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「かかりつけ医」構想こそが時代が求める総合医

2013年08月09日(金)

医療タイムス8月号には、「かかりつけ医」構想について述べさせていただいた。
昨日の老年医学の秋下教授の話にあったように、高齢者医療に理解のある医師が必要。
いまからでも在宅医療や地位包括ケアを含めて開業医を再教育したら効果があると思う。
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医療タイムス 8月号 「かかりつけ医」構想こそが時代が求める総合医

 

 総合医を巡る議論が続いているようです。総合診療専門医という専門医ができるそうですが、もはや私のような開業医には関係が無いものだと思い眺めています。一方、日本医師会は従来から「かかりつけ医」構想を主張していますが、これこそが超高齢時代という時代が求める総合医であると思います。国民のニーズとピッタリ合致します。

 
 高齢者への多剤投薬が問題となっています。医学の縦割り細分化が、高齢者医療においても当たり前となり、90歳を超えた方にも20種類ものお薬が投薬されるのが病院医療です。病院ではどうやっても解決できない多剤投薬は、かかりつけ医に一元化することで簡単に解決できます。

一昔前、逆紹介率という指標がありました。病院は、紹介率と逆紹介率という2重の縛りがあった時代は、逆紹介率が100%を超える病院もあり、かかりつけ医制度が一気にすすみかけました。しかしいつの間にやら、逆紹介率というシバリは廃止され、大病院が町医者と変わらない外来をするという逆戻りしました。それも複数科でするので、どうしても多剤投薬になってしまうのです。厚労省は惜しいことをしたと思います。

 
 平均寿命を超えた高齢者に、若い人と同じように医学ガイドラインを適応するのは誰がどう考えても間違いです。薬物代謝や腎機能が低下した高齢者に、若い人と同じ量のお薬を出すのも間違いです。1日2食の高齢者に、分3のお薬を出すのもナンセンスです。これらは、その方の生活をも知っている「かかりつけ医」に一元化したほうが、患者さんにとって有難いことだと思います。

 
 日本医師会の主張は、自己利益のためと誤解されることがありますが、「かかりつけ医構想」に関しては、そうした指摘は的外れです。これは真に患者さんのためになると確信しています。そのための日医が推進してきた生涯教育制度は素晴らしいもので、かかりつけ医のレベルアップには必須です。ただ最近、コードナンバーが細分化され申請作業が煩雑になったのが少し残念です。マイナンバー制ではありませんが、生涯教育カードを徹底して全会員がカードで記録を残すシステムを強化すればどうでしょうか。それくらいの自助努力を行ってこそ「かかりつけ医構想」の価値が高まると思います。

 
 また日医の生涯教育カリキュラムの中に、ドクターGのようなプライマリケアの講習会をもっと増やすことで、病院の総合診療医が有する能力も学ぶことができると考えます。すなわち、日医の「かかりつけ医構想」は、総合診療医をも包含できるはず。2本立てではなく、あくまで総合医も日医の構想で一元化を目指すべきです。日医の「かかりつけ医構想」は、ドクターGのような世界も充分取り込んで欲しい。さらに言えば、医学史、哲学、死生学、終末期医療をも積極的にカリキュラムに取り入れるべきだと考えます。

 
 私ごとで恐縮ですが7月24日に「家族が選んだ平穏死」(祥伝社)が、7月31日に「がんの花道―患者の“平穏生”を支える家族の力-」(小学館)という書籍が世に出ました。もちろん「かかりつけ医」を意識して書いた本ですが、ご興味のある方は是非ご一読ください。

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この記事へのコメント

ドクターGも、見なきゃいけないと思いながら、ついついニュースステーションをみてしまいます。
ただの鍼灸師に過ぎない私が、こんなことを言うのはおかしいですが、ドクターGの中に出てくる、お笑いレントはどういう役割なのかなあと思います。
法律問題のバラエティ番組の「お笑い笑百科」は、お笑いタレントが文字通リ、もめ事を面白おかしく、演じて見せて、楽しいです。
ドクターGの場合はお笑いタレントは面白くも何ともなくて、眼を三角にして、お医者さん気取りで、診断をして、気分が悪いです。
あれは「医師免許持ってる人より、お笑タレントの方が、医療について良く知ってるぞ」
と、言いたい番組なのかなあと思います。
医師免許を取っても、臨床研修の実績年数が少ないと、どうしても持ち駒の数も少ないので、診断が、難しいと思います。
かわいこちゃんタレントが何故か、正しい診断をペロッと喋ったり(カンニングしたのではないでしょうけど)素人受けはいいでしょうけど。
誰に見てもらいたい番組なのかなと思います。
それと、もし本当に、マイナンバー制になると、産婦人科にかかった事も、皆に知れ渡るのは嫌ですね。
「患者を診たら、妊娠を疑え」と言われるそうですけど。
そうなると、産婦人科にかかるには、現金払いにしなければ、プライバシーが無くなるのではないでしょうか。
そうなると「お金持ちはプライバシーがあるけど、貧乏人は無いと言う医療」になるのでしょうか?
とりとめもない事ばかり申し上げて済みません。

Posted by 大谷佳子 at 2013年08月09日 12:42 | 返信

かかりつけの医者は彼の患者のための良い友人をすることができます唯一の医者ではありません。これらの医師は私が知っている本当に便利です。ありがとう。

Posted by HIV家庭用検査 at 2013年09月04日 03:39 | 返信

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