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いろんな患者さんに寄り添う
2013年09月25日(水)
研修医君を教えるのは、普段の倍のエネルギーを要する。
朝の在宅と夜の在宅は研修医君はいないので、私の1日の半分だけを見たことになる。
今日は、午前も午後も100人を超える患者さんが来院された。
その一人一人が大きな思いを胸にクリニックの扉を開けられる。
初診の方は、特に心に秘めた想いが大きいと思って間違いない。
問診票には、胃が痛いと書いてあっても本質は胃ではない。
根掘り葉掘り、刑事のようの聞いていく。
そこで怒りだす患者は、本当に胃が痛いだけの患者。
それはそれでいい。
しかし聞けば聞くほど、驚くようなことを口にされることが多い。
家族や夫婦間の、信じられないようなトラブルがふと口を出てくる。
黙って聞いていると、決定的な秘密を話しだす。
ドヒャーと転げ落ちそうになるような悩みを話しだす。
と同時に、大粒の涙がこぼれおち、嗚咽が始まる。
そうだ、その患者さんは、これを聞いて欲しくてここに来られたのだ。
胃じゃなくて、とんでもない家庭の悩みがその人の不調の原因だったのだ。
やっぱり・・・
それを一瞬で見抜けるのがプロなんだ、
人間を診るということなんだ。
人間を診る、というと、馬鹿にする医師が必ずいる。
人間を診たことがない医師は、人間を診るという意味が一生分からないので仕方がない。
なんて偉そうに研修医に説明する。
看護師は陰で笑っているだろう。
しかし本人(私)は大まじめなのだ。
いろんな患者さんに寄り添うことが町医者の仕事。
それを喜びと感じられるか。
それをご縁と思えるか。
それを教科書と言えるか。
それが、町医者と、ただの医者の境目だ。
簡単ではないが、修行をすればそこに近ずける。
酒井和尚のように笑いながら回峰行を続けることが、地道に生きるということなのだ。
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この記事へのコメント
いつもお世話になっております。長尾先生の下で研修をうける研修医さんは、本当に幸運な人ですね!
病気を診るのではなく、人を診る医師になってほしいです。先生!今のうちに綜合診療医になるように
話しておいて下さい‼
Posted by 患者A at 2013年09月25日 04:58 | 返信
今日もお疲れさまです。( ´ ▽ ` )ノ
研修医さんの御指導もお疲れさまです。
昔、研修医さんに質問した。
Q.なぜ医者になったの?
A.就活しなくていいっすから
Q.何科の専門医になるの?その理由は?
A.糖内、悪なっても自己管理が出来ないからっしょ、夜間緊急少ないし、これから糖尿病の患者は増える。
ある意味、賢いと感じた。きちんと将来を見据えている。
人間を観ないと言うより患者を見ない。
ipadを持ち歩き、パソコンの前で検査データーとにらめっこ。
どの検査をすればヒットするか?
どの薬剤を使用すればヒットするか?
データーが基準範囲になればOKさっ。
医療の将来が不安になる。
せめて担当患者の顔ぐらい覚えてよぉ!
記憶力いいはずなんだから‼
先生ちの研修で、これから必要な医療を学んで欲しい。
Posted by rara at 2013年09月25日 11:32 | 返信
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