朝から、会議がたてこんでいた。
本郷を出るのが、１０分遅れてしまった。

あいにく地道も首都高速は、どこも渋滞。
芝公園まで混雑する地道で行き、迂回し高速に入った。

今でもこれなのに、２０２０年は大丈夫？
どうせなら渋滞の無い首都高にしてほしい。

高速に乗っても、お台場でまだ渋滞している。
やっとの想いで到着した、ANAのカウンターのうんと若いお姉さんは、NOを掲げた！

１５分前までに、あの検査場を通過しなければならない、と書いてある。
本当に１分１秒でも遅れたら、即アウト！なのだ。

まだ１４分あるので間に合うじゃないか、と言っても、取り合わないのが羽田空港NAN。
１分１秒でも赦してくれないのが今の、羽田。驚くほど厳しいのだ。

飛行機がまだ離陸していない、まだ１０分以上あるのに、
別ルートを探さなければいけない事態に陥ってしまった。

行き先は岩国市の岩国医療センターだ。
本来は、岩国空港からは目と鼻の先なのだが・・・

講演は１９時１５分～。
本来、岩国空港までの、余裕のトワイライトフライトのはずだったが、エライ事になった。

様々な選択肢があった。

・２時間後の宇部空港行きに変更
・同じく、広島空港行きに変更
・同じく、福岡空港行きに変更
・３時間後の岡山空港行きに変更

どれも空港までのアクセスが悪い。
また新幹線の駅からの便も少ない。

結局、
伊丹空港か神戸空港経由の山陽新幹線ルート、のほうが早いのでは、と判断。

１６時発の伊丹行きか
１６時０５分発の神戸行きか、の２者択一となった。

伊丹空港から新大阪は混んでいるかもしれないが、
神戸空港から新神戸駅は、おそらく確実に２０分で行ける。

新大阪と新神戸は１３分だから、神戸空港のほうが確実。
そう判断して、１６時０５分発の神戸行きを選択。

チケットを買い直す。
１９時までに岩国に無事、着けるのだろか？

ところが、神戸行きの搭乗口まで来ると、今度は乗るはずの飛行機が来ない！
機体を急いで変更しているとのことで、出発時刻を過ぎてからの搭乗開始となる。

入口では、１５分前のことろが１４分で、１分違いで門前払いを食わせても、
搭乗口ではｱﾅｳﾝｽもないまま、とてもルーズな搭乗をしている、と恨めしく思った。

結局、２０分遅れて羽田を出発。
ああ本当なら、もう岩国空港に着いていたはずなのに、まだ俺は羽田にいる。

神戸空港から新神戸駅への道もまた混んでいて、目標の新幹線にまたまた乗れず、
広島駅での接続が悪い新幹線にしか乗れなかった。

広島駅で、次のこだままで、また３０分の待ち時間となる。
今日は、そんな日なのだ。

所詮、悪いのはすべて自分。
ともあれ、講演時間が迫るので、ドキドキ、焦る

果たして新岩国駅に到着した時には、講演開始時間を過ぎていた。
もちろん先方さんには、一連の状況をお伝えしている。

新岩国駅に降りつと、人がいない。
ゴールデンタイムなのに新幹線が１時間に１本しかない理由が分かる気がした。

タクシーで岩国医療センターまで１５分。
その間、人がまったくと言っていいほどいない。

夢か幻か、
はたまたドッキリカメラ、のような気分。

途中にかなり大きく立派な住宅地があるが、道を歩く人は一人もみえない。
もしかして、ゴーストタウン？？？

結局、新幹線の駅から講演会場まで、人間を１人しか見なかった。

こんな平和でゆったりした場所で、俺はいったい何を話せばいいのだろう？
焦りと不安で一杯になる。

結局、４０分遅れて講演が開始。
質疑応答を含めて、１時間半、講演をさせていただいた。

今夜の演題は、なんと「施設ホスピスと在宅ホスピスの文化の差」。

こんな演題で講演をさせていただくのは初めて。
昨日からいろんなスライドを造って望んだ今夜。

少し遅刻して、すっかりご迷惑をかけてしまった。
しかし急性期病院のスタッフの方々は熱心に聴いて頂き、素晴らしい質問も頂いた。

帰りの新岩国駅までのタクシーの窓からでも、人は数人しか見えなかった。
最終の新幹線に乗り込む人は、私以外は、たった一人だった。

なんだか一票の格差ではないが、人の重みが都心とは違う気がした。
とてもおおらかな空気を感じた。

生まれて初めての山口県。
安倍総理の出身地でもある。

しかし暗闇しか見えなかった岩国市。
夜になると赤ちょうちんもあまり見かけなかった。

本当は夕暮れの岩国空港を観たかったな。
しかし自分の不手際で、叶わなかった。

とわいえなんとか任務が終わって、ホッとした。
新幹線で、コンビニ弁当と缶ビールで、旅の疲れを癒しながらの帰阪。

岩国医療センターのみなさま、ありがとうございました。

トホホな一日が終わった。