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貶められた在宅医療
2013年10月31日(木)
朝日新聞が在宅患者紹介ビジネスを書いて、2ケ月が経過した。
中医協では、的外れな取り締まり論が議論されているようだ。
懸念したとうり、まさに極一部の悪徳業者によって在宅医療が貶められようとしている。
http://www.asahi.com/articles/TKY201310300456.html
あれだけ「貶められないように」言ったのに
ちゃんと「貶められて」いる。
中医協も厚労省も政治家も、いったいどこを見ているんだ!と言いたい。
「あれは違法ではない」とのことだが、違法ではないか。
これが合法なんて、どんな神経をしているのか!
関係の無い真面目に診療している在宅医がトバチリを受ける格好になった。
懸念していたことが現実に。
フリーアクセスの阻害は、私もあちこちで指摘してきたが、当たり前のこと。
しかし今、現在も堂々と国民皆保険制度の土台の違反が続いているのに放置されている。
それを放置したまま、こうした答申を出すとは信じられない。
違法なのだから、ただちに処理しないと単なる政治や行政の怠慢ではないか。
関係者にこうした懸念を伝えていたが、末端の町医者の意見など中央に届かない。
今回示された対処法は、この問題の本質を見逃している。
在宅医療=性善説だったのが
在宅医療=性悪説への転換点となるという見方もできる。
これは本来、悪徳在宅医と紹介業者を放置してきた政治と行政の責任だ。
いわば政治家や役所の無策の過失責任を、
まったく関係の無い善良な医療者に転嫁しただけのこと。
罰せられるのは、善良な在宅医ではなくて
犯罪者のほうである。
犯罪者の取りしまりと
診療報酬議論は別物。
両者を混同してはいけない。
泥棒は赦して、善良な市民を拘束する警察官のようなものだ。
このような間違いに、政府の有識者は気がついてほしい。
政治や行政の無作為によって、在宅医療が貶められつつあることが
残念でならない。
田村大臣閣議後記者会見概要(10/25)《厚生労働省》
田村厚生労働大臣は10月25日の閣議後に記者会見を行い、患者紹介についてコメントしている。
患者紹介とは、「寝たきりの高齢者等を施設に収容し、そこに提携している医療機関から訪問診療を行い、施設側が診療報酬の一部を受取る」というもの。
患者のフリーアクセス(どの医療機関から訪問診療を受けるかの自由)を奪ったり、療養担当規則に抵触しなければ、違法ではない。
しかし、実態をみると、一部には違法な事例もあり、中医協で是正方策等が検討されているところだ。
この点について田村厚労相は、「手数料・紹介料みたいなものを取るやり方自体は、明確に現状の下で法に触れるという形にはなっていないのかも分かりませんが、しかしこれは本来の趣旨からすればですね、そういうことを想定していないわけでありまして、不適切だというふうに私も思っております」とコメント。
また是正策については、「レセプトの中に訪問先の名前を書いていただく」ことや、「1つの施設等々で多くの患者の方を訪問診療する場合の診療報酬点数について、たとえば『何人以上ならばどれぐらいに下げる』」ことなどを検討していると明らかにしている。
後者の「1施設で多人数を診る場合の訪問診療料などの引下げ」については、きちんとやっているところに不利益が生じないように留意することを付言している。
さらに、「訪問診療のガイドライン」や、患者紹介料などをとることを療養担当規則等の中で明確に禁止するなどの対応を検討する考えも述べている(p2参照)。
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中央社会保険医療協議会患者紹介ビジネス、紹介料の提供禁止へ
「入居者の9割に訪問診療」など報告20件
2013年10月30日(水) 島田 昇(m3.com編集部)
中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)が10月30日に開催され、高齢者介護施設の入居者などを、在宅医療を提供する医療機関に紹介する「患者紹介ビジネス」への対応について議論した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。
