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高齢者総合診療
2013年09月01日(日)
医療界において高齢者総合診療への関心がにわかに高まっていることを肌で感じた。
昨夜も、精神科医、内科医が、勤務医、開業医を問わず集まり議論し、勉強になった。
臓器別縦割り医療は、高齢者にはもう終わりが近い。
医学会は、総合診療専門医を認定するといっているし、
日本医師会はかかりつけ医を推進すると言っている。
ドクターGに象徴される本来あるべきプライマリケアとしての総合診療と、
待ったなしの現実に後押される形での高齢者総合診療が、並行して推進されている。
30年かかったが、日本の医療も、ようやく扉が開こうとしている。
プライマリケアの時代がやっとやってきたことは、実に感慨深い。
大学5年生の時の大学祭の時のテーマは、プライマリケア診療だった。
思い返せば、大学の時からずいぶん地味な仕事をしていた。
もっと遊んでいればよかったのに。
でもあれがあったので、今日がある。
あまり知られていないが、最大の功労者は日野原先生だ。
日野原先生は、40年前から今日を見通しておられたのだ。
来年から大病院に紹介状なしでいくと1万円かかる、と報道されている。
市民からみたらいやがらせに映るかもしれないが、昔から言われていたことだ。
医療者はもちろん勉強していくが、当事者である高齢者もそろそろ
賢い医者のかかり方を、考えていおいたほうがいいと思う。
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【生活習慣病関連骨粗しょう症】
生活習慣病があると、脳梗塞、心筋梗塞を起こしやすいだけでなく、
骨粗しょう症、椎体骨折を起こしやすくなるので、
骨の健康にも配慮が必要。
そうなると逆流性食道炎を起こしやすくなる。
(ということは、誤嚥性肺炎のリスクも高まる)
好影響を及ぼす薬剤 スタチン、ササイアザイド、ARBなど
悪影響 アクトス、ワーファリンなど
診断 レントゲンが撮れないときは身長の変化(減少)を聞く
2cmなら、かなり
4cmなら、確実に骨折している。
【下部尿路症状LUTS (lower urinary tract symptoms)】
畜尿症状と排尿症状に分ける
基礎的事項
1回の排尿量 200~400ml、30秒以内
1日1000~1500ml
1日5~7回が正常
8回以上を頻尿という
排尿間隔は3時間以上
夜間2回以上は、病的
前立腺肥大症
国際前立腺症状スコア IPSSを測定
エコーで残尿の有無を調べる、それで治療方針がかなり異なってくる
まずは、α1ブロッカー。
過活動膀胱を合併すれば、
αブロッカーと抗コリン薬の併用
β3受容体作動薬(ベタニス)は、男性のOABの理想的治療薬
PSA値は前立腺体積と比例する。
女性のOAB
腹圧性尿失禁(咳で漏れる) には骨盤底筋体操
切迫性尿失禁
夜間頻尿
BNP,PASと強く相関する。
【高齢者の不眠】
日本大学
不眠とは寝床に入ってから眠れないこと
15歳で8時間
30歳で7時間
65歳で6時間
250年前まで夜中に起きる習慣があった
10万年間、人間は夜起きてきた。
まとまって寝るようになったのは最近の習慣。
大部分は、寝過ぎで眠れない
不眠不安症で眠れない
眠れないのではないかという
セルシンやデパスで眠れるのは不安が無くなるから
寝不足で睡眠が深くなる
寝ないでいると脳脊髄液中のPGD2が増加する。
睡眠薬によるふらつきは、視覚による補正が入る。
トイレに行く時は、電気を完全につける。
寝室のスイッチに紐をつける工夫が役にたつ。
筋弛緩作用がなくて、持ち越し作用が無い睡眠薬を選ぶ
睡眠薬が増えて 止められない
睡眠薬で過眠になっている。
アルコールと併用しない。
リズムの変動。
眠れる時間と眠れない時間がある。
末梢での放熱で深部体温が下がると
代謝が下がり、よく眠れる
ロゼレムは、深部体温を下げて眠る状態を作る
脳には直接作用しない
眠前ではなく、飲む時間を告げる
入院に伴う不眠
9時消灯6時起床では不眠は必発。
肺炎がきっかけに発症した尿閉
夜間頻尿だけ=夜間多尿
生活指導、
【パネルデスカッション】
ビタミンD不足は、骨折リスクが高まる
A1c=7.5%以上では、骨折リスクが高まる
10代の不眠
・朝が起きれるかがポイント
・レストレスレッグはこの年代でも混じる
「なんとなく眠れない」程度の訴えのことがある
・入眠障害、時差ぼけのような状態
朝30分ずつ早く起こしていく
・少量のメラトニン製剤を、夕方に飲ませる
【目に見える認知症薬―張るタイプ】
塗り薬で貼り薬のかぶれを少なくする努力をして
貼り薬の脱落率を5%まで下げた。
保湿剤(ヒルロイド)を使う
数日間症状が残っている場合は、ステロイドを塗る
長谷川和夫先生の言葉
「認知症の患者さんは物語を持って受診され
薬を持って帰らされる」
“スピード問診表”の活用
朝に光を当てる
朝5時を過ぎると出なくなる。
【認知症と生活習慣病】
Frailtyの構成要素
・身体的;サルコペニア、ロコモ
・精神的;認知症
・社会的;独居
ADの危険因子
・糖尿病
・高血圧
・肥満
・抑うつ
認知症と生活習慣病をセットで診る。
動脈硬化は認知症の原因となる。
アミロイドPET
血圧とβアミロイドの相関。(アポE陽性のひとたち)
降圧剤で認知症を予防するというエビデンスが出ている。
この認知症とは、認知症全般。
アルツハイマー病では有意差は出なかった。
ACEやARBが候補(ARB?)
ACEは、アミロイドβの分解を抑制する??
夜間血圧に着目すると
Nondipper やriserが、認知症のリスクが高い。
米国では、高齢者の初診は、認知症の検査をするところもある。
糖尿病学会では、高齢者はHbA1cは8%以下でいい。
血糖変動が少なくなるように、DPP4阻害薬が推奨される
暗算負荷試験(単位時間内に200から7をひいて行く)をすると、
MCIは血圧が上昇する
ADは上がらない。
多剤併用
5剤以上が転倒のリスク増大
アドヒアランスを向上するための工夫
・1剤か合剤にまとめる
・1日1回にまとめる
・降圧剤は、夜が適している
・口腔内崩壊錠、貼付剤の活用
・上手に一包化
一元管理の重要性
家族の負担軽減
何を優先するかをアンケート
医療者は、QOLが1位。
患者は、病気の回復が1位。
死亡率の低下は、両者とも最低の12位であった。
CGAの重要性は、医師国家試験に出て来る
リバスチグミンは、ADL障害を予防する。
外出と服薬のADLが落ちない。
認知症の方の服薬管理は、平均7分かかる。
心血管疾患の予防は認知症の予防と重なる。
アンドロゲンと認知障害
エイジングドミノ
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