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がん拠点病院の終末期医療は本当に酷い

2013年10月16日(水)

がん対策基本法ができて、がん医療が良くなったのか?
私の答えはNO!
自信をもってそう言えるのが悔しいのだが。
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がん対策基本法が出来て喜んでいるのは
がん診療拠点病院だけにしか見えない。

日々、最前線にいると「信じられない、これでもi医療者か?」と思える話が溢れている。
がん診療拠点病院の偉いお医者さんの言動に、患者さんは泣いている。

今日だけでも3件の酷い話を聞いた。

1 高齢で治療を嫌がる患者に無理やり治療を勧める専門医
  86歳の肺がん患者さん。本人も家族も入院や治療を拒否している。
  しかし専門医は、25日連続の放射線治療を強く勧めている。
  それが一番だ、としつこく言うとのことで、私に相談してきた。
  患者自身の声を尊重しないなど、言語道断。
  そのアホな専門医の顔を、指名手配写真のように公開すればいいのに。
  被害者を増やさないためにはそうすべき。

2 末期で苦しんでいるのに抗がん剤をやめない医師
  すい臓がん末期で激しい痛みがあり、1週間以上なにも食べていない患者に
  まだTS-1を飲ませて(飲めていない)、通院を強要する専門医。
  「飲めば半年寿命が延びる」なんてことをこの期に及んで言っている。
  そのくせ緩和医療の、かの字も知らない。
  痛みで気絶して救急搬送されても、ロキソニンだけで帰す鈍感さ。
  がん専門医の頭の中には緩和医療という言葉は、実際には無い。
  「抗がん剤のやめどき」、という言葉ももちろん無い。
  もちろん在宅医療とか、在宅緩和ケアという文字は、一文字も無いか浮かんでこない。

3 地域連携室も「がん」
  がん診療拠点病院に入った患者さんは、地域連携室を通っても
  通らなくても自宅には帰れない。
  一度入ったら、死なないかぎりご縁が出れないのががん診療拠点病院。
  地域連携室があることを知らない専門医。
  また在宅ホスピスという言葉すら知らない連携室のMSWさんや退院調整ナース。
  彼らはいない方が、がん患者さんのためになる。
  連携室ではなく、連携阻害室になっていることに気がついていない。
  地域連携室から連絡があって在宅に帰ってくるのは、3人に1人の3割。
  あとは退院調整している間に、死んでしまう。
  結局、助かる(願いが叶う)のは、自力脱北者のみ(100%) となる。

以上は、一流のがん拠点病院でのお話。

がん診療拠点病院の手術技術、放射線機器、抗がん剤治療は素晴らしいのだろう。

しかし、それ以外は、まいただけない。
医療者はダメで済むが、患者は大切な終末期を棒に振る。
これはまさに犯罪行為ではないか。

がん診療拠点病が、がん終末期医療のがんである!

何度もそう書いてきたが、現実は酷くなる一方だ。

がん対策基本法の理念と逆の方向に行っているのは間違いない。
可哀そうなのは患者さん。

がん患者さんたちの大きな怨念が、近藤誠本に向かっている。

途方もない怒りのエネルギーが近藤誠現象となっている。
”がんもどき”がいい悪いではなく、他に救いが無いのだ。

今からでも遅くない。

がん対策基本法を、患者さんのためになるように見直すべきfだ。
簡単なこと。
現在のピラミッドを逆ピラミッド型にすればいいだけ。

がん患者さんは生活者である。
すなわち生活の中に医療が無ければいけない。
底辺(=地域での生活)を一番重視するがん医療への転換が求められている。

たったあこれだけのことが分かる医者ががん拠点病院にはほどんどいない。
生活やQOLや在宅という観点から見れば、アホがアホを教えて自己満足して
いるのが、がん拠点病院の終末期医療ではないか。

結局、「延命と縮命の分水嶺」がまったく分かっていない。
分かろうともしない。

もし心あるがん専門医がいたら、拙書「抗がん剤10のやめどき」を
読んで考えて欲しい。部下にも読ませて欲しい。

がん患者さんは、以上の致命的欠陥を知った上で、
がん診療拠点病院を賢く使いこなすべきだ。

いいとこ取りをしてほしい。
幸運をお祈りします。

実は、もっと恐れていることがある。

それは来春からの国を挙げての認知症対策。
すでに間違った方向に進んでいるので重症。

えらいこっちゃ、だ。
認知症のこともちゃんと本にして皆様に伝えしないと、と強く思う。

行政や大学病院指導者は、もう少し責任を感じて欲しい。

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この記事へのコメント

今日もお疲れさまです。m(_ _)m

今日は少しご立腹ですよね⁇
がん拠点病院は治療してなんぼの世界ですよね‼
患者がいかなる状態でも、僅かな可能性?の治療をしますもんね‼
そして細胞レベルまでボロボロにして、他に手段がなくなれば転院ですよね⁇
できる限りの治療をしたけどこれが限界だと言われてね・・・・・
殺生な話ですわっ(T ^ T)
だから、私は迷いなく在宅医療・緩和を選択しました。

