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「がんの花道」、本日発売
2013年07月31日(水)
家族ががんになった時、家族にできることを書いた本だ。「家族の時代」でもある。
帯には、「近藤誠理論とはかなり違う」と書かれている。
「がんの花道」、本日発売
2人に1人ががんになり、
3人に1人ががんで亡くなる時代です。
がんは、もっともありふれた病気です。
しかし家族の誰かががんになったらその時から、
本人はもちろん、ご家族もパニックになります。
それって、がん=治りにくいという印象なのか。
・本人に告知はしないでくれ。
・効がん剤はやらないでくれ。
・治療に失敗したら訴えるぞ。
まだ何もしていないのに、家族はパニック状態に。
医者に怒りを撒き散らす家族も多くいます。
しかしまず家族への説明から始めないといけない。
家族ががんの治療の障害になっていることがあります。
一方家族のおかげでがん療養が上手く行く場合もある。
要はがんの時代ではあるが家族の時代でもあるのです。
・ホスピスという単語を口にしただけで、激怒した長男。
・緩和ケアという言葉を発しただけで、激高した長女。
・「平穏死」本をチラッっと見せただけで激怒した次男。
いろいろな家族がいます。
しかし患者さんが「平穏な生」を全うするためには、
いい意味での家族の力が必要な時代でもあるのです。
今日、「がんの花道―患者の平穏生を支える家族の力―」
という本が世に出ます。がん難民コーデイネータ―の
藤野邦夫さんとの共著です。
花道という言葉には、2つの意味があります。
引退や引き際という意味と、
歌舞伎役者が舞台に登場する時の道という意味。
がんと言われても、堂々と花道を歩いて欲しい。
家族がそれを上手に支えて欲しい。
そうした願いを込めて花道という言葉を使いました、
大切なひとががんと宣告されたら家族はどうすべきか。
本書の中に多くのヒントがあるのではないでしょうか。
これだけは知っておいて欲しいと思う事を書きました。
家族ががん療養の障害になっている場合がとても多い。
「平穏生」を妨げる主因が、家族である場合が多い。
患者の幸せを奪っているのは、常に家族なのです。
本人はいい人だけれど、家族がややこしいので
在宅主治医をお断りしたことが過去にあります。
しかし肝心の家族がそれに気がついていません。
「あなたさえいなければ!」
心の中で何度、この言葉を呟いたことでしょう。
講演でこの言葉をいっただけで医療者はみんな笑います。
それくらい、裸の王様になっている家族が多いのです。
・平穏死という親孝行
・家族が選んだ平穏死
に続く、3冊目の“家族本”です。
家族の時代であると思います。
胃ろうの多くも、家族の希望。
でもそもそも家族っていったいなに?
いろんなことを考えさされる本であると自負します。
本当は自分の患者さんの家族全員に読んで欲しいな。
しかしそう言えないのでここで宣伝させてください。
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この記事へのコメント
親のガンが判明し、休眠治療を選び、トモセラピー放射線治療もおこない、末期でも順調にきました。
抗がん剤で、髪の毛が1本も抜けることなく、白血球も赤血球も保ち、とてもいいコントロールをしてもらい1年が過ぎました。
残念ながら、認知症が、それを越してしまいました。
こんなことなら、ガン治療なんて、しなければよかった、と周りに言われ悲しく思います。
ある程度の年齢なら、ガンと認知症は最高のコンビだと長尾先生のブログを見て私も考えるようになりました。
標準的治療で激しい副作用で逝ったら、ガンを恐ろしいものと思うだけであったでしょう。無治療は倫理的に難しく、親戚から訴えられていたかもしれません。
そう考えれば、悪い状況ではないと思うのですが、今も仕事を辞めず社会に迷惑をかけている痴呆の状態に、周りは疲れてしまいました。
これからは治療を控え、自力で栄養を取れるまで看守る体制でいいのではないかと、訪問看護師にアドバイスされ納得し、ホッとしたような気もします。
在宅医も訪問看護師も私に対し「あなたさえ、いなければ」と思っていたかもしれません。素人が頑張りすぎるとよくない? と考えると悲しいですね。
けれど、若くしてガンを宿してしまった方には、私は知識を身につけて、副作用を避けながら長生きすることを選択肢に入れてもらいたいと願います。
社会生活、仕事をしながら治療することは、本人の生きがいであり、社会にとっても税金が入る、悪いことではないと思うのです。
Posted by よしみ at 2013年08月01日 04:04 | 返信
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