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有名先生のセカンドオピニオン外来

2013年08月16日(金)

お盆なので、がん治療のセカンドオピニオンを求める方が遠方から連日、来られる。
東京の大学病院の有名な先生を受診してから尼崎まで来られるので御苦労さんだ。
でも、どうしてわざわざ尼崎まで来られるのかな。
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その有名な先生を受診された方は、全員、現在進行形の治療の中止を指示されてた。
しかしその判断が信じられないので、また私のような町医者のところまで相談に来られる。

有名先生は、一発で患者さんの人生を変えている。
カリスマ性があるのだ。

書籍が売れていることが正しこととは限らない。
票が多い政治家がエライとは限らなのと同じ。

患者さんの言葉を聴いていて、いくつか思うことがある。

有名先生は、手術も、抗がん剤も、放射線治療も、見事に全否定している。
理由は、「無意味だから」だけ。

理由を紙に書かれるので、みなさんそれを持ってこられる。
内容は私には支離滅裂としか言えない。

それに宛名の無い紹介状を書いている。
普通は、宛名のない紹介状は紹介状とは呼ばないのだが。

まだ元気なのに「ホスピスに行け」みたいなことを言われて泣いている。
ちなみに在宅ホスピスという存在は、全く知らないようだ。

楽でいい。
何も考えなくていい。

有名先生は、自分でもがん研究所を開設なさっている。
大学病院の名前で売って、自分の研究所で自費診療。

1分1000円で、
2コースあるらしい。

30分コースは、3万円で
40分コースは、4万円。

まさにタイムイズマネー。
印税で稼いだうえで、読者から自費診療でまた稼ぐ。

すごーい。

ちなみに私は1時間話しても、保険診療の初診料だけなので、
自己負担は900円と、その有名先生の何十分の1と、安い!!

尼崎価格で相談には乗っているが、
結論は自分たちに出して頂いている。


私が疑問なのは、その有名先生が

1)医療を全否定しながら、自分は医者を辞めないこと
2)仲間が標準治療をしている自分の大学病院を辞めないこと
3)研究していないのに、がん研究所を名乗っていること。
  (全否定しかないものの何を研究するのだろうか?)

一般の方は、ありがたがって群がる。
そしてそのあと、悩み、後悔している。

少なくとも迷っていなければ、その後に絶対に私のところに来ないはずだ。
この1点だけにおいても、新興宗教以下であることが容易に伺える。

いろいろ話を聴いていて、哀しい気持ちになる。
虚しい、と言ったほうが正しいのか。

私がいつもがん拠点病院のことを書いているのは、あくまで「がんの終末期」の話であって、
元気ながん患者さんのがんの治療に関しては、評価できる点が多い。


いつも心のなかで呟くのは、

・なぜ、そんなところにわざわざ行ったのか?
 (お化け屋敷とは違ううのだが)
・本が売れている人が正しいとは限らない。
 ということ。

おそらくこのように思っている医師は私だけではないだろう。
知れば知るほど、その有名先生はどうかしていると真剣に思う。

同じ医師として、目を覚まして欲しいと心から願う。
患者さんをあのように扱っては、あまりに可哀そう。

私はその有名先生とは全く違う。
似ているのかな?と思った時期も過去にあったけど、今は全く違う。

その医師のようなことは生まれ変わってもできないし、そんな才能(?)も無い。

自分の知識・技能を磨き、患者さんと前を向きながら寄り添うことしかできない。
 

PS)
日々のそんな疑問を書き綴った本が来週、出版される。
診察をしながら、「そう思った自分は間違っていない」と確信した。

誰も言わないので自分が言っておこう。
多くの批難、攻撃を受けるだろうが、いま医師として言うべきことはちゃんと言っておきたい。

「医療否定本に殺されないための48の真実」(扶桑社)
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%90%A6%E5%AE%9A%E6%9C%AC%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE48%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4594068685/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1375199715&sr=1-3

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この記事へのコメント

「医療否定本に殺されないための48の真実」(扶桑社)
↑100%正しい。

Posted by ロモラオ at 2013年08月17日 04:11 | 返信

私も、検査をしたら、何かの癌が、あるかも知れないのですけど、この問題は良く分かりません。
長尾先生の話を聞くと、長尾先生が正しいみたいだし、近藤先生の本を読むと、近藤先生の言う事も一理あるのかなあと、思ってしまいます。
現在、癌治療を受けていらっしゃる方は、ホントにお困りでしょうね。
でも、その割に、近藤先生を裁判で訴えている人も、今のところ、いらっしゃらないと言う事は、まだ真相は、出てきてないと言う事なのでしょうか。
別冊宝島2000  「がん治療」のウソ    2013年5月22日発行
PRESIDENT「がん」解明9つの真実  2013年6月17日号
を、購入はしてあるのですが、忙しくて読む暇もありません。
「がん楽会」じゃなかった、癌学会の統一見解はないのですか?