これからも同じような被害を受ける患者が増えますよね、、、、、
これからもがんと認知症は増えるばかり、、、、、
どうなるんかな⁇

Posted by らら at 2013年10月16日 03:05 | 返信

私の86歳の父が、労災病院で、耳下腺腫瘍の手術をした後、お正月明けから、一ヶ月半ほど、放射線治療を受けるように、言われて、もの凄く嫌がったのですが、私は父をなだめすかして、受けさせました。
結果は、腫瘍は、無くなりましたけど、退院するなり、尻もち転倒して、脊柱圧迫骨折で、一年近くベッド生活で、リハビリの時は、痛そうに立つ練習をしていましたが、インフルエンザに掛かって、病院で、院内感染MRSAで死にました。
86歳で放射線療法は少し、無理だったのかもしれません。
認知症に関しては、以前より、お医者さんに依って診断が違うので、近所の、高齢者も恐がっています。
あるお医者さんは「あんたは、アルツハイマーや!」と高齢者の頭ごなしに言うのでびっくりして、隣町の脳神経外科に掛かると「ごく初期の脳梗塞です。アルツハイマーでは有りませんが、前向きに、リハビリして下さい」と言われてホットしたと近所の人は言っています。
アルツハイマーの薬で有名な製薬会社のプロパーは「認知症の人を、見かけたら直ぐ通報して下さい」とケアマネジャー達にお願いしていました。まるで、犯罪者を警察に通報してくれと言うのと同じ口調でした。製薬会社のプロパーって、自分を警察官と思いこんで、ケアマネジャーをお医者さんと勘違いしているのではないかと、思いました。
認知症の診断は、お医者さんがするのだと思いますけど。

Posted by 大谷佳子 at 2013年10月16日 03:22 | 返信

身近な尼崎
そこにある、がん拠点病院から変えていってほしいです。
医者を変えるのは患者。
しかしその医者の現実をよく知っている地域の先生こそ先頭に立って動いてほしいです!
それとも、やはり医者の繋がりが大切でしょうか?

もっと長尾先生には、身近なそこにある現実に取り組んでいただきたい。
全ての人に著書が届くわけではないのですから…

Posted by ゆい at 2013年10月16日 07:41 | 返信

そんな病院ばかりじゃないですけど。

Posted by 匿名 at 2013年10月16日 09:46 | 返信

長尾先生。

先生が仰るように、がん拠点病院の酷さについてはいろんなところから聞きました。
抗がん剤を止めたくても止められないとか、治療に意見するとよそに行け!と言われるとか、
その他もろもろいろいろ・・・
私の父もがん拠点病院(有名総合病院)にて手術をし、その後の抗がん剤治療も受けていましたが、
九か月後に転移再発し、抗がん剤を止めて穏やかに過ごしたい。通院も止めたい。との意向だったので、私が主治医に話をしに行きました。
何を言われるか?心臓ドキドキで参りましたが、主治医からは、「お父さんの意思を受け入れることが最高の親孝行だと僕は思うから、それでいい。でも、またこの病院で診てもらいたいとお父さんが言ったら、いつでもWELCOMEだから連絡してください。」と言われました。
私は、まだ何か父に治療ができるのでは?と、潔くなくもがいていましたが、父親の意思を尊重しようと思い、主治医の言葉で安心しました。私は幸運だったと思います。
もし主治医から、やっぱり抗がん剤をした方がよい。と言われたり冷たい態度を取られたならば、頭ではわかっていてもまた思い悩むことになったかもしれません。

がん拠点病院の医師、病院全体が変わらなければ、患者はもちろん家族も不安になるばかりですが、そうそう医師や病院が簡単に変わることはないと思うので、患者自身や家族も知識武装して賢くならなければならないと思います。
そのためにも、私には先生の著書はバイブルになってます。ありがとうございます。
明日の中之島での講演会、参加させていただくことにいたしました。ただ、明日の父の体調如何によって欠席になるやもしれませんが、楽しみにしております。

Posted by プムックル at 2013年10月16日 10:14 | 返信

長尾先生の頑張りには賛成ですが、マスコミ、政治家(国会議員)、教育界、医療界などなど、中々自分達の組織全体に不利になるように見えることの内部改革は困難です。残念に思うことは、多いと思いますが、外部の(有力な第三者の)正論が、しっかりと成熟し大きな力とならなくては巨大・強力な組織はそう簡単には変わりにくいと思います。ちょっといいこと、思いつきでよさそうなことが、真の成果となるには多くの議論や反省や、犠牲・試練や信念対立を乗り越えて前進する必要があると考えます。

Posted by 藤川 at 2013年10月16日 11:20 | 返信

わたしの大事なお友達…
年齢が近い仲間が亡くなるのは、本当に辛い。
仲良し3人組。。
その中の一人は、4年前の12月に膵臓がんが見つかり、3ヶ月後に、病院で旅立ちました。まだ子どもが学校に通っていたので、亡くなるわけには行かない、、、と最期まで闘っていました。
そして、もう一人、先週、乳がん再発で亡くなり、明日で初七日です。
このコロナ禍、入院での放射線治療を行い、主治医からホスピスを提案された時、LINEで「家に帰りたい」と…。
その願いを叶えたく、おうちに帰ってきました。
週ごと、日ごとに状態が悪くなると医師からは言われていましたが、ちょうど5ヶ月間、お家で過ごすことができて、最期は、ご家族に見守られての旅立ちでした。
友達を看取るなんて、初めての経験です。
5カ月の間、いろんなことがあったよね、、
家族じゃないのに、こんなに近くに居させてくれて、よかったです。今は、ポッカリ、穴が空いたような感じです。
二人に一人はがんになり…と言われてますが、
なんで、わたしの大切な友達二人が、逝っちゃったんだろうと思ってます。
二人の彼女は わたしに何を伝えようとしたのか…
遺されたものが、この想いを受け止めて、わたしも誰かに何かを伝えていくことが大事…ですね。

Posted by 宮ちゃん at 2021年02月15日 10:45 | 返信

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