厚労省は、保険医療機関が、患者の紹介に対し紹介料を支払うことが現行制度上は違法と言えないため、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(療養担当規則)を改正し、2014年4月から紹介料などの経済上の利益の提供を禁止することを提案した。
患者による医療機関の選択の制限や、不必要な訪問診療や往診などの過剰診療が問題視されている「患者紹介ビジネス」について、厚労省は8月28日付で厚生局や都道府県などに報告を依頼したところ、これまでに20件(有料老人ホーム9カ所、認知症高齢者グループホーム4カ所、サービス付き高齢者向け住宅3カ所、経費老人ホーム1カ所、特別養護老人ホーム1カ所、不明2カ所)の報告があった(『患者紹介ビジネス、診療報酬対応の議論も必要』を参照)。1つの医療機関が複数の施設から患者紹介を受けているため数字は合わないが、紹介を受けた医療機関は医科5カ所、歯科7カ所。
この報告によると、9割の入居者に対して訪問診療が行われていたり、在宅療養患者へのかかりつけ医機能を評価する「在宅時医学総合管理料」と「特定施設入居時等医学総合管理料」の要件の1つである「月2回以上の定期的な訪問診療」の受診を、入居条件にしていたりする施設もあった。
こうした不適切な事例を防止するため、厚労省は、療養担当規則で禁止規定を設けるほか、「訪問診療料」と同様に、「在宅時医学総合管理料」と「特定施設入居時等医学総合管理料」についても、訪問先の患者が同一建物かどうかに応じた評価体系に変更することを提案。「訪問診療料」については、患者による医療機関の選択や過剰診療の防止を図るため、患者の同意、診療時間、訪問先名、訪問先名、患者の状態などを診療録に記載し、患者や家族に説明することを新たな要件にすることとした。同一建物での訪問診療についての適正な評価も論点として挙げた。
診療側は「紹介業者の規制も必要」
全国健康保険協会東京支部長の矢内邦夫氏は、厚労省案を支持し、患者紹介ビジネスは、現場で質の高い医療を提供している医療従事者や医療制度全体の信頼を失いかねない事態であることから、省令改正を指示。日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏も、厚労省の案に概ね賛同を示したが、「紹介業者側も規制しないと問題は解決しない」と指摘した。
これに対して、経団連社会保障委員会医療改革部会部会長代理の石山惠司氏は、患者紹介を受ける医師が拒否すればいい問題であるとして医師側の責任を追求すると、日医社会保険診療報酬検討委員会委員長の安達秀樹氏は、悪質な紹介業者に医師側が騙された可能性もあると指摘した上で、京都府医師会の会員の間では2年以上前から「あり得ない」との認識で一致していることを紹介した。
連合の会総合政策局長の花井圭子氏は、民間事業者などが展開するサービス付き高齢者向け住宅の広告の中で、「患者の囲い込みが可能」との文言があったことを問題視し、サ高住が厚労省の介護を担当する老健局と国土交通省で取り組む政策であることから、「全体的な構造の中で規制していく必要がある」と意見を述べた。
「診療報酬が高過ぎる」
健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏は、医療機関から紹介業者に診療報酬の3割を支払っている例もあるとされる「患者紹介ビジネス」の報道を問題視して、「診療報酬が高過ぎるのではないか」と指摘。「過剰な診療をしていると疑われる」とした上で、保険者に寄せられる不適切事例と疑われる情報を厚生局に報告しても、「厚生局が一向に動いてくれないことに半分怒り、半分あきらめている」として、現状のままでは「負のスパイラルになってしまう。チェック体制の構築をお願いしたい」と厚労省に改善を要望した。
森田氏は、支払い側も診療側も「基本的な方向性に違いはない」として、厚労省案を土台に引き続き議論を深めていくこととした。
「患者紹介ビジネス」で医療機関が紹介業者に紹介料を提供することを禁止するなど、対応策が検討された。
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この記事へのコメント
京都府の老人ホームの利用くせとは。会話収集の手つだいをします。
Posted by 京都府の老人ホームならここ at 2016年10月19日 08:57 | 返信
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