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今朝の朝日新聞一面
2013年08月25日(日)
在宅患者さんを紹介された見返りに診療報酬の2割をキックバックするという話。
在宅医療推進の裏側で、法律の狭間をぬった新たなビジネスが続々と生まれているようだ。
「在宅医療がおとしめられるのは悲しい」。
この記事は、2月20日の参議院予算委員会の質疑を受けたものだろう。
半年ぶりに大新聞が扱った。
ちなみに今日の日経新聞の一面には、都市の中央部に高齢者施設を集めると言う記事だ。
朝日と日経新聞の記事を、一体として読んでみんなで考えたい。
2月20日の国会質疑は、以下から見られます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
左のカレンダーの2月20日をクリックしてから
右から2番目の発言者のマークをクリック。
そして梅村聡をクリックすれば、簡単に見られます。
以下、本田忠先生作成のメール記事から転載
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患者の選択を制限するおそれがあると考えられる事例
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○高齢者用施設を新設するにあたり、特定の医師に入所者を優先的に紹介することの見返りとして、診療報酬の20%のキックバックを要求しているもの。
診療報酬を用いた経済的誘因により、診療の独占契約を結んでいるおそれがある
過剰な診療を惹起するおれがあると考られられる事例
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○ 診療所の開設者の親族が経営する高齢者用施設の入居者約300名のみを対象に訪問診療を行っているもの。
(一日当たりの訪問患者数36.9人、一人当たりの平均訪問診療時間5分22秒~10分、一ヵ月当たりの訪問診療回数ほとんど4~5回/月)
患者の選択を制限しているおそれがあることに加え、過剰な診療を行っている可能性がある
患者の選択を制限するおそれがあると考えられる事例
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マンション業者が医療機関と当該マンションに居住する者の返りとして、診療による収益の一定割合を報酬として要求するといった事例が見られる。過剰な診療を惹起するおそれがあると考えられる事例
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○ 医療機関が、特別の関係の施設等に対して、短時間に多数の患者に対して訪問診療を行うといった事例が見られる。
診療報酬を用いた経済的誘因により診療の独占契約を結ぶことで、患者の選択を制限するおそれがあると考えられる事例や、過剰な診療を惹起するおそれがあると考えられる事例等、保険診療の運用上、不適切と考えられる事例が指摘されている。
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看取りビジネス「在宅」扱い暴利生む
(参考)
「先生、五年で二億になりますよ」五年前、岐阜県多治見市のファミリーレストランでのこと。医師は「寝たきり専用賃貸住宅」の創設者を名乗る男性からビジネスに加わるよう誘われた。(略)医師は三年前まで、施設の訪問診療を担当していた。開設した診療所で五十人の入居者を受け持ち、年間の売り上げは一億円をゆうに超えたという。入居者一人に月額二十万近い医療費がかかった計算(略)その費用の半分以上を占めていたのが、週3回行っていたという訪問診療だった。
一回の訪問で、医師は診療報酬として八千三百円を請求していたという。一カ月平均で十三回とした場合、患者一人で十万円を超える計算だ。五十人なら五百万円になる。ただし、八千三百円は本来、在宅で療養する患者を一軒ずつ訪ねた場合を想定した金額だ。有料老人ホームのように患者が一カ所に集まっている場合、移動の負担が省かれるため、金額は四分の一以下の二千円に抑えられている。国も四月の診療報酬改定でその区別を明確化し、「同一建物」か否かを判断基準に明示した。(略)
重度の要介護者が同じ建物に集まる寝たきり専用賃貸住宅も、有料老人ホームと同じ扱いと考えるのが当然だ。ところが、有料老人ホームの届け出がないことを理由に、施設を担当する診療所は「在宅」同様の高額請求を続けていた。
(略)
在宅医療について(その1)
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=146781&name=2r9852000002uvk3_1.pdf
不適切な在宅医療は排除へ
http://mediwel.livedoor.biz/archives/1808259.html
平成22年度診療報酬改定で在宅患者訪問診療料の分類を施設の累計ではなく、同一建物の訪問人数により整理したことは記憶に新しいと思います。そして平成24年度改定では、自宅やマンションなどを問わず1人目のみ訪問診療料1の830点、2人目以降は自宅へは初・再診料等+処置料、有料老人ホームなどの特定施設等では訪問診療料400点、マンション等の特定施設以外では200点を算定するようになりました。同じ建物内への複数の患者を往診する場合は移動の負担が少ないため、2人目以降の点数を調整して反映しています。
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この記事へのコメント
初め、長尾先生から、患者紹介ビジネスの話を聞いた時は、信じられませんでした。
世の中には、わる賢い人もいるものだなあと、思います。
医療や、介護保険の裏事情に精通している人が、考えたのでしょう。
よくご家族の話の中に、お年寄りを老人ホームに、入れたら、担当の医者が決まっていて自由に、好きなお医者さんを選べないという苦情が多いです。
介護保険の施設が、お金のかかる特養から、安上がりの施設になると、お医者さんも、一人の医師の方が、効率が良いという考えになるかもしれません。
あんまり、倫理的、常識的に、おかしい状態は是非法律を作って、監視して貰いたいです。
特養に面会に行くと、嫌がられてる雰囲気があって、なかなか面会に行きにくいです。
自分の家で、暮らしたかったのに、無理やり、施設に入れられた独居老人に、長いこと面会に行ってない。一度行かなければと思っています。
私は、数年前、有る事情があって、朝日新聞に、ひどい目にあわされました。
いまも朝日新聞と日経と、取ってはいますけど。
新聞なんて、みんな似たような物なんでしょうけど。
Posted by こねこ at 2013年08月26日 01:20 | 返信
26日朝日新聞の声欄、80歳の主婦の方の投稿。
ご主人が食事をのどに詰まらせるようになったため入院、本人は食べたいと望まれていたのに絶食、点滴のまま逝かれたそうです。
奥様はやりきれなかった様子。
このように医者の言いなりになって後悔している一般市民が、きっとたくさんいるのだと思うと気の毒です。
長尾先生の啓蒙はまだ必要だと思いますが、お一人の力に頼っているだけで良いのでしょうか。
Posted by 匿名 at 2013年08月26日 11:59 | 返信
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