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抗がん剤をやる、やらない
2013年10月15日(火)
私の書いた本「抗がん剤10のやめどき」と並んでいるので、両者のタイトルだけを見た
一般の方は、「いったい、どっちやねん?」と思うだろう。(大阪弁)
抗がん剤をやれとか、やめておけなんて私は言っていない。
命令口調の本が売れるそうだが、そんなことを言えるほど偉くもない。
やる自由、やならない自由があると言っている。
そしてやるなら、やめどきが大切だと言っている。
「抗がん剤だけはやめなさい」(近藤誠著)と、
「抗がん剤のやめどき」(長尾和宏著)
の違いを考えてみた。
以下、この「抗がん剤」を、いろんな言葉に置き換えてみた。
「ベンチャー起業だけはやめなさい」
「ベンチャー起業のやめどき」
「50歳をすぎてのプロゴルファー志願だけはやめなさい」
「50歳をすぎてのプロゴルファー志願のやめどき」
「偏差値50で慶応大学受験だけはやめなさい」
「偏差値50での慶応大学受験のやめどき」
「卵子凍結だけはやめなさい」
「卵子凍結のやめどき」
「防災対策だけはやめなさい」
「防災対策のやめどき」
「宝クジだけはやめなさい」
「宝クジのやめどき」 ・・・・・・ (笑)
それぞれ、可能性はゼロではない。
成功例もある。
ただし不確実性もあれば副作用もある。
そしてなにより自己決定と自己責任だ。
それを指南するコーチ、お師匠さんもいる。
もちろんどんなコーチを選ぶのかも自由。
チャレンジする自由も権利も有している。
幸福追求権という基本的人権がある。
抗がん剤で、死にかけの末期肺がんを宣告されていた人が生き返り
7年間も元気に生活した人を診た。
抗がん剤で、ステージⅣで肝臓転移、肺転移を伴う大腸がんの人が
10年たっても元気に生活し、ゴルフも楽しんでいるのを診ている。
抗がん剤で、ステージⅣのスキルス胃がんで余命半年と宣告された人が
1年半経った現在も元気で過ごしているのを診ている。
詳しいことは、「医療否定本に殺されないための48の真実」の中に書いたとうり。
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%9%A6%E5%AE%9A%E6%9C%AC%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE48%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4594068685/ref=zg_bs_2133619051_3
もし、この世に抗がん剤というものが無ければ彼らは、そうなっていなかったはず。
この現実だけでも、抗がん剤が効く人が確実にいることは、素人でも分かる。
抗がん剤で生き返った人がいるのは、「真実」なのだ。
もちろん、「がんもどき」ではない。
がんもどきは転移しないそうだから、がんもどきではなく、本物のがん。
ああ、そんな訳のわからない理屈をいくら書いても意味が無い。
エビデンスの意味が分からない人に、エビデンスを説くことは私の流儀ではない。
私は町医者の視点で、診た事実を、たとえ1例であっても報告しておくのが仕事。
そしてそこから見えてくるものを考察して形に残すのが仕事。
夢とか幻という話ではない。
現実は現実。
もちろん現実に宝くじに当たった人の話だ。
その陰には、当たらなかった人、途中でやめたひと、後悔した人もいるだろう。
だからこそ、やめどきを考えるべきなのだ。
賢い患者になるのだ。
「医療のいいとこ取り」を目指してほしい。
http://www.amazon.co.jp/%E6%8A%97%E3%81%8C%E3%82%93%E5%89%A4-10%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%82%84%E3%82%81%E3%81%A9%E3%81%8D%E3%80%8D-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4893088076/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1378141318&sr=1-1
やる、やらない、の話ではない。
極論で素人を脅して金儲けをするほど偉い医者ではない。
現代の科学技術をどう使うかという命題に対峙している、末端の町医者。
中村仁ちゃんのように、携帯電話もメールも持たないという生き方も立派な選択だ。
一方、携帯やメールやパソコンを何台も操ってネットトレードを生業にするのも選択。
今を生きる多くの人たちが一番知りたいのは、現在の科学技術がどこまで発達していて
自分がどのように利用できて、自分にどのような功罪があるのかという分かりやすい情報。
いまどき、「携帯電話だけはやめなさい」なんて煽るだけで、
仕事が成り立つ偉い先生とは、生きている世界が全く違う。
毎日、いろんなメールや手紙を頂く。
2つの本に感動して涙を流したという話も頂き、ホント書いてよかったなと思う。
「医療否定本に殺されない48の真実」は、5刷り、3万部突破、
「抗がん剤10のやめどき」は、3刷り、2万部突破。
両者とも韓国で翻訳本が出るらしい。
ありがとうございます。
同時に、もっと詳しく知りたいという声もたくさん頂く。
それならと、森羅万象に迫るべく日々勉強している。
ここまで読んで頂いた方には、もう分かっていただけるだろう。
私は誰かと対決したり、誰かを攻撃したいわけではない。
「和」という名前のとうり、和して、妥協して生きたい人間。
ただ単純な性格なので、自分の意見をはっきり言ってしまうのが悪いところ。
本質を突いてしまい、嫌われたことも数知れず。
自他共に認める世渡り下手。
ただ議論の対象にする価値のないものを相手にするほど暇ではない。
私は、ただ目の前の患者さんに役に立つ医療、情報を求めているだけ。
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