Posted by 大谷佳子 at 2013年08月18日 01:12 | 返信

がんの手術・治療を受けたくない人が、駆け込んで、手術・治療しても無駄ですと言われ
ある意味患者さんは自分の思うようにできるので裁判にはなりにくいでしょう。

実際の医療では、近年がんが治る人が増えています。ただ、手術・治療が苦しめただけかなの
ような患者さんも確かにいます。だだし近藤先生は極論過ぎます。

近くに、しっかり相談できる先生を持つことが重要でしょう。

Posted by 匿名 at 2013年08月20日 10:05 | 返信

長尾先生の本は、これから、急いで、読みます。
近藤先生は、全ての癌を治療するなとは決して言いません。治療すべきものは、それに適した治療をするよう指導してくれるはずです。ケースバイケースです。実際、近藤先生に興味をお持ちで、お悩みの方は、近藤先生も訪ねてみるといいと思います。
癌無治療の方のブログ『癌と闘わずに・・・』というのも、参考にしてください。私のブログではありません。近藤先生とも関係ないです。
近藤先生の「がんもどき」が仮説なら、「癌は早期発見」も仮説なのに、「早期発見」は、あまりにも根付いていて、惑わされます。
知人は、胃がんがとりきれなかったのに、10年以上生きて、海外旅行もして、お元気に暮らしています。今、80歳以上です。
手術や抗がん剤の副作用で、体に不自由がでても患者が訴えないのは、「癌、すなわち死ぬとこだった」という負い目があるからではないでしょうか。
手術して、感染症になって、亡くなった方のご遺族が裁判にしないのは、癌だから仕方ないと思うか、医者、病院にはかなわないからではないですか。

Posted by きらきら星 at 2013年09月07日 01:12 | 返信

もう一度、すみません。常識に凝り固まって、近藤先生の本を読んでも意味がわからない人が、セカンドオピニオンを受けても、残念ですが、無駄なように思います。
 長尾先生は、抗がん剤はほどほどにやめて(治った人がいたのでしょうか?)、平穏死。そして、「医療の不確実性1%」を認める。
近藤先生は、必要な治療があれば、その治療だけをして、抗がん剤で身体を弱らせることなく、元気で寿命まで生きてください、と言っているのです。また、血液の癌など効果のある癌には、抗がん剤も勧めていらっしゃいます。
そして、「医療の不確実性に命を奪われることなく、皆が寿命まで生きられるように」考えてくださった結果を話してくださっていると思います。
 近藤先生のセカンドオピニオンの費用は、がんセンターなどと同じだそうです。別に、高くありません。有名病院とレベルを同じにしただけではないですか。大学病院では、ずっと、普通の診療費(多分、900円)で、セカンドオピニオンも話してくださっていたそうです。
がん研究をしていないというのは、失礼だと思います。私は、有名な癌専門病院こそ、患者をどんどん標準治療に送り込むだけで、研究しているのかと、不思議に思っています。
近藤先生は、悪いけど健康診断の会社、製薬会社の経営のことなどは考えずに、患者のことだけを考えてくださっていると思います。
 でも、効果のない薬を効果ありとうたっていた事件は氷山の一角ではないですか。
 長尾先生はいい方でいいドクターだと思いますが、本当に、近藤先生の本をお読みになりましたか。あの白い本は素人向けなので、ダメですよ。また、近藤先生と対談もせずに、否定本を書き、そのままはないと思います。否定本を出版された今こそ、近藤先生と対談をして、まっすぐに、疑問をぶつけてください。その対談の中身を私も知りたいです。そして、納得する結論を得たいです。
 既存の価値観が揺らいでいる今こそ、理想に近い価値観で生きてみたいと思いませんか。もう日本は、病気で寝たきりになり、安心して死ねる国ではないかもしれません。
長尾先生は、CSルイス「ナルニア国物語」に登場する黒い王子(だったか?間違った神だけど、その神を本当に信じていたので、天国にいけました)みたいに思えます。
大好きな長尾先生に、こんなことは言いたくなかったですが、お許しください。私も、もう、医療の犠牲になる人を見たくないのです。

Posted by きらきら星 at 2013年09月07日 02:04 | 返信

私は癌患者です。長尾先生がおっしゃっているように、大きな大學病院で抗ガン剤TS1の治療をうけていますが、2月まででそのあと何もしないで、再発したら別の抗ガン剤をすると言われました。びっくりしています。腫瘍マーカーは段々あがってきています。先生は、腫瘍マーカーがあがっても、再発するとは限らないと言っておられますが、他の数値も段々と上がってきています。例えばCEA ALP C反応性タンパクなどです。どうしてこのようなことを言われるのだろうと思っていましたが、今このホームページをみていると。私だけではない他の多くの患者さんもこのようなことを大學病院の先生から言われていることを知りました。家の者は私の聞き間違いだろうと言っていますが、これは癌患者を切り捨てる言葉ではないかとびくびくしています。 

Posted by 花畑 葵 at 2016年01月11日 01:24 | 返信

私は癌患者です。大きな大學病院で抗ガン剤TS1の治療をうけていますが、2月まででそのあと何もしないで、再発したら別の抗ガン剤をすると言われました。びっくりしています。腫瘍マーカーは段々あがってきています。先生は、腫瘍マーカーがあがっても、再発するとは限らないと言っておられますが、他の数値も段々と上がってきています。例えばCEA ALP C反応性タンパクなどです。どうしてこのようなことを言われるのだろうと思っていましたが、今このホームページをみていると。私だけではない他の多くの患者さんもこのようなことを大學病院の先生から言われていることを知りました。家の者は私の聞き間違いだろうと言っていますが、これは癌患者を切り捨てる言葉ではないかとびくびくしています。言うとうりにしていたら浮かばれないことになりそうです。 

Posted by 花畑 葵 at 2016年01月11日 01:29 | 返信

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