02:19 | 返信
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