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平穏死できる病院

2013年08月09日(金)

日本慢性期協会の会報に私のインタビュー記事を掲載していただいた。
タイトルは、「在宅医と病院との文化交流が必要」
サブタイトルは、「互いに切磋琢磨しながら価値観を共有」だ。
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ここの、「在宅と病院との文化交流が・・・」の
PDFを開いて頂くと,、その記事が読めます。


インタビュアーは、永生病院の安藤たかお先生

読んでみると結構、過激なことを言っている。

しかし本音。

医者に向けた言葉が並んでいる。


そういえば、私の講演を聴いていただいた医師からいろんなメールをいただく。
以下はその一部だが転載させていただく。
実はこのメールを頂いてから言うことがすこしずつ変わってきた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨日、講演を拝聴させていただきました。貴重なお話ありがとうございました。

私はこれからの多死社会(とくに当院の医療圏にあたる近隣の○市は○○万人以上の都市の中でもっとも高齢化率が高く、日本の平均の20年先を進んでいます)に対して在宅至上主義の偏重の中でとても在宅の受け皿が間に合わないこと(ある統計では2030年には年間47万人の看取りの場がないと報告)憂い、医療療養病床74床の病院で06年から重症・終末期の患者さんを○○地区で一手に・唯一引き受けております。もう1000例の看取りをしました。看取り人をしております。その中で私は病院でも平穏死はできると思っております。

また、看取りの環境においても可能な限り外泊をさせて在宅と病院のハイブリッドな療養環境も与えております。こういう中で先生は他の先生に比べて著書や講演の中で病院死でも平穏死が出来る場合があると「少し」お話しされている唯一の在宅医の先生と思っております。出来れば、もう少しそのあたりを強調していただければと思います。

慢性期病院での平穏死は急性期の死+在宅死よりもっと逆風です。一般住民、急性期も他の慢性期も在宅医にも批評されることがあります。

ですが、これからの多死社会を考えると慢性期病院の役割が非常に重要になると考えられます。しかし、あまりに在宅偏重になると、家族含めて急性期も慢性期も混同して病院での死は「悪」という判断をさせると本当に看取りの場はなくなってしまいます。ぜひ、「選択肢のひとつ」として在宅・施設・そして、慢性期病院があることを考慮していただければと。(ホスピスは対象の疾患、病床数や全て告知されていることなどの垣根の高さから期待は出来ない。)私も一緒に医療界の常識に戦っていますが、先生の講演を聞いて心強く思いました。


これからもご健勝でご活躍されることお祈り申し上げます。

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この記事へのコメント

長尾先生
お変わりなく、精力的な活動を続けておられるご様子に改めて敬服致します。

療養型病院と介護施設を運営する医師、経営者として、メールを寄せられた先生のご意見に大きく頷きました。
限られた資源(ヒト、モノ、カネ)の中で、人生の最終コースを納得いく形でどう過ごすのか、過ごせるのか?
百人百様の価値観がある中で、利用者側も提供者側も共に悩み、もがき続ける現実が加速していきます。
利用者からも医療者からも、あまりにも過小評価されている慢性期医療、慢性期病院の存在を見直していただくために、自分なりに、できるところから頑張っていきます。

「終わり良ければすべて良し」
の場所はそこらじゅう、いろんな形があっていいと思います。

Posted by 新宮良介 at 2013年08月12日 04:36 | 返信